パレスチナ人負傷者110名がエジプトの病院で集中治療
2009年01月05日付 Al-Ahram 紙

■アル=ガバリー保健相:「パレスチナ負傷者110名がエジプトの病院で集中治療」
■重篤患者にはラファハ通行所の現場で外科手術

【フサーム・ザーイド】

2009年01月05日付アル・アハラーム(エジプト)HP国内面

 ハーティム・アル=ガバリー保健相は、昨日(4日)の朝までにパレスチナ人負傷者110人がエジプト各地の病院に運ばれ、集中治療を受けていることを確認するとともに、10を超える病院で怪我の程度に応じて負傷者を受け入れる計画が導入され、それらの病院に対しては必要な医薬品や輸血バッグ、設備を増強していると指摘した。保健省には危機管理専門のチームがおり、事態のフォローと、最善の医療を提供するための科学的な支援にあたっている。

 また保健相は、患者のうち33人をナセルセンター病院、8人をスエズ運河大学付属病院、13人をサラーム・タウン病院、3人をアリーシュ病院、3人をナショナルバンク病院、8人をヒラール病院、2人をシャイフ・ザーイド専門病院、1人をイスマイリーヤ総合病院、3人をムバーラク軍事病院、6人をヘルミーヤ軍事病院、9人をマアーディー軍事病院、4人をパレスチナ病院に振り分け、17人をサウジアラビアとヨルダンに搬送したと表明した。負傷の状態は、全身の9割におよぶやけど、全身の複雑骨折、意識不明、頚椎損傷や頭蓋骨骨折など多岐にわたる。

 さらにアリーシュ総合病院では多数のパレスチナ人負傷者を受け入れるために、待機レベルを最高度にまで上げている。ガザ内部への横暴な地上侵攻により、多数のパレスチナ人負傷者がラファハ通行所を越えてエジプト側に入国すると予想されるためである。移動手術部隊に加えて110台以上の救急車が医療チームと共に待機し、アリーシュ病院では救急医療、集中治療、麻酔、接骨、脳外科、神経、心臓外科、胸部、整形、火傷、眼科など、各分野の専門医157人以上が患者の受け入れにあたり、症状に応じて振り分けてから、軍の飛行機や救急ヘリなどで各地の専門病棟に搬送する。

また保健相は、ラファハ通行所からの負傷者受け入れ計画では、患者をアリーシュ総合病院に搬送し、輸血、気道確保、血液循環の維持といった生存確保を行うと主に、複雑な手術でも行える完全な装備をした移動式の手術部隊によって、患者を受け入れたその場で手術を行うことも可能であると説明した。

 また保健相は、イスラエルによる軍事侵攻開始以降も新赤月社によるガザ地区への医薬品や支援物資の補給は止まっておらず、エジプトからであれ他のアラブ諸国からのものであれ、医薬品や食料などの搬入は続けられていると指摘した。

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:小林洋子 )
( 記事ID:15521 )