ハータミー、大統領選への立候補を表明
2009年02月09日付 E'temad-e Melli 紙

モハンマド・ハータミー前大統領は「闘う宗教指導者会議」の広報サイト開設を祝う式典の中で、第10期大統領選への立候補を正式に表明した。

 マジード・アンサーリー師がサイトの開設を公式に宣言した後、モハンマド・ハータミー師は演説のために壇上に招かれ、その場で出馬表明を行った。

 ハータミー師はこの中で、「私は真剣な決意で、大統領選への立候補をここに表明する」と述べ、次のように続けた。「私は真剣な決意で、大統領選への出馬をここに表明するが、その際いくつかの重要な点を指摘したいと思う。一つは、私が〔出馬の是非を〕迷っていると、時折言われてきたことについてである。私はこれまで一度も迷ったことはない。ただ、誰がどのような形で選挙に加わるべきかといったことについて、特別の配慮をしたことは確かである」。

 「選挙に無関心であるなどということが、果たして可能だろうか。私たちはこの国を愛している。この国の繁栄を望んでいる。革命の理想も、このことにある。選挙戦への出馬を迷うなどということが可能だろうか。おかげさまで、私たちは無関心を決め込むような人間ではない。選挙への出馬は、自らの権利であり、かつ責務であると私たちは考えている。革命は人民と国のものである。われわれ全員が、国に対して責任感をもっている。どのように選挙に関わるべきか、私たちが議論し、検討してきたのは、このことについてである」。

 ハータミー師はさらに次のように続けた。「もう一つは、私の出馬は誰か別の人、ないし別の党派が選挙戦に加わる道を狭めるものではないということである。道は開けている。国民の熱気溢れる参加が極めて重要だ。さまざまな意見の人たちが選挙戦に加わることは、選挙を熱気溢れるものにすると、私は考えている。すべての人にとって、選挙の舞台は開かれている。私、そしてその他の人たちの出馬が、国民の選挙への最大限の参加をもたらすことを希望する。誰が出馬しようと、それは歓迎すべきことだ」。

国民信頼党、ハータミー師の立候補表明を歓迎

 国民信頼党のスポークスマンを務めるエスマーイール・ゲラーミー=モガッダム氏は、第10期大統領選へのハータミー師の出馬表明を歓迎すると述べた。

 同氏はエッテマーデ・メッリー紙とのインタビューの中で、改革派の中心人物の一人として8年間にわたって大統領を務めた、セイエド・モハンマド・ハータミー師の人柄と過去の業績を称賛した上で、同師の次期大統領選への立候補にお祝いのことばを述べた。

 同氏は「キャッルービー師もハータミー師の人柄と過去の業績をつねに称賛しており、同師が明確に立候補を表明したことを歓迎している」と述べた上で、改革主義のすべての可能性を高めるために、ハータミー師が健全かつコンペティティヴな雰囲気の中で改革主義のアジェンダを表明することに、期待を表明した。

 同氏はまた、選挙にあたって改革派には二つの立場が存在しているとしたハータミー師の発言に触れ、「国民信頼党の党員、及びキャッルービー師の支持者らはハータミーに敬意を表しつつ、今後自党の選挙へ向けた考えやプログラムを表明することになるだろう」と述べた。

「キャッルービー=ハータミー密約」説、否定される

 キャッルービー国民信頼党総書記に近い筋は、ハータミー師が「キャッルービー師との合意により、早急に立候補表明はせず、エスファンド月下旬〔3月中旬〕からファルヴァルディーン月初旬〔3月下旬〕にかけて立候補表明をする予定だったが、このような約束はキャンセルされた」という旨の発言を、某ニュースサイトに語ったとされる報道を否定し、「ハータミー師とキャッルービー師が、このような合意をもった事実はない」と述べた。

 同情報筋はまた、ミール・ホセイン・ムーサヴィー氏が立候補を表明した場合、出馬を辞退するとキャッルービー師が発言したと、ハータミー師が述べたとされていることについても、事実ではないと語った。

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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:15759 )