イスラエル、空爆に米製バンカーバスターを使用、地上戦の準備も進める
2008年12月30日付 Al-Ahram 紙

■イスラエルの攻撃による犠牲が死者345人、負傷者1500人に
■イスラエル、ジャーナリストらにガザ地区国境に近付かないよう警告、ガザ地区周辺への戦車の配備を継続

2008年12月30日付アル・アハラーム紙(エジプト)HPアラブ世界面

【ガザ、ラーマッラー、占領下エルサレム:諸通信社】

ガザ地区への「Cast Lead(鋳造された鉛)」作戦が昨日で3日目に入り、引き続く同地区への空爆の犠牲者数はパレスチナ厚生省の確認によると死者345人、負傷者1500人以上に増加した。イスラエルが昨日、イスラーム大学の本部、カスル・アル=ハーキム〔=ハマース政府が迎賓館として使用している建物〕、内務省の建物といったハマース系の施設に攻撃の範囲を拡大したためである。

同じ頃、イスラエル軍はジャーナリストらにガザ地区周辺に近付かないよう命じ、イスラエルの戦車が集結しているその一帯を立ち入り禁止区域に指定したことから、地上侵攻が始まる可能性が高まっている。

ガザ地区に対する地上戦の開始が近いことを示唆するように、イスラエル軍は昨日ジャーナリストらに対しガザ地区国境と接する地帯から遠ざかるよう命じ、同一帯は軍事閉鎖地域になったと宣言した。イスラエル軍報道官は、ガザ国境地帯を閉鎖した動機は、パレスチナ人活動家たちがガザ地区から発射するロケット砲による危険からジャーナリストたちを遠ざけることにあるというが、イスラエル事情の専門家やウォッチャーたちは、イスラエルがその一帯への地上軍、特に戦車や装甲車の展開を進めていることから、〔国境地帯の〕閉鎖はガザ地区に対する地上攻撃の前触れだと予測している。

イスラエル軍報道官が確認したところによると、立ち入り禁止区域はガザ地区とイスラエルとの北部および東部国境から2~4キロの範囲であり、ベイト・ハーヌーン(エレツ)から南のカラム・アブーサーリム(ケレム・シャローム)にかけての地域にあたる。ここにはガザ地区とイスラエルとの間の商業用通行所が集中している。

一方、イスラエルの『エルサレム・ポスト』紙インターネット版は、ガザ攻撃の当初に使われたイスラエルの空軍兵器はGBU-39という名の「バンカーバスター」ミサイルであると報じた。同ミサイルは最近合衆国から供与された、小型爆弾に似たミサイルである。同紙は、「イスラエル軍機はガザ地区の地下に設置されているカッサーム・ロケットの発射台を破壊するためと、2日目にラファハ国境に掘られた数十のトンネルを攻撃・破壊した際に、今月初めに合衆国から届いたばかりのこれらGBUミサイルを使用した」と報じた。

同紙はまた、「人工衛星に誘導されるGBU-39ミサイルは世界で最も高い命中率を誇り、重さは113キログラム、内部の爆発物の重量は230キログラム、長さは1.75メートルであるが、その破壊力は900キロ爆弾に相当する」と公表した。

イスラエルの空爆はガザ地区で使用されている建物や施設を標的にしており、解任されたハマース政府のイスマーイール・ハニーヤ首相が使用している迎賓館は完全に破壊され、マフムード・アッバース・パレスチナ大統領の拠点で、現在はハマースが占拠し、ハマース系の治安・保安部隊の司令部が入っている建物も狙われた。

(後略)

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( 翻訳者:平川大地 )
( 記事ID:15475 )