エスキャンダリー農相、2度目の問責へ
2008年12月29日付 Jam-e Jam 紙


【政治部】「国会議員らの問責の試みは合理性に欠ける」。農相のこの発言をきっかけとして、長期にわたって農相の問責案に抵抗を続けてきた国会運営理事会もついに、昨日の公開本会議の終了間際に同問責案の受理を宣言する事態となった。

 あるニュース・サイトとのインタビューの中でモハンマド・レザー・エスキャンダリー農相が発した「国会議員らの問責の試みは合理性に欠ける」との発言が、農相問責案の国会上程に発展した。第9期政権も終わりに近づいているとの理由から、閣僚に対する問責案を引き延ばしてきた国会運営理事会も、農相のこの発言に反応を示さざるを得なくなった格好だ。この問責案は、国会議員14名が中心となり、18名の議員が賛同者として署名している。

 モハンマド・レザー・エスキャンダリー農相の問責案が国会運営理事会によって受理されたことに対し、議員らからは称賛の声が上がった。農業政策・戦略が誠実に実行されていないこと、三年前国会に公約として掲げられた食糧自給の達成が実現されていないこと、農産物保険基金が適切に機能していないこと、農産物・畜産物・漁獲物の加工産業の発展に失敗していること、などが農相問責の理由として挙げられている。

 これらに加えて、問責案を起草した議員らは農業ジハード相問責案の提出理由として、農業専門学校の卒業生たちの就職環境の整備において政策の誤りがあったこと、「養鶏業鶏肉加工製品整備計画」が効果を上げていないこと、なども挙げている。

 昨日の会議の終了間際に、エスキャンダリー農相への問責案が国会運営理事会によって受理された理由として、ハサン・アブートラービー=ファルド国会第一副議長は、最近農相がマスコミと行ったインタビューの中で、問責案を提出している議員らと農相との間で重ねられた協議を無視するような発言があったことを指摘している。

 同副議長によると、国会運営理事会は議員らと農相が互いに望ましい結論に達することができるよう、協議の場を設けてきたにもかかわらず、農相は最近のインタビューの中で、「問責を求める議員らと協議といえるようなものは行っていないと思う」などと発言したという。

 アブートラービー副議長は、ある協議の席上に自分とアリー・ラーリージャーニー国会議長、ならびに問責を求める議員らが出席したことは確かであり、エスキャンダリー農相の最近の発言はこれまでの努力をすべて踏みにじるものだと強調、議員らが問責案の受理を運営理事会に再び迫り、同理事会もその要求を受け入れたのは、このことが理由であったと述べた。

 アブートラービー=ファルド副議長はまた、農業ジハード相のインタビューでの発言は、問責を求める議員らとの話し合いの終了を正式に宣言するものだとの認識を示した。今回の国会運営理事会の行動は、農相のこのような発言に対する反応と考えてよいかとの質問に、同副議長は「問責を求める議員たちの反応、ということだ」と念を押した。

 エスキャンダリー農相はニュース・サイト「ラジャー・ニュース」とのインタビューの中で、「〔国会が割り当てた〕2兆1000億トマーン〔約2000億円〕の予算では、15兆トマーン〔約1兆4千億〕の被害に対応することは不可能だ」と述べていた。
〔※「ラジャー・ニュース」はアフマディーネジャードに近い人々が運営するニュース・サイト。「ラジャー」は、アフマディーネジャードが自らのロールモデルとする第二代大統領ラジャーイーにちなむ。また「被害」とは、渇水による農地被害・不作のことを指しているものと思われる〕

 同相はまた、自らへの問責案が国会に提出されていることに関しては、「問責を求める議員たちには何度も言ってきたことだが、〔国会で〕認められた予算額をきちんと見てから、問責してもらいたいものだ」と強調、議員たちは自分からの質問に対しては一般論でしか答えようとしないと批判した。

 いずれにせよ、エスキャンダリー農相に対する問責会議は国会運営規定に基づき、10日後にも国会公開本会議場で開かれる予定である。同相への問責会議はこれで2度目で、前回は第7期国会で開かれた。

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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:15506 )