マーリキー首相「イラクはアメリカの圧力下に入ってイランと敵対するようなことはしない」
2009年01月04日付 Jam-e Jam 紙


【政治部】イラク首相は昨日テヘラン入りし、パルヴィーズ・ダーヴーディー第一副大統領による公式の歓迎式典の後、同副大統領と二国間協議を行った。イラクのヌーリー・マーリキー首相はテヘラン訪問の前、アル・アーラム放送との会見で、イランの孤立化を図るアメリカの動きに協力するようイラク政府に圧力がかけられているとの見方を否定し、「イラク政府は、いかなる国のいかなる圧力にも屈することはない。中東地域において、いかなる孤立も緊張も引き起こすようなことはしない」と語った。

 ファールス通信の報道によると、マーリキー首相は憲法施行に関するイラク政府の決意に触れて、「憲法では、イラクの主権、国民の意志、そしてこの国は決して地域的ないしは世界的な勢力争いのための場所にはならないということが強調されている」と述べた。

 イラク首相は、イラク、イラン、トルコ、シリアは互いに隣り合った国として、相互尊重の原則に基づいた関係を享有しているとした上で、「イラクはこの地域において、いかなる孤立も緊張も引き起こすようなことはしない」と強調した。

 マーリキー首相は、最近のトルコ訪問と今回のイラン訪問は、この原則に則ったものだと語り、「イラク政府は、戦争、水、石油、その他前体制〔=サッダーム・フセイン体制〕から遺産として受け継いできた諸々の問題の解決策を見つけ出すことを、自らの政策課題としてきた」と力説した。

〔中略〕

 マーリキー首相はイラク領土内に「偽善者たち」のテロ・グループがいることについて、「イラク政府はこの集団に対しこれまでも、今後イラクに残ることを許可するつもりはないと通告してきた」と語ったが、同時に「イラク政府はこの集団のメンバーらに対して、イランや他の国へ行くよう強制するつもりはない。このことに関して、彼らは今後も自由なままだ」とも述べた。
〔※訳注:「偽善者たち」(モナーフェギーン)とは、イラン国外反体制組織「モジャーヘディーネ・ハルグ」(MKO)のこと〕

〔中略〕

 同首相はその上で、「イラク政府は、ペジャーグ、偽善者たち、トルコ・クルディスタン労働党(PKK)といったテロリスト集団に、隣国との関係に害を及ぼすような行為を許すつもりはない」と強調した。
〔※ペジャークとは、PKKのイラン支部として、近年イラン領内のクルド人居住地域で反体制運動や戦闘を繰り返してきた組織〕

イラン大統領「イラク国民は困難な状況を乗り越えた」

 イラン大統領はイラク首相との会談の中で、イラクはきわめて困難な状況を乗り越えたと述べるとともに、「イラン・イスラーム共和国にとって重要なことは、イラク国民の名誉、独立、発展、安全、そして進歩である」と語った。

 イラン国営通信(IRNA)の報道によると、マフムード・アフマディーネジャード大統領は、イラクのヌーリー・マーリキー首相との会談において、「われわれの人間としての、そしてイスラーム教徒としての責務とは、つねにイラク国民のそばにいることである」と語った。

〔後略〕

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら
関連記事(イスラーム革命最高指導者、イラク・マーリキー首相と会談「イラクに対するアメリカの野望は必ず破れる」)

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:阿部文美 )
( 記事ID:15567 )