スィースターニー師、イラン訪問の可能性強まる
2009年02月14日付 E'temad-e Melli 紙

先週、イランの高官2名がイラクを訪問し、大アーヤトッラー・アリー・スィースターニーとの会見に臨んだ。またニュースサイト「ハバル・オンライン」は、このシーア派最高権威のイラン訪問の可能性について報じている。

 最高指導者国際問題担当顧問を務めるアリー・アクバル・ヴェヤーラティー氏は先週火曜日、ナジャフで大アーヤトッラー・スィースターニーをはじめとする同市のウラマーや宗教的権威らと会談した。マスコミの報道では、ヴェヤーラティーとスィースターニーをはじめとする宗教的権威らとの会談の詳細について報じられてはいないが、懸念の一部が解決されたとされていることから、大アーヤトッラー・スィースターニーは近くイランを訪問するのではないかと予想されている。

 マヌーチェフル・モッタキー外相も、昨日(金曜日)の午前、聖地ナジャフで大アーヤトッラー・スィースターニーと会談した。ファールス通信の報道によると、モッタキー外相はこの会見で、イラン革命30周年について触れ、国際的なレベルでの革命の成果を説明するとともに、「イラン・イスラーム革命のおかげで、今日、全世界はイスラームの真の教えにより一層関心を示すようになった」と述べた。

 同外相はさらに、「国際関係の現状は力と支配の論理に依拠しており、以前にも増して国際情勢を困難な状況に巻き込んでいる」と述べた。

 同外相はまた、最新の科学技術における大国の独占を打ち破ることが、イラン・イスラーム革命の示すもう一つのスタンスであるとした上で、「この点で、イラン・イスラーム共和国の成果はきわめて大きい」と語った。

 この会見の続きで、大アーヤトッラー・スィースターニーはイラン・イスラーム革命勝利30周年を祝福し、「私はいつもイラン、そしてすべてのイスラーム共同体がより一層の成功を収めることを祈っている」と述べた。

 世界のシーア派信徒が倣うべき宗教的権威たるスィースターニー師はその上で、イラン・イスラーム革命の神聖なる目的が達成されることの必要性を強調した。

 これより前の85年末〔2007年2~3月頃〕、大アーヤトッラー・スィースターニーがイラン訪問を希望しているとの報道が流れたことがあった。しかし師は当時、「イラク情勢」に鑑みてイラン訪問に否定的な見方を示し、「イラク情勢が変化したら、イランを訪問することもあるだろう」と述べたとされる。

 アーヤトッラー・スィースターニーは過去9年間、83年モルダード月〔2004年7月下旬~8月下旬〕に心臓外科手術を受けるためにイラク国外へ1度出国したのを除き、イラクを出たことはない。また同師は、49年前にイランから〔学究生活を送る〕ナジャフに戻って以降、故郷であるイランを訪れたことはない。

 このような中、専門家会議と公益判別評議会の議長を務めるハーシェミー=ラフサンジャーニーによる広範かつ長期間にわたるイラク訪問が、エスファンド月の最初の1週間〔=2月下旬〕にも行われることが、現在予定されている。ターブナーク通信の報道によると、ハーシェミー=ラフサンジャーニーはこの訪問で、イラクの大統領、首相、国会議長、その他高官と会談するとともに、イラクのシーア派4大聖地を参詣し、イラク在住のシーア派の権威や宗教関係者たちと会見する予定だ。スンナ派信徒の有力ウラマーや、イラクのクルド関係者との会見も、この訪問で予定されている。

〔後略〕

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( 翻訳者:阿部文美 )
( 記事ID:15874 )