ハーメネイー最高指導者、《パレスチナを支援する国際会議》で演説:「シオニストの犯罪者どもが享受する特権的地位を打ち壊せ」
2009年03月05日付 E'temad-e Melli 紙

【ISNA(イラン学生通信)】アーヤトッラー・ハーメネイー・イスラーム革命最高指導者は水曜の朝、《パレスチナを支援する国際会議》で行った演説において、世界中のイスラーム教徒、さらには各国の覚醒した良心全てに呼びかける形で、以下のように強調した。「シオニストの犯罪者どもが享受する特権的地位を打ち壊すべく、努力しなければならない。ガザの悲劇において主要な役割を果たした略奪体制〔=イスラエル〕の政治指導者や軍人どもを裁判にかけ、正義と理性が命ずるところの刑罰に処さなければならない。これは遂行されなければならない最初のステップである」。

最高指導者が行った演説の全文は、以下の通り。
慈悲深く、慈愛あまねきアッラーの御名において

第4回《パレスチナを守る会議》に出席するため、イランにおいで下さった敬愛すべきゲストの皆様、イスラーム法学者、思想家、政治関係者、そしてイスラーム聖戦士の皆様に歓迎の意を表します。

ヒジュラ暦1427年3月15日から17日(西暦2006年4月14日~16日)にテヘランで開かれた前回の会議と今回の会議の間に、重要かつ決定的な出来事が起こった。これらは、パレスチナ問題の今後の展望をより明るくするものであると同時に、イスラーム世界にとって依然として根源的なものでありつづけているこの問題に対する我々の義務を、これまで以上にあきらかにするものである。

これらの重要な出来事の例として、ヒジュラ暦1427年〔2006年〕のレバノン33日戦争でのイスラーム抵抗勢力に対するイスラエルの驚くべき軍事的・政治的敗北、さらにはガザにあるパレスチナの合法的政府ならびにガザ住民に対する犯罪的な22日戦争でのシオニスト体制の屈辱的な敗北があげられる。

過去数十年にわたって独自の武力とアメリカの軍事的・政治的支援によって、強大無敵であるかのようなイメージを見せてきた略奪体制は、いまや装備や武器ではなく、むしろ神と人民の力を信じて戦ってきた抵抗軍によって、2度にわたり敗北を喫した。彼らは軍事訓練を繰り返し、長大な諜報網を抱え、アメリカ及び一部の西洋諸国から惜しみない援助を受け、イスラーム世界の一部の偽善者どもと共謀してきたにもかかわらず、覚醒したイスラーム勢力の大波を前にして、解体・滅亡の危機に直面し、自らの無能ぶりを明らかにしている。

その一方で、シオニストの犯罪者たちがガザの歴史的事件で犯した大罪、すなわち一般人の大量虐殺、非武装の民家の破壊、乳飲み子の惨殺、小学校やモスクへの爆撃、白リン弾その他禁じられた武器の使用、2年近くに及ぶ食料・医薬品・燃料・その他日用品のガザへの移送ルートの封鎖、その他の数々の大罪が証明しているように、虚偽に満ちたシオニスト政府指導者たちの罪深き野蛮な本質は、パレスチナの悲劇が始まって数十年が経った現在も、なんら変化がないのである。

〔中略〕

現在パレスチナの占領から60年が過ぎた。この間、すべての物質的な権力手段が略奪者どもに奉仕してきた。それは資金、武器、技術に始まり、政治的・外交的努力、さらにはメディア帝国の巨大情報ネットワークに至る。

この広範囲かつ驚くべき悪魔のごとき謀略にもかかわらず、略奪者とその支援者たちは、シオニスト体制の正統性をめぐる問題を解決できないばかりか、この問題は時が経つに連れさらに困難の度を増している。

西洋やシオニストのメディア、及びシオニズム支援諸国はパレスチナ略奪の口実となったホロコーストに関して、疑問を提起したり研究を行ったりすることさえも、許そうとしていない。このこと自体、〔イスラエルの正統性をめぐる問題が〕動揺をきたし、疑問に満ちたものであることをよく表している。

現在、暗い歴史を抱えてきたシオニスト体制の世界でのイメージは、これまで以上に悪化しており、このような体制がなぜ生まれたのかという疑問が強まっている。東アジアからラテンアメリカにいたるまで、この体制に対する過去に前例のないほどの世界規模の抗議運動が自然発生的に生まれている。世界120カ国以上、就中ヨーロッパや邪悪の根源たるイギリスでも人々によるデモが行われている。彼らはガザや、33日戦争でのレバノンでのイスラーム抵抗運動を支持している。

これらのことから分かるのは、シオニズムに対する世界的な抵抗運動が生まれつつあるということだ。このような運動がこれほどの規模、これほどの熱意で生まれたことは、過去60年なかったことだ。レバノンやパレスチナでの抵抗は世界の人々の良心を呼び覚ますことに成功した、と言ってもいいだろう。

〔後略〕

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( 翻訳者:綿引香緒里 )
( 記事ID:15964 )