ハマス報道官「トルコが隣国だったらよかったのに」
2009年01月18日付 Yeni Safak 紙
ハマスの公式報道官は、「パレスチナがアラブ諸国ではなくトルコと国境を接していたら、占領はなかっただろう」と述べた。ズフリ報道官はトルコが平和のために尊敬すべき態度をとったことを強調し、「イスラエルが政治的礼儀正しさで上回っても、反対キャンペーンに耳をかさず、平和を支え続けてください」と呼びかけた。
ハマスの公式報道官サミ・アブー・ズフリ博士は、ガザの最近の状況についてイェニ・シャファク紙にコメントした。ズフリ報道官は、ガザ占領の下地になっている理由に注意をむけ、「イスラエルは、ガザから打ち込まれたいくつかのミサイルに対してではなく、市民に対して虐殺を行っています。実際、ガザでの休戦も私たちには何の利益ももたらしませんでした。禁輸措置は取り消されませんでしたし、より厳しい措置に直面しました。
『ハマスはなぜ休戦を続けなかったのか?』と彼らは言いますが、私たちは休戦を終わらせてはいません。休戦のプロセスを認めていなかったのです」と述べた。
同報道官は、『パレスチナの人々で賭けをしている』という発言にも激しく反発し、「いかなる抵抗も殉死者なしではなしえませんでした。私たちも、シヤム氏やライヤン氏を殉死させました」と話した。
■イスラエルに倫理観がなかったら!
ズフリ報道官は、「イスラエルはあらゆる暴力を許されるものだと考えています。もしこれらが彼らの倫理観なのであれば、彼らが倫理観をもっていなかったとしたら何をやらかしたでしょうか!自宅で死を待てというのですか!イスラエルは、抵抗勢力よりもさらに多くの損失を被るでしょう。イスラエル軍はこれまでに死者50人と負傷者500人を出しています」と述べた。
ズフリ氏は、トルコによる平和のための努力を強調し、「トルコは極めて尊敬すべき姿勢を見せました。トルコがガザ国境にあったのなら、このような事態は起こらなかったでしょうに。トルコの人々とエルドアン首相は、多くのアラブ諸国首脳が理解することの出来ない現実を理解したのです。トルコはハマスの味方であると見られてはなりません。反対キャンペーンに耳を貸してはなりません。イスラエルが行ったことは政治的礼儀を超えました。トルコから政治的会談の可能性が示されれば、私は喜んで実行します」と述べた。
■アラファトがいたら
ズフリ報道官は、「オルメルト・イスラエル首相より前に、ブッシュ米大統領が戦犯として裁かれるべきです。バン・キムン国連事務総長がテル・アビブにいたとき、ガザの国連ビルが爆破されました。国連をもし私たちが攻撃したのなら、世界は立ち上がったでしょう」と述べた。同報道官は、ガザではいかなる国際的軍事力にも反対していると述べ、「しかしラファ国境検問所に監視員を置くことに反対はしてはいません。トルコがこの監視員に参加することを承認します」と述べた。ズフリ報道官はさらに、「アラブ諸国は自ら門を閉めています。アラファト議長が生きていれば、このようなことにはならなかったでしょう」と述べた。
■ハマス報道官、イェニ・シャファク紙にコメント
駐イスタンブルのハマス報道官ズフリ氏は、「アナポリスでブッシュ米大統領は、『2008年にパレスチナ政府が設立されるでしょう」と言いました。これらは嘘となりました。我々はアメリカの政策にいかなる変化も期待していません。オバマ次期大統領の時代になっても、変化に対する期待はありません。アメリカは不変の戦略目標を持っています。オバマ次期大統領も残念ながらブッシュ政権のメンバーの大部分と働くことを受け入れました。ブッシュは、オバマに多くの重い遺産を遺しました。これも変化がとても困難であることを示しています。パレスチナの人々を殺しているのは、抵抗勢力ではありません、F-16戦闘機です。子どもたちや女性たちを殺しているのはアメリカの武器なのです」と述べた。
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( 翻訳者:永山明子 )
( 記事ID:15602 )