ラーリージャーニー国会議長とガーリーバーフ・テヘラン市長が会談:次期大統領選をめぐって憶測流れる
2008年12月23日付 E'temad-e Melli 紙

昨日、ガーリーバーフ・テヘラン市長とラーリージャーニー国会議長が会談を行い、〔国会議事堂のある〕テヘランのバハーレスターン地区の渋滞緩和と同地区の最適利用を目的とした、「バハーレスターン総合計画」法案の総則に関して合意した。

 とある開発計画の総則に関して〔国会とテヘラン市の間で〕合意がなされたこと、これが今回の会談の成果であるとされている。しかしここ最近の〔政界の〕雰囲気を反映してか、この会談は次期大統領選挙をめぐる問題やガーリーバーフ市長の立候補に関する憶測、そしてこのことへの〔関係者からの〕様々な反応などとも、密接に絡まり合うものであった。

 国会の原理派に属するある議員は次のように言う。「ラーリージャーニーがテヘラン市長の大統領選立候補に支持を表明したのは、これが初めてではない。約8ヶ月前、国会議長選挙が取り沙汰されていたとき、ガーリーバーフと彼を支持する議員らがラーリージャーニーの国会議長選出を支持したことに対して、彼も大統領選挙のときにはガーリーバーフを支持すると表明したのだ」。

 今回のラーリージャーニー=ガーリーバーフ会談で選挙をめぐって話し合いが行われたと指摘する人物の一人、オルーミーイェ選出のナーデル・ガーズィープール議員は、「この会談では、選挙をめぐる問題が話し合われ、ラーリージャーニーはモハンマド・バーゲル・ガーリーバーフの大統領選立候補に支持を表明したと言われている」と語る。

 その一方で、国会議長顧問を務めるハサン・ザマーニー氏は、アリー・ラーリージャーニー国会議長がガーリーバーフ・テヘラン市長の次期大統領選立候補を支持したとの情報が、ある国会議員の証言として流れていることに否定的な見解を示している。「本日朝に行われた国会議長とテヘラン市長の会議では、国会議員は誰一人として同席しなかった。会議の詳細について明らかにしたくとも〔、それができる議員は誰もいないのだ〕」。

 他方、テヘラン選出のハミード・ラサーイー議員は、モハンマド・バーゲル・ガーリーバーフ市長が大統領選に立候補したとしても、当選することはないだろうと強調した上で、「ガーリーバーフには、状況を熟知している側近らがいる。彼らはガーリーバーフに、選挙に出馬しないよう説得しているのだ」と指摘する。

 国会内の原理派に属し、政府支持派であるラサーイー議員はその上で、「テヘラン市長の顧問たちは、たとえガーリーバーフが選挙に出馬しても、再び落選するだけだということを知っている。もし人々が再び彼に票を投じないということになれば、彼の政治的命運も終わりだろう」と続ける。

 「大統領選で落選した候補者が、二度目の出馬で人々の注目を集めることは、まずあり得ない。ガーリーバーフの側近たちがアフマド・タヴァッコリーの轍を踏まぬよう、大統領選に立候補すべきではないとガーリーバーフに勧めているのも、そのためだ」。
〔※アフマド・タヴァッコリーは原理派の大物議員。1993年及び2001年の二度の大統領選で立候補し、落選している〕

 ラサーイー議員はこのように述べ、ガーリーバーフが次期大統領選に立候補を表明する可能性は低いとの見方を示す。

 国会内政府支持派のラサーイー議員は続けて、大統領選に向けて原理派内から複数の人物が立候補することは、ごく自然なことだと強調した上で、「原理派が候補者を二人擁することは、自然なことだ。しかし必ず、〔最終的には〕選挙での団結で一致することになるだろう」と述べている。

 その一方で、「建設の奉仕者党」の中央評議会委員であるヘダーヤト・アーガーイー氏は、第10期大統領選でガーリーバーフが立候補する可能性について指摘した上で、「たとえガーリーバーフが軍服を脱いでいるとしても、また自らを軍人として位置づけていなくとも、建設の奉仕者党が彼を支持することはない」と述べ、さらに「建設の奉仕者党は以前にも表明したように、ハータミーを支持する」と語った。
〔※ガーリーバーフは革命防衛隊空軍司令官などを歴任後、治安維持軍総司令官に登り詰めたエリート軍人〕

 アーガーイー氏はまた、改革派がガーリーバーフを支持する予定は全くなく、今後もあり得ないと強調、「ガーリーバーフは野心に燃える原理派内の人物だ」と突き放した。
〔※ガーリーバーフは1999年のテヘラン大学騒擾事件で学生運動の鎮圧に豪腕をふるったことから、改革派と敵対する存在というイメージがつきまとっている。その一方で、テヘラン市議会では改革派とも協調関係にあるともされ、そのため原理派内からはあまり好意的に見られていないという指摘もある〕

 同氏は最後に、「建設の奉仕者党は、改革派と方向や歩みを共にする。改革派連合に参加し、改革派調整評議会中央委員会の決定を受け入れる」と指摘しつつ、「地方訪問時のアフマディーネジャードへの市民の歓迎ぶりを見ると、彼が選挙で勝利する可能性はその他の候補者よりも高いのではないかと感じている」と述べた。

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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:15415 )