5年前に4千箇所の人権侵害が見つかった教科書教科書が、新カリキュラム実施後、再び調査された。その中にまた「あのものの見方」が見られた。
父親が家族を養い、テクノロジーとの唯一の繋がりは掃除機である母親が家を掃除し、おいしい料理を作り、妹は塵を払う。軍人として生まれたトルコ人は常に戦争に備え、誰よりも優れている、シンナー中毒者は離婚した父母の子供たち…。歴史財団はちょうど5年前、「教科書における人権プロジェクト」で、190冊の本を調べ、4千箇所の人権侵害を指摘した。それから5年が過ぎて、カリキュラムが変わり、教科書も新しくなったが、しかし考え方はまったく変わらなかった。歴史財団の新しい教科書に関する二回目の調査は、宗教、人種、そして性別による差別がより強まっていることを示した。
歴史財団は教科書における人権プロジェクトの第二弾を、2007年に始めた。今回は新しくなったカリキュラムにより作成された139冊の初等・中等教育の教科書が調査された。調査の結果は、「教科書における人権2」という本にまとめられた。この本は、昨日、欧州連合情報センター(Avrupa Birliği Bilgi Merkezi)で行われた会議で紹介された。歴史財団会長、ムラト・ギュヴェン博士教授は、調査の結果が国民教育省にも伝えられた、今後、追跡委員会が設立され、教科書が毎年調査されることになる、と述べた。
■アルメニア人、シリア正教徒、ポントス人の高い比重
調査によると、新しいカリキュラムにより用意された教科書は、人権侵害表現の観点から見ると以前のものとなんら変化がない。初等教育の教科書の97パーセントに、中等教育の教科書では87パーセントに人権侵害が見られる。その上、いくつかの教科書では、人権侵害についての記述が増えている状況である。例えば、歴史の教科書を調査した歴史教師のムトゥル・オズチュルク氏は、「アルメニア人、シリア正教徒、ポントス人などの問題に比較的多くのページが割かれている。これらの問題に関する人権侵害表現は増えている」と語った。
この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る
( 翻訳者:林奈緒子 )
( 記事ID:15988 )