TRTクルド語TV放送へ、PKKや民主市民党のネガティブキャンペーン
2008年12月27日付 Zaman 紙

「クルド人に政治的・文化的権利が与えられないことから」流血を伴う活動を行うテロ組織、クルド労働者党(PKK)は、トルコ・テレビ・ラジオ協会(TRT)の24時間クルド語放送を行うチャンネルに向け、ネガティブキャンペーンを始めた。

組織の指導者らは、クルド語放送のテレビは政府による「特殊な戦争の形態」であると主張した。PKKの上層指導者の1人、ムラト・カラユランは、この企画を「曲芸」と性格付けた。カラユランは組織の同調者らにメッセージを送り、テレビを視聴しないよう呼びかけた。カラユランは、いくつかの大学のクルド語課の開設に向けた働きも、同じくくりで評価付けた:「このようなチャンネルの企画と、いくつかの大学でのクルド語課の開設議論の裏には、実のところよく組織されていない特殊な戦争の計画があるのだ。地方選挙前に放送して、公正発展党(AKP)に票を獲得させるという目的に導いている。問題解決を妨害する挑発として、このチャンネルは展開させられている。この計画を支援するのは、クルド人の自由の問題に対する裏切りである。誰もこのチャンネルを視聴してはならない。」

■ 民主市民党(DTP)党員は、深刻な言葉で批判した

クルド問題を民主的に解決するという主張で政治活動を行っているDTPも、クルド語のテレビを事あるごとに批判している。DTP共同総裁のエミネ・アイナは、クルド語テレビが違法であると主張した。現行の憲法ではw、x、qの文字の使用は禁止されており、このためテレビも同じ範疇で判断されなければならないとし、「憲法の修正がなければ、『憲法に則していないことはできない』と、選挙前に認めていた権利が選挙後にも撤回されないという保証をどうやって与えるというのか?法律で保証されていない、一部の人物たちまたは政府の気分次第で認められる権利は、権利ではない。クルド人をこのようなやり方で騙すことはできない」と述べた。

DTPのムシュ県選出の国会議員スッル・サククも、トルコ大国民議会(TBMM)で、クルド語のテレビでクルド人に役割が与えられていないと主張した。サクク議員は、「クルド語のテレビで何が求められているのか?前科のないクルド人だ。実際前科のないクルド人と、クルド人であることとは何の関係もない。このような要望はない!」と表現した。

シュルナク県選出の国会議員ハスィプ・カプランはというと、クルド語のテレビと関係して、今日までに一人のクルド人とも公式なやり取りがなかったと主張し、「ひとつとしてクルド人組織との会見がなかった。公式文書や記録はまったくない。3、4人のアーティストを迎えただけだ。こんなことがあっていいのか?少なくともクルド語、クルド人ということを取引材料にしないでくれと言っているのだ!選挙前の票稼ぎはやめよう、皆さんが被害を受けることになる」と表現した。

シャンルウルファ県選出の国会議員、イブラヒム・ビニジは、クルド語が議会の議事録に「知られざる言語」と書かれたことを指摘し、「TRTで始まる放送では、『今から皆さんに知られざる言語で放送します』とでも言うのだろうか?クルドの言葉を拒否し、あとで『どんな人の言語も禁止していません』と言うのだろう。これは何という矛盾だ?このような選挙向けの措置は誰も認めない」と話した。

PKKがヨーロッパから放映しているメディア組織、フラト・ハベル・エージェンシーも、暫くTRTのクルド語チャンネルに敵対する放送をおこなって注意を引いている。同局は、最近、イスタンブル・クルド人協会会長のサーミー・タン、メソポタミア文化センター責任者のチェティン・フィリズ、クルド語で発行されているアーザーディーヤ・ウェラト紙の編集主幹タイプ・テメル、クルド語で放送されている地元のギュンTVの放送ディレクター、ディレン・ケセルなどの人物を含む人々から、クルド語チャンネルに反対するメッセージを取り、これをニュースにした。

■ 東部はTRT6を気に入った

TRT6としてテスト放送が始まったクルド語のチャンネルは、初日、関心をもって視聴された。同チャンネルが放送を始めることを幸せに感じたと語る人々は、「TRT6のクルド語放送の開始は、民主的な一歩だ。これを兄弟愛、自由、そして平和のために踏み出された大事な一歩として評価している」と述べた。

ムシュ県に住むアブドゥッラー・イブラヒムオールは、「このチャンネルが何年も前に実現していたなら、恐らく今日注いだ涙、流している犠牲者の血はないはずだった。一致団結したトルコになるはずだった」と話した。放送の歌に唱和したロジダ・イブラヒムオールは、声を磨いていつかこのチャンネルに出演したいと話した。

シャンルウルファ県出身のイブラヒム・ハリル・シャーヒンも、放送開始がもっと前に行われるべきだったと話した。チュルクサット3A衛星の西部位からテスト放送を始めたTRT6は、トルコとヨーロッパで視聴することができる。チャンネルの衛星周波数は以下のとおりである:周波数12.685MHz、ポラリゼーション・ホリゾンタル・シンボル率30.000、FEC5/6.

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( 翻訳者:林奈緖子 )
( 記事ID:15426 )