原理派内の対立:大統領選へのアフマディーネジャード擁立をめぐって
2009年01月05日付 E'temad-e Melli 紙
モタッハリー議員(左)、および、ホセイン・エブラーヒーミー議員(右)と歓談するアーガーテヘラーニー議員(中央)
モタッハリー議員(左)、および、ホセイン・エブラーヒーミー議員(右)と歓談するアーガーテヘラーニー議員(中央)

【政治部-エフサーン・メフラビー】「モルテザー」と「アリー」。ふたつの名は、それぞれ読者に特定のイメージを想起させるだろう。しかし、第8期国会では、このふたつの名にそれぞれ別の苗字がくっつくことで、原理派内の相反する二陣営を示すものとなっている。


第一の陣営は、その反対者らに、「アフマディーネジャード以上の候補者がいるだろうか?」と問いかけ、もう一方の陣営は、アフマディーネジャード擁立を見送るべき理由を表明する。

「アフマディーネジャード以上の候補者がいるだろうか?」は、アフマディーネジャードを支持する法学者でテヘラン選出議員のモルテザー・アーガーテヘラーニーによる陣営のものである。そして、アリーアクバル・ヴェラーヤティーなど他の候補者を擁立しようとするのが、原理主義者で法学者の家系出身のアリー・モタッハリーである。

(中略)

いずれにせよ、アフマディーネジャードをめぐる原理派内の対立は、次期大統領選にかかわる最も重要な問題である。そして、両陣営のそれぞれが、互いに異なる解決案を示している。というのも、第8期国会の暫定副議長バーホナルは次のように発言しているからだ。「合意形成は、第9政府およびアフマディーネジャード自身の存在によって不可能となっているからである。アフマディーネジャードと一部の者たちのみが、このこと[原理派内の完璧な合意形成]に反対しているとも言われている。」

バーホナルの言葉に対する答えを、モルテザー・アーガーテヘラーニー、および、アリー・モタッハリー両氏への本紙によるインタビューのなかに見ることができる。

前者(アーガーテヘラーニー)は、バーホナルおよび彼と同様の見解をもつ原理主義者たちに「アフマディーネジャード以上の候補者がいるだろうか?」と問い続ける。アーガーテヘラーニーのこの言葉は、無論、次のように取れなくもない。「原理派は時間を無駄にすべきではない。アフマディーネジャード以外の候補者を探す必要はない」と。しかし、彼は原理主義者たちに他の道を開いてはいる。彼はこう言う。「もし他にも候補者がいるようならば、候補者名を挙げ、支持表明をしてほしい。次の日には考えを変えて、支持を取り消すようなことがないように。」

 そして、テヘラン選出議員のアリー・モタッハリーは、アーガーテヘラーニーの第二の案に従い、意中の候補者を見つけ出し、支持を表明しているのである。
最高指導者がアフマディーネジャードを支持しているというのも、アーガーテヘラーニーが指摘している点だ。彼は述べる。
われわれはみな、ヴェラーヤテ・ファギーフ(法学者による統治)を支持している。そして、様々な問題に対し、閣下(最高指導者)は誰よりも深く理解しておられ、高みからそれらをよりはっきりとご覧になっているのである。

アリー・モタッハリーは、アーガーテヘラーニーの発言に対し、次のように答えている。
(中略)。私の考えでは、最高指導者の現政権支持と同政権継続への期待には、法に則って成立したすべての政権を支持するという最高指導者の根本姿勢のほかに、まず、核開発の成功が中断されないようにという意図、さらに、体制そのものの変革を目論む改革派の政権奪取を阻止しようとする意思があると考えられる。

また、イラン・イスラーム革命の偉大なる最高指導者は、われわれの誰よりも現政権の弱点をご存知である。そして、もし原理主義者たちが、アフマディーネジャードよりも強力な人物のもとに結集するならば、最高指導者はそれに異を唱えられるはずはないのだ。

(後略)

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( 翻訳者:前田君江 )
( 記事ID:15549 )