パキスタンが米国の無人戦闘機による攻撃の見直しを要請
2009年02月27日付 Al-Nahar 紙

■ 警察がラホールでシャリーフ元首相派の議員らを逮捕
■ パキスタンがスワット地区でのアル=カーイダ追跡を誓約
■ 米国によるパキスタン領内での攻撃中止を要請

2009年02月27日付アル=ナハール紙(レバノン)HPアラブ国際面

【AFP、ロイター、AP】

 パキスタン政府は、米軍無人戦闘機によるパキスタン領攻撃の終結に関する協議を呼びかけるとともに、論争の的になってるイスラーム主義指導者らとの和平協定が結ばれたスワット渓谷でアル=カーイダ組織に対して妥協することはないと誓約した。「対テロ戦争」の新戦略を策定するためのアフガニスタン政府との共同会議参加を控えての動きであった。

 パキスタンとアフガニスタンの外相は、「対テロ戦争」におけるアメリカの政策の総合的な見直しの一環として行われる協議の直前に開かれたヒラリー・クリントン米国務長官との晩餐会で対面した。

 バラク・オバマ米大統領は、パキスタンと隣国アフガニスタンでの過激派対策に重点を置くことを誓った。アフガニスタンでは、イラクのアメリカ軍部隊多数の削減にあわせて兵員17000人を増派する予定である。

 協議に先立ってパキスタンのシャー・マフムード・クレシ外相は、アル=カーイダ戦闘員攻撃に使用され多数の民間人の死者をもたらした米軍無人戦闘機の問題について、クリントン国務長官と話し合ったことを明らかにした。また報道陣に対して、「アメリカ当局は、無人戦闘機に関する戦略の見直しが必要だ。…この戦いに勝利したいのであれば、軍事力だけではそれは達成できない。パキスタン国民が我々の見方であることが必要であり、無人戦闘機は人心を遠ざける」と語った。また米国に対して、無人戦闘機による攻撃の技術をパキスタンに提供するよう呼びかけ、それによってパキスタンの主権に関わる両国間の対立が解決されるであろうと述べた。

 パキスタン政府とイスラーム過激派勢力の間で、スワット渓谷で唯一の司法制度としてイスラーム法を適用することを謳った合意が成立し、パキスタンと同盟関係にある米欧諸国は、これによって過激派勢力が行動の自由を得ることになるのではないかと懸念している。

 パキスタン外相は、「タリバンはスワット渓谷から命令を受けているわけではないし、我々はタリバンとの和平合意には到っていない。…我々はアル=カーイダをスワット渓谷から追い出した。今度はアフガニスタン国境沿いの部族地域からも排除するだろう」と述べ、「人々が理解していないのは、我々が過激派の暴走を食い止めたことだ」と続けた。

(後略)

Tweet
シェア


原文をPDFファイルで見る
原文をMHTファイルで見る

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:松原翔 )
( 記事ID:15976 )