首相夫人、涙で「ヒロシマの詩」を朗読―中東諸国ファーストレディー集会
2009年01月11日付 Milliyet 紙
http://i.milliyet.com.tr/HaberAnaResmi/2009/01/11/fft17_mf162601.Jpeg
中東各国のファースト・レディ達は、エミネ・エルドアン首相夫人の招待によりイスタンブルで一堂に会し、ガザへ支援を呼びかけた。スピーチの際、涙を見せたエルドアン夫人は、詩人ナーズム・ヒクメトが広島のために書いた詩『小さな娘』を朗読した。
レジェプ・タイイプ・エルドアン首相の妻エミネ・エルドアン夫人の招待により、イスタンブルで一堂に会した中東各国のファーストレディが、ガザへの支援を訴えた。一人の母として話していると述べたエルドアン夫人は、涙を流しながら「子どもたちの死は、無実の死です。無実の死は人間性の崩壊です」と述べ、ナーズム・ヒクメトが広島のために書いた『小さな娘』という詩を朗読した。
■参加者
イスラエルのガザに対する攻撃が続く中、中東各国のファーストレディと大臣達からなる代表団は、レジェプ・タイイプ・エルドアン首相の妻エミネ・エルドアン夫人の招待でイスタンブルに集まった。
『手を差し伸べよ、それが人間性だ』というスローガンのもと、フォーシーズンズ・ボスフォラス・ホテルで開催された『ガザ支援のためのイスタンブル集会』には、ヨルダンのアブドゥッラー国王の妻ラニア妃、シリアのバッシャール・アル・アサド大統領の妻エスマ・アサド夫人、カタールのシェイハ・モザフ皇太子妃、リビアのカダフィ大統領の長女アイシェ・カダフィさん、レバノンのミシェル・スレイマン大統領の妻ヴェファ・スレイマン夫人、パキスタンのユスフ・ズィヤ・ギラーニ首相の妻べギュム・ジラーニ夫人、アゼルバイジャン議会のバハル・ムラドヴァ副議長、そしてパキスタン、シリア、ヨルダンから数名の大臣達が参加した。
集会に参加した招待者達には、オリーブの枝と鳩が描かれ、トルコ語、アラビア語、英語で「平和」と書かれたスカーフが配られた。エミネ・エルドアン首相夫人もこのスカーフを肩にかけた。また一部の参加者が、首にパレスチナのカフィーヤ(男性用スカーフ)を巻いている姿も見られた。
■『罪もない人を殺している』
ファーストレディ達の集合写真を撮影した後、演壇に上がったエミネ・エルドアン夫人は、「子どもたちの死は、無実の死です。無実の死は人間性の崩壊です」と述べた。
エルドアン夫人は、ガザで市民や罪のない人々の上に白リン爆弾が落とされていると主張した。そしてガザの子どもたちについて話す際には、涙を流し始めた。夫人は以下のように語った。
「ガザの子どもたちは、世界中のすべての子どもたちや私達の子ども達のようにミルクやパンを欲しがっていました。おもちゃや遊びをしたがっていました。これら罪のない幼子たちは学校や公園へ行ったり、勉強や遊びをしたがっていました。でも、なんと悲しいことでしょう、遊んでいた公園で、自転車に乗ったまま殺されました。学校へ避難して、そこで殺されました。モスクに避難して、またそこでも殺されました。病院へ運ばれて、そこでも殺人マシーンから逃れられませんでした。その子ども達にとって、もっとも温かく安心できる場所は母親の腕の中やおくるみの中でした。それなのに、死は母親の腕の中やおくるみの中にまで襲ってきたのです」
■集合写真
中東各国のファーストレディは、エミネ・エルドアン首相夫人の呼びかけによりイスタンブルで実施された『ガザ支援のためのイスタンブル』集会のため一堂に会した。エルドアン夫人と来賓のファーストレディー達は集会に先駆けて集合写真を撮影した。
■3冊の聖典から引用
エルドアン夫人は、スピーチの中で人間を殺す悪について、モーセ五書、聖書、そしてコーランから引用した。そしてガザに暮らす人々に、「決して孤独でも一人でもありません。我々は皆、あなた方のそばにいましたし、そしてこれからもそばにいることを続けます」と呼び掛けた。
夫人はスピーチの中で、先日、国籍を取り戻したナーズム・ヒクメトが広島のために書いた『小さな娘』という詩を朗読した。その後、『ガザ支援のためのイスタンブル宣言』という声明を朗読した。声明には以下の要望が列記された。
・国際社会はイスラエルの侵攻停止を粘り強く要求すべき。
・罪のない一般市民の死を食い止めなければならない。
・ガザに対する禁輸措置は廃止されるべき。
・イスラエルは軍事力を即刻ガザから撤退させるべき
・緊急医療救助、食料や基本的必需品の供給を可能とするため、ガザへの入口地点は開放されるべき
・国際組織がガザの一般市民へ自由に接触できるようにすべき
・イスラエルは国際法を遵守すべき
・国際社会は攻撃による無実の犠牲者と一致団結すべき
■エミネ・エルドアン夫人が朗読したナーズムの詩
『小さな娘』(日本語詞:飯塚広)
とびらをたたくのはあたし
あなたの胸にひびくでしょう
小さな声が聞こえるでしょう
あたしの姿は見えないの
あたしの髪に火がついて
目と手がやけてしまったの
あたしは冷い灰になり
風で遠くへとびちった
あたしは何にもいらないの
誰にも抱いてもらえないの
紙切れのように燃えた子は
おいしいお菓子も食べられない
とびらをたたくのはあたし
みんなが笑って暮らせるよう
おいしいお菓子を食べられるよう
署名をどうぞして下さい
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( 翻訳者:原田星来 )
( 記事ID:15545 )