エリート高校に合格できないと、出世できないトルコ社会
2009年02月25日付 Zaman 紙

サバンジュ大学教育改革委員会(ERG)が準備した「教育における平等」に関する報告書は、生徒間の教育と社会経済的な格差を示している。報告書によれば、トルコでは生徒らの間における経済格差が教育に、そしてその結果彼らの人生に大きな影響を与えている。

 教育改革委員会の委員長であるウステュン・エルギュデル教授は、アナドル高校のようなエリート高校に合格できない学生の前には大きな障害が生まれると明らかにし、普通高校や職業高校に通う生徒達は概して「出世する」機会をつかむことができないと述べた。エルギュデル委員長は「学校を自らの社会経済的、文化的な状況によって決定され、その結果高等教育もこれに従って受けることになる若者は、やがて社会からの疎外感を感じるようになる」と説明している。エルギュデル委員長は「教育における平等が保証されるために、就学前教育が盛んでない貧しい地域に、それを普及させることが必要だ」と強調している。報告書によればトルコで最も裕福な学生のために使われる教育費は、最も貧しい学生のために使われる教育費の21倍である。両親のうち父親の学歴が高くなれば、女子の識字率は上昇する。母親の学歴が低ければこの割合は低くなる。報告書によれば不平等の解決のための最重要事項は、就学前教育が貧しい地域に施されることである。なぜならば1年間就学前教育を受けた子供は、15歳になった時点で就学前教育を受けなかった同年齢の子供よりも、学問的進度で2年ほど進んでいるからである。

 国民教育省のデータによれば、1997年から1998年にかけての教育年度でトルコでの初等教育における就学率は84.7%である一方、2007年から2008年にかけての教育年度ではこの割合は95.7%に上昇した。しかし初等教育を受けるべき年齢の442,625人の子供はいまだ教育システムに登録されていない。サバンジュ大学教育改革委員会によって準備された「教育における平等」報告書によれば、女子教育において両親が教育を受けていないことが障害となっていることがわかる。父親あるいは母親の教育レベルが一年分高い場合、女子の就学の可能性は3%上昇する。両親の学歴は男子にとっては決定的な要因ではない。母親しかいない家庭において女子の就学率は38%低い。南東部に暮らす女子はイスタンブルに暮らす女子と比べて識字率は50%低い。

「教育における平等」に関する報告書の中の興味深い結論は以下のようである。

・15~19歳の640万人のうち94万人(15%)は初等教育を修了していない。
・15~19歳で初等教育を修了していない人のうち、10人に7人は女子である。
・15歳で教育を続けている人のうち、読解力試験では32%、理科では46%、数学では52%が基礎レベルに達していない。
・父親が最低でも高校を卒業している子供の場合、総合点は6~13点高い。
・父親が働いている子供は10~14点多く得点している。
・アナドル高校で勉強している若者は、普通高校で勉強している若者より66~79点多く得点している。

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( 翻訳者:三上真人 )
( 記事ID:15867 )