「イラン大統領顧問と米元国防長官が秘密会談」のウワサ
2009年02月01日付 E'temad-e Melli 紙

米ワシントン・タイムズ紙は先日、米元国防長官とイラン大統領顧問が秘密会談を行ったと報じた。このウワサは先週、国内の一部ニュースサイトですでに報じられていたもので、〔サマレ=ハーシェミー・イラン大統領顧問からは〕これを否定する発言が出ていた。

 ワシントン・タイムズ紙は木曜日、匿名希望のある人物の発言を引用して、ウィリアム・J・ペリー米元国防長官が昨年、イランのモジタバー・サマレ=ハーシェミー大統領上級顧問と数回にわたって秘密会談を行ったと報じた。会談では、イラン核問題などの諸問題について話し合いが行われたという。

 センシティヴな問題であるために匿名を希望したこの人物は、ワシントン・タイムズ紙によると、協議を設定した秘密ルートに近い存在だという。この人物は、モジタバー・サマレ=ハーシェミー大統領顧問とウィリアム・ペリー元米国防長官は「協議」を行ったのではなく、単に「議論」を行ったに過ぎないとしている。またこの人物によると、話し合いの目的はイラン・米双方の立場を明確にすることにあったという。

 米前政権はこれまでイラン側と数回にわたり話し合いを行ってきたが、しかし今回の報道で重要なのは、話し合いにサマレ=ハーシェミー氏のようなイラン公式筋の実力者が関わったとされていることである。

 ニュースサイト「ジョムフーリーヤト」はワシントン・タイムズ紙を引用して、1994年から1997年まで米クリントン政権で国防長官を務め、同政権下で北朝鮮の核問題にも関わったウィリアム・ペリー氏が、今回報じられた話し合いを当時のジョージ・ブッシュ政権との連携の中で行ったのかどうかについては、いまのところ不明だとしている。なお、2005年から2006年にかけてイラン当局と秘密協議を行ったとの噂を、ブッシュ政権は幾度となく否定してきた。

 ニュースサイト「ヤーリー・ニューズ」が他に先駆けて報じたところでは、サマレ=ハーシェミー氏とウィリアム・ペリー氏の話し合いは、ヨーロッパのある国の首都で行われたという。その一方で、サマレ=ハーシェミー氏はファールス通信との会見の中で、今回の秘密会談に関する報道を否認している。

 モジタバー・サマレ=ハーシェミー氏は今回の報道を受けて、ファールス通信とのインタビューに応じ、「イラン・米秘密協議がヨーロッパのある国の首都で近々行われ、アフマディーネジャード・サイドからはサマレ=ハーシェミー氏が、オバマ・サイドからはウィリアム・ペリー氏がこの協議に臨む予定だ、との報道が一部ニュースサイトで伝えられているが」との質問に、「私もこのような報道をニュースサイトで見たが、そのようなことは一切知らない」と答えている。

 他方、情報相も昨日、イラン・米秘密協議に関するウワサを否定して、次のように述べている。「《協議》ということばの意味は明解であり、《議論》とは別物だ。これまでアメリカと《協議》が行われたことはない。まずアメリカは、世界に対する強圧的・抑圧的な態度を変えなければならない」。

 ゴラーム・ホセイン・モフセニー=エジェイー情報相はメフル通信とのインタビューの中で、イランがアメリカと協議を行う条件について、「何度も表明してきたように、自らのやり方を根本的に改める用意がアメリカにできたならば、イラン・イスラーム共和国はいつでもアメリカとの協議を検討する」と語っている。

 エジェイー情報相はまた、イランとアメリカの間で何らかの協議が行われたことはあるかとの質問には、「これまでのところ、《協議》と呼べるようなものが〔政府内で〕取り上げられたことはない」と答え、次のように指摘している。「《協議》には前もっての準備、結果〔に対する予想〕、動機となるもの、目的といったものが必要だ。それゆえ、ことばの真の意味での《協議》というものが、これまで〔政府内で〕取り上げられたことはない。しかし、世界の各国で開かれるさまざまな会議の場で、我が国の当局者が〔アメリカ当局の〕人物と出くわして、挨拶を交わすといったことは、恐らくこれまでもあっただろうし、これからもあるだろう」。

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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:15752 )