ケリー米上院議員が中東歴訪、シリア・イスラエル交渉再開など協議へ
2009年02月12日付 Al-Nahar 紙
■ ケリー米上院議員、シリア・イスラエル和平交渉促進へダマスカス訪問
2009年02月12日付アル=ナハール紙(レバノン)HP1面
【ワシントン:ヒシャーム・ムルヒム】
ジョン・ケリー米上院外交委員会議長が今週末、中東歴訪を開始する。イスラーム抵抗運動「ハマース」とイスラエルの停戦の強化に寄与するとともに、トルコの主導によって進められていたもののイスラエルのガザ地区侵攻後に停止していたシリア・イスラエル和平交渉の再開の可能性を探るためだ。
イスラエル議会総選挙が右派および極右勢力の躍進という結果に終わり、楽観できる状況ではないが、ケリー議員はシリア・トラックの再生に関して自信をもって「シリア・イスラエル交渉は再開するだろう」と語り、バラク・オバマ政権がレバノン・イスラエル間を含めた全ての交渉を再生させるとの約束を実行することの重要性を強調した。
ケリー議員は本紙に対して、エジプト、イスラエル、ラーマッラーおよびシリアを訪問する予定だと語り、今回は時間が限られているため「私の愛する活き活きとした街」ベイルートを訪問できないことに遺憾の意を表明した。また、和平交渉が再開された場合には、外交委員会議長としての上院における新たな指導的地位を活かして、レバノンの主権と独立を支援してゆくとの立場を明らかにした。
2004年の米大統領選挙における民主党候補であったケリー氏は、ガザにおける長期停戦合意の成立に向けたウマル・スレイマーン情報局長官の努力など、エジプトの果たしている役割に満足を表明した。また、パレスチナ自治政府とハマースの関係改善に向けたエジプトの役割も評価し、それによってパレスチナのマフムード・アッバース大統領が「今後の交渉において全てのパレスチナ人を代表」できる状況の生まれることに期待を示した。
またケリー氏は、「アナポリス国際会議を受けて行われた交渉の最中にイスラエルがパレスチナの土地で入植活動を続けたことやイスラエルのガザ侵攻によって、アッバース大統領およびサラーム・ファイヤード首相の地位や権力が弱体化した」との主張に同意し、「オバマ大統領やヒラリー・クリントン国務長官とパレスチナ自治政府への援助の必要性について話し合った」と述べるとともに、イスラエルの入植活動の継続に対して懸念を表明した。
ケリー氏は、シリアのバッシャール・アル=アサド大統領とシリア・トラック再生の方策に関して話し合うことに期待感を示した。アサド大統領はアメリカからの賓客であるケリー氏を迎えて大統領宮殿で晩餐会を催す予定。ケリー氏は昨年にもダマスカスを訪問している。
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( 翻訳者:森晋太郎 )
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