高官派遣で米・シリア関係にさらなる改善の兆し、アサド大統領はイスラエルとの単独和平に応じる用意があるとのイスラエル報道も
2009年03月04日付 al-Quds al-Arabi 紙

■ワシントン・ダマスカス関係改善の兆し
■クリントン国務長官、シリアへ高官2名の派遣を発表
■イスラエル、アサド大統領には単独和平合意の用意があると断言

2009年03月04日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面

【ナザレ: 本紙ザヒール・アンドレウス】

 アメリカのヒラリー・クリントン国務長官は昨日火曜日(3日)に、バラク・オバマ政権が今週、シリアに高官2名を派遣し、2カ国関係を協議する予定であると発表した。両国関係の改善を示す新たな動き となる。

 エルサレムでイスラエルのリヴニ外相と合同記者会見に臨んだクリントン国務長官は、「私たちはシリアと2カ国間の問題を協議するため、アメリカ国務省の代表とホワイト・ハウスの代表を派遣する」と述べ、「この最新のステップは、数年来緊張状態にあった欧米でのシリアの立場を改善することに役立つだろう」との考えを明らかにした。そして、「いかなる状況においても、シリアと米の関係の将来を予言することはできない」と付け加えた。

 米高官筋によれば、派遣される2人は国務省近東担当副公使のジヴリー・フェルトマン氏とホワイト・ハウス国家安全保障会議のメンバーであるダン・シャピロ氏である。

 クリントン国務長官は月曜日、エジプトが開催したガザ復興の資金集めのための支援国会議の合間に、シリアのワリード・アル=ムアッリム外相と短い会談を行っていた。その会談後の記者会見で、シリアに近々代表を送るかどうかについて尋ねられたクリントン長官はそれを断言せず、決定をイスラエル外相との会談後まで待った。クリントン長官は、「ダマスカスでの会談が何をもたらすのかについてはわからない」と語り、米国大使をシリアに派遣する日程についてはコメントしなかった。

 このクリントン国務長官の発言と並行して、パレスチナ和平とリンクさせることなく、ネタニヤフ政権のイスラエルと和平合意を結ぶ用意がシリアのバッシャール・アル=アサド大統領にはあるとの情報が、イスラエル側からリークされた。

 イデオット・アハロノット紙政治記者のイトマール・イフナル氏は、「シリア大統領は先週、首都ダマスカスで行った複数の欧米外交筋との会合の席で、いくつかの機会にそのような発言をしていた」と語る。

 イスラエル発の報道 によれば、シリアの報道機関は去る2月10日に行われた選挙でのリクード党党首の勝利を大変冷淡に受け止めたが、現在アサド大統領は組閣を任じられたネタニヤフ党首に対し、和平のサインを送っており、また複数の欧米外交筋もアサド大統領から、アメリカ新政権との関係改善を大いに望んでいるとの印象を受けているという。イスラエルの高いレベルの政治情報筋は、「シリアはアメリカの仲介によるイスラエルとの対話に関心を寄せているが、両者の和平交渉にトルコが加わることも望んでいる」と述べ、「シリアは国際舞台での自らの力が増してきていると感じており、国際的に孤立した国家から国際社会の懐に舞い戻ったと感じている」と言葉を継いだ。

 ある欧米の外交筋によると、ネタニヤフ政権のイスラエルとの和平に向けた用意があるにもかかわらず、複数の外交筋と行った会談の中でアサド大統領は、ハマースに対していかなる批判を向けることも拒否した。また、「世界のあらゆる国家と同じく、彼らには平和利用目的で核開発を行う権利がある」として、イランの核開発を非難するのも拒否したという。

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( 翻訳者:鈴木啓之 )
( 記事ID:15956 )