カールゴザーラーン紙、発行停止処分に
2009年01月01日付 E'temad-e Melli 紙

【社会部】プレス監視委員会は最近開かれた会議の中で、「カールゴザーラーン」紙を発行停止処分とする決定を下した。
〔※カールゴザーラーン紙は、ラフサンジャーニー政権時代に台頭したテクノクラートらが中心となって結成された、ラフサンジャーニー支持派の政党「建設の奉仕者党」(ヘズベ・カールゴザーラーネ・サーザンデギー)の機関紙。「建設の奉仕者党」は「現実右派」と呼ばれることが多いが、ハータミー政権の中枢を構成するなど、「改革派」に近い立場を取っている〕

 文化イスラーム指導省国内報道局総局長は、イラン労働通信に対し次のように述べた。
同紙は87年10月10日〔2008年12月30日〕付紙面の中で、ガザにおけるシオニスト体制の反人道的犯罪行為を正当な行為であるかのように報じ、パレスチナの防衛に携わる人々をテロ集団として扱った。児童施設や病院に逃げ込み、子供や民間人に対する爆撃と殺戮の原因を作っているとして、彼ら〔=パレスチナの防衛に携わる人々〕の行動を反人道的であると断じた。

このような報道に対し、87年10月11日〔2008年12月31日〕に開かれた監視委員会の会議で、カールゴザーラーン紙がプレス法第6条の規定に違反しているとの意見が委員らから出され、同法第12条補足にもとづき、同紙は発行停止となった。

 パルヴィーズィー総局長はその上で、「同紙の件は法的な訴追手続きのため、裁判所に送られる予定だ」とした。

 このような報道を受け、カールゴザーラーン紙のメフラーン・キャラミー編集長は書面にて、同紙がこれまで踏襲してきた編集方針について、次のように説明した。
カールゴザーラーン紙がこれまで発行してきた紙面を見ていただければお分かりのように、本紙はシオニスト体制によるガザでの犯罪行為を受け、記事やレポート、論説や社説の多くを、この恐ろしい犯罪行為を非難するために割いてきました。

例えば、87年10月8日〔2008年12月28日〕付の『パレスチナで新たな大虐殺』とのタイトルの写真入りの一面記事や、〔‥‥〕87年10月9日付の「建設の奉仕者党」のゴラーム・ホセイン・キャルバースチー総書記による『パレスチナのために』と題された論説記事などをご覧下さい。

私たちはこれらの記事の中で、アラブ・イスラーム諸国に対して、この恐ろしい犯罪行為を終わらせるために現実的対応を取るよう、はっきりと求めて参りました。

 同編集長はさらに、「カールゴザーラーン紙の編集方針は、同紙の責任者ならびに記者らの宗教的かつ誠実な信念に由来するものであり、抑圧されしパレスチナ国民を全面的に支持するものです。そこに疑問の入る余地は一切ありません。残念なことに、87年10月10日付『市民社会』と題された欄に記載された記事は、本紙の公式の見解を表すようなものではなく、カールゴザーラーン紙が支持するものでは決してありません」と記している。

 同編集長は『市民社会』という欄に掲載されてきた記事の種類について、次のように説明している。
この欄は、さまざまな政治・市民団体の立場を紹介するためのスペースでした。記事タイトルは『ガザ問題に対する団結強化事務所(アッラーメ支部)〔※急進改革主義の立場をとる学生団体〕の立場』で、イスラエルの犯罪行為に対して批判的な立場を取っていました。

しかしこの記事の後半部分には、パレスチナのイスラーム抵抗運動(ハマース)を批判する内容が掲載されていたため、編集長ならびに発行責任者によって削除されるはずでした。

ところが残念なことに、紙面の最終的な編集の段階で、誤って削除がなされませんでした。このように、今回の記事の内容については、本紙に非が向けられるべきものではありません。

 キャラミー編集長の以上の釈明に続いて、カールゴザーラーン紙執筆・編集陣は自らの正式な立場を次のように発表している。
人間としての良心、及びイスラーム的信念に従い、今回のニュース誤信に関し遺憾の意を表明します。当局の意志がいかなるものであれ、抑圧されしパレスチナ国民を守ることが、われわれの責務であると考えております。

しかしそれと同時に、関係当局には今回の件を調査するにあたり、本紙の編集方針ならびに本紙に実際に掲載されている記事・レポート・分析を考慮いただきたく、また公正・公平なご決定をお願いしたく存じます。


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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:15527 )