【政治部】農業ジハード相と、イランの農業を駄目にしたとして同相を批判する国会議員との対立が解けぬまま、本日同相に対する問責会議が国会公開本会議場で行われる予定だ。
農業ジハード相の問責を求める議員の署名数が数十にも上り、国会内で同相の罷免をめぐる議論が飛び交う一方で、ゴラーム・ホセイン・エルハーム政府報道官は、今回の問責は回避されるだろうとの見通しを示し、これを機に〔政府と国会が一致して問題の解決に〕努力する気運が高まるだろうと強調した。
政府報道官はまた、閣僚に対する問責は国会議員の法的な権利であるとしながらも、再度エスキャンダリー農相を擁護して、「農業ジハード省のこれまでの働きは擁護に値するものであり、政権の閣僚らは可能な限り〔国民に〕奉仕すべく、胸を張って努力している」と弁明した。
政府と国会はこれまで以上に連絡を密にすべきだ、というのがエルハーム報道官の発言の意図であったが、この発言に対し、農相の問責を求める議員らの間からは反発の声が上がった。
国会運営理事会の委員の一人であるムーサー・ゴルバーニー議員は、問責案の受付、受理ないしは棄却に責任を有する人物として、エスキャンダリー農相問責案に署名をした7名の議員が自らの署名を撤回したとの報道について、「問責案に付された署名の数は法的に要求される署名数よりも多いので、7名が署名を撤回したからといって、問責が行われないというようなことはない」と述べた。
同委員はジャーメ・ジャム紙に対し、「問責案を上程するためには10名の議員の署名があればよく、エスキャンダリー農相問責案には30〜40名の議員の署名がある」と指摘した。
別の国会運営理事会委員のハミード・レザー・ハージー=バーバーイー議員も、農相に対する問責が日曜日(今日)行われることはすでに確定しているとした上で、「農業ジハード相の問責には45名の署名があり、問責案の受理が宣言された日に読み上げられた18名は、問責の実現を強く主張した議員の氏名に過ぎない」と述べた。
ハメダーン選出の同議員はまた、「問責を要求した議員の誰一人として、自らの署名を撤回した者はおらず、そのことで国会運営理事会のもとを訪れてきた者もいない。それゆえ、問責案は国会の議事に組み込まれたままだ」と断定した。
その一方で、アルダビール選出のセイエド・カーゼム・ムーサヴィー議員はファールス通信とのインタビューで、農相問責に署名した議員のうち7名が自らの署名を撤回したことを明らかにし、農相が議員らと話し合いを行い、問題の解決で前向きな約束をしたためだと述べた。
「問責が行われない、というようなことはない」
他方、国会少数派の広報担当を務め、今回の農相問責案に署名をした議員の一人であるダーリユーシュ・ガンバリー議員は、ファールス通信に対し、問責が回避されるようなことはないと述べ、たとえこのようなこと〔=一部の議員が署名を撤回したこと〕が本当だとしても、署名の数は多く、問責に支障をきたすようなことはないと語った。
イーラーム選出の同議員はまた、国会少数派の議員の誰一人として署名を撤回した者はいないとし、問責はすでに国民的な問題になっており、特定のグループに関連づけられるようなものではないと強調した。
ボジヌールド選出で、国家安全保障・外交政策委員会所属のモハンマド・メフディー・シャフリヤーリー議員もまた、今回の問責案に署名をした議員の一人だ。同議員はジャーメ・ジャム紙に次のように語っている。「問責を要求した議員には、さまざまな接触や圧力が加えられているが、問責を求める議員たちの決意は依然として固い。彼らが立てた誓いによれば、目的は人々の利益を守り、彼らを支援することである」。
シャフリヤーリー議員は、農業ジハード相の問責は政治的・党派的目的を超越したものであるとした上で、「〔議員が問責という〕法的権利を行使することで、能力の低い閣僚は誰であるかを政府が認識する一助となるはずだ」と強調した。
問責案に署名したもう一人の議員である、国会エネルギー委員会所属のセイエド・エマード・ホセイニー議員(ゴルヴェ選出)もまた、署名を撤回しようと考えているような人はテヘランにはいないと指摘した上で、問責が行われないなどというのは流言の類に過ぎないと一蹴した。
国会農業委員会所属で、同委員会の農業部会の責任者であるモハンマド・アリー・デラーヴァル議員(ダルゲズ選出)も、今回の問責案に賛同した一人である。同議員は「農相の問責要求は二段階に分けて形成されてきたものであり、第8期国会が誕生して以降、二度〔問責というエンジンに〕キーが入った」と指摘した上で、「我が国の農業が今あるような問題に直面しているのも、農相の能力の低さが原因だ」と明言した。
さて、議員らが強く主張するように、農相に対する問責が本日国会公開本会議場で実現すれば、エスキャンダリー農相は三年半にわたって自らが指揮を執ってきた同省のさまざまな問題点について、説明責任を果たすよう迫られるはずだ。
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( 翻訳者:斎藤正道 )
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