トルコ系ユダヤ教徒、ガザ侵攻後のメディア報道に抗議声明
2009年01月16日付 Milliyet 紙
トルコのユダヤ教団体は、イスラエルのガザ侵攻後、一部のメディアで反ユダヤ的報道がなされたことを不快に感じ、「我々は標的にされている」と声明を出した。
声明には、「トルコ共和国と深く結びついた我々トルコ系ユダヤ教徒は、最近、一部のメディアがユダヤ教を軽蔑・侮辱したり、標的にするような発言にさらされていることに深い悲しみを感じています」という表現が用いられた。
■衝突を残念に思う
15日に、「トルコ系ユダヤ教徒から世論に対する告知」という題名で出された声明では、トルコ人政治家をはじめ各国首脳が行う努力により、中東地域に和平が一刻も早く築かれることが人類にとって有益である、と強調された。声明では次のように述べられた。
「我々トルコ系ユダヤ教徒は、何世紀も住んでいるこの地の基本的な構成員です。レジェプ・タイイプ・エルドアン首相は、火曜日の議会グループ会議で、反ユダヤ主義に対する配慮について発言しました。
ここ数週間、中東地域で発生した闘争の間、一部の国内メディアや広場で行われたデモでの反イスラエル的発言が、大変残念なことに短期間のうちに反ユダヤ人感情に転じています。
中東地域におけるいかなる国の政策にも影響を及ぼす力を持たない我々トルコ系ユダヤ教徒は、現在続いている衝突から、一部の新聞に掲載されている解釈とは逆に深い悲しみを感じているのです。先週の土曜日、トルコ国内の全てのシナゴーグでは、中東和平のために祈り、犠牲者全てに神の慈悲を乞い、負傷者には一日でも早い治癒を願う特別礼拝を行いました。そしてこのことは我々から世間の皆様にお知らせしました」
■我々はトルコの一部である
ユダヤ教団体の声明は、衝突に終止符を打つため、政府やエルドアン首相が積極的な役割を担うことを支持するとし、次のように終えられている。
「何世紀も前から住んでいるこの土地で、国民としての義務をトルコ人と同様に果たし、トルコ語を話しトルコ語で考え、トルコ文化の中に練り込まれた我々は、自分たちをこの土地の基本的な構成員と考えています。トルコ共和国と深く結びついた一部である我々はトルコ系ユダヤ教徒として、ここ最近、一部のメディアが我々の宗教を軽蔑・侮辱したり、また我々を標的とするような報道にさらされていることを非常に悲しく思っています。
トルコの指導者、知識人、思慮ある国民が、我々の国トルコとユダヤ教団体に関する懸念や呼びかけに耳を傾けてくれていることは分かっています。エルドアン首相が火曜日に行った反ユダヤ主義に対して行った演説はこの分かりやすい一例です。このような配慮が、社会全体に共有され、この問題について永続的な一歩が踏み出されることが我々の最も重要な願いです」
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( 翻訳者:田辺朋子 )
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