宗務庁、視覚障害者にコーランを無料で配布
2009年03月02日付 Zaman 紙

宗務庁は、視覚障害者の使用する「点字」アルファベットで書かれたコーランを、無料で配布している。点字の凸状部のため、合わせて五巻からなるこのコーランの(出版)費用は550YTLにもなる。

かかる問題を抱えた国民が聖典(コーラン)を読めるようになることを目指していると述べるイスタンブル宗務局長ムスタファ・チャールジュ博士は、イスタンブルで広報しているこの聖典に対する、他の市からの要望にも応えると言う。

トルコ全土には45万人近い視覚障害者がいる。コーランの読み方を学びたいという障害者からの要望に耳を傾ける同庁は、そうした要望に応えるため各県でコーラン教室を開く。イスタンブル宗務局でも今年、人々の要望により市全体で二つの教室を開いた。女性と男性に対して開かれるこの教室では、40人近い生徒が点字のアルファベットでコーランを学んでいる。中には暗唱を行う生徒もいる。
視覚や聴覚に障害をもった人々にも宗務サービスの提供を望む宗務庁は昨年、実験地域として選んだイスタンブルで、夏季コーラン教室を実施した。予想を超える多数の申し込みがあったというチャールジュ宗務局長は、来年はこの数よりもさらに応募者が増えるだろうという嬉しいお知らせを伝えてくれた。コーラン教室実施の最大の難関は講師の確保であると述べるチャールジュ氏は、「この不足を埋めるために、ボランティアの人々を教室に招き、点字アルファベットを学んでもらいます。これと同時に、聴覚障害をもった人々のためにも、同じような対策が採られます」と話した。
また、育成される講師によって、よりよい宗務サービスを障害者に提供できるようになるだろうと述べるチャールジュ氏は、「長年の間、これらの人々は、『あなたたちは見ることができない、聞くことができない』と言われ、宗教的な事柄において相手にしてもらえませんでした。しかしながら、コーランを学ぶこと、礼拝を行うことで(宗教を実践しているとして)宗教的に話し相手として認められることは、彼らにとって非常に幸せなことなのです」と話す。チャールジュ宗務局長は、イスタンブルでのコーラン教室の実施が、今後他の都市でも導入されていくことになると付け加えた。

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( 翻訳者:西山愛実 )
( 記事ID:15900 )