トルコ公営放送でクルド語チャンネルのテスト放送始まる
2008年12月26日付 Radikal 紙
トルコ・テレビ・ラジオ協会(TRT)が1月1日から始めるクルド語チャンネルのために、昨日からテスト放送が行われた。昨日18時から始まったテスト放送は、24時間続けられ、紹介映像、クルド語チャンネルに関する意見を伝えるインタビューや音楽ビデオが放送される。
(TRT6のアンテナ周波数:12685、偏光:H(水平にして)、符号率:30000、FEC:5/6)
ドーア通信社(DHA)がインタビューしたディヤルバクルの人々は、過去に出演が禁止された芸術家たちがましてや公営放送であるTRT6に出ることは、重要な一歩であり前進であると述べ、TRTのクルド語放送を支持した。市民団体の代表者たちからは、支持の声もきかれるが、批判的な声もある。
24時間、クルマンジ方言で放送される「クルドTRT」は、1月1日にエルドアン首相の統一と団結のメッセージと共に放送開始される。(この放送のため)6人が契約社員として採用された。
■シヴァン・ペルヴェルに声が掛かった
TRTは、以前に放送された30本の映画とドキュメンタリーのダビングを外注した。東部及び南東部での調査で、若者たちに人気のあるクルド人芸術家として名前が挙がったロジンは、「セダー・サヤンのような」番組を制作するために契約書に署名した。契約書を破棄あるいは守らなかった者は、500,000YTL(29,574,164円)の罰金が課される。
シヴァン・ペルヴェルは放送開始記念コンサートを行いたいと考えており、TRTも彼にその申し出をしたが、ペルヴェル側がTRTの依頼を断った。しかし、制作会社であるセス・プラクと2本の番組を制作することで合意した。この1つが「テウロ」というタイトルのコメディー番組である。歌の中で「クルディスタン」という言葉を使ったことで訴訟され、33年前国外逃亡したペルヴェルの帰国が許可されなかったことがわかった。TRT6では、ムフシン・クズルカヤの文学番組が放送される。ニーリュフェル・アクバルは、夜番組に出演する。メインニュースも放送されるTRT6では、TRTで放送されるニュースが、クルド語で放送される。
■「国民は、ロジテレビを観続ける」
解党された旧民主主義党(DEP)国会議員のセダト・ユルトゥタシュ:
重要な一歩である。これは、今まで政府が進めてきた政策すべてが、現実生活の前では無意味であったことを示している。しかし前向きに捉えるべきである。TRT関係者が、過去に反逆者とみなされたシヴァン・ペルヴェルやジヴァン・ハジョと接触するのは、驚くべきことであり、同時に非常に重要なことである。この一歩は、クルド人の闘争の成果である。
元スル市長アブドゥッラー・デミルバシュ:
我々からしてみれば、これは、文化的及び政治的な保護主義である。というのも、未だにクルド語に対する抑圧は続いているからである。30年間もあの芸術家(シヴァン・ペルヴェル)を追放した人々が、シヴァン・ペルヴェルの名を使い、クルド人を騙すために出向いて彼と接触しているのだ。多くの人が、自分たちの価値で製作されているロジテレビのようなテレビ番組を観ていると、私は信じている。(デミルバシュは、多言語的な市政を築こうとして解任された)
人権協会(IHD)ディヤルバクル支部長ムハッレム・エルベイ:
いい傾向だ。しかし、クルド語に関する禁止事項が存在することは矛盾している。正直に言うと、TRTがクルド人の意見を聞かずにこの番組制作を始めることに疑問を感じている。政府は1991年にクルド人の存在を認めた。2000年代には憲法でいくつかの条項が改正された。2000年代末にはクルド語のテレビ放送及び、大学にクルド学研究所を創設しようという考えがある。10年周期で政府は前進しているのだ。
この記事の原文はこちら
( 翻訳者:田辺朋子 )
( 記事ID:15422 )