次期大統領選、ハータミーとアフマディーネジャードを軸に展開
2009年01月25日付 Jam-e Jam 紙

改革・原理両派はともに、第10期大統領選の最終候補者ないし補欠候補者の擁立へ向けた内部の話し合いを依然として進めている。

 改革派陣営からハータミー〔前大統領〕ないしはミール・ホセイン・ムーサヴィー〔元首相〕出馬の可能性が伝えられる中、一部政治関係者は原理派の候補者の一人であるマフムード・アフマディーネジャードの対抗馬として、ハータミーが出馬するのは確実だとして、この二人が立候補した場合、次期大統領選は二人による一騎打ちになるだろうと強調している。

 ハータミーないしはミール・ホセインの第10期大統領選への出馬が確定した場合、以前から出馬が取り沙汰されてきた一部の候補者たちが出馬を辞退するのは間違いない、というのが政治アナリストらの見方だ。

 ある匿名希望の原理派所属の国会議員は、改革派から〔ハータミーとミール・ホセイン・ムーサヴィーの〕二人〔のいずれか〕が出馬した場合には、大統領選への出馬が確実視されていたモハンマド・バーゲル・ガーリーバーフ〔現テヘラン市長〕の出馬は微妙なものになるだろうと指摘し、次のように強調している。「ガーリーバーフや、出馬の可能性のあるとされるアリー・アクバル・ヴェラーヤティーのような人物が辞退を表明すれば、間違いなくアフマディーネジャード一人に原理派の意見が一本化されるだろう」。

 このような中、一部の原理派関係者はハータミーないしはミール・ホセイン・ムーサヴィーが出馬すれば原理派内部の団結はより容易になり、候補者の一本化もより迅速に進むだろうとの見方を示している。

 テヘラン選出のパルヴィーズ・サルヴァリー議員(原理派所属)はジャーメ・ジャム紙とのインタビューの中で、ミール・ホセインないしはハータミーが改革派から出馬すれば、原理派の課題も明確になると指摘した上で、第10期大統領選がハータミーとアフマディーネジャードの一騎打ちになるのは確実だと分析している。

 同議員は、ハータミーではなくミール・ホセインが出馬する可能性についても指摘し、その場合もアフマディーネジャードとミール・ホセインの争いになると言う。結局ミール・ホセインはハータミーの支持を受けることになるからだ。

 サルヴァリー議員は、ハータミーとムーサヴィーに違いはなく、両者いずれかが出馬すれば原理派戦線の団結はより強固なものになり、アフマディーネジャードの擁立で意見の統一が確実なものになるはずだと強調している。

 このような分析が原理派内で強まる中、イラン・イスラーム発展公正党は原理派候補者の選定に向けた仕組みはいまだ固まっていないとの認識を示している。
〔※「イラン・イスラーム発展公正党」は第8期国会選挙で主流派の「原理派統一戦線」に対して、「原理派包括連合」を主導した反主流派のグループで、反アフマディーネジャード色が強い〕

 イラン・イスラーム発展公正党のレザー・タラーイーニーク総書記はジャーメ・ジャム紙とのインタビューの中で、全ての原理派グループや有力者たちが参加する評議会を通じて、原理派が擁立する候補者を決めるべきだといった提案がなされていることに触れ、「原理派関係者の多くは、改革派と同じような選挙態勢の確立を考えている」と指摘している。

 他方、「イマームと最高指導者の路線を支持する戦線」のスポークスマンは、次期大統領選でもっとも有力な原理派の候補者はアフマディーネジャードであるとして、「その他の候補者たちは、自らの意向を明確に述べているわけではない」と強調する。

 キャマール・サッジャーディー氏はイラン国営通信とのインタビューで、次期大統領選に出馬する可能性があるといわれている原理派のその他の人物は出馬を正式に表明しているわけではなく、それとなく周辺の人々を通じて原理派にシグナルを送っているに過ぎず、そのようなシグナルを「アテ」にすることはできないと述べている。

 その一方で、技術者イスラーム協会のゴラーム・ホセイン・アミーリー代行は原理派が擁立する候補者について、同協会は大統領選用に主たる候補者を一人、及び予備の候補者を一人選出することを主張していると話す。同代行は、誰を主たる候補者にし、誰を副候補者にするか、近く、恐らくは今年のエスファンド月〔2009年2月19日〜〕にも決めることになるだろうと述べた。

 同代行はまた、ミール・ホセインあるいはハータミー、さらにはキャッルービーといった改革派の人物が選挙に出馬することになれば、原理派はこれに関して必要な対策を講ずることになるだろうと強調した。

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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:15710 )