オスマン文書を証拠にエルサレムの土地問題解決へ
2009年03月20日付 Hurriyet 紙

東エルサレムで、ユダヤ人とパレスチナ人の間の30年間続いている土地所有問題は、オスマン朝に関する文書館所蔵の、ある歴史的文書により解決される。ヒュッリイェト紙に語ったパレスチナ人弁護士は、トルコ当局が、ガザの戦闘後、彼らを援助し始めたこと、そして文書発見後すぐに手渡したことを強調した。

東エルサレムのシャイフ・ジャッラーフ区にある30箇所の建物の所有権に関して30年間続いている論争は、トルコ当局の尽力で見つかったと伝えられるオスマン朝のある地券文書で決着がつけられる可能性がある。

スペインと北アフリカ系のユダヤ人を代表するセファラード指導部(Sefarad Liderliği)という名称の組織は、1970年代以降、建物は自分たちのものであると主張している。この組織は、オスマン朝に関する文書館所蔵の文書をその証拠として示し、所有権を諦めないパレスチナのアラブ人たちが起こす訴訟と絶えず対決している。裁判所は、所有権がユダヤ人組織のものであると判断したが、賃貸者の立場にあるパレスチナのアラブ人が建物に住むことも許可した。30年の間、多くのパレスチナ人の家族が建物から立ち退かされた。最近のものとして、昨年の11月に立ち退かされたアル=キュルド一家は、封鎖された家の傍に、抗議目的でテントを張った。家族の面々は提訴を諦めなかった。

■ 彼らの運命が変わる

パレスチナ人は、この問題における勝利に初めてこれほど接近した。イスラエルのハーレツ紙は、パレスチナ人がアンカラで見つけ直近の裁判で提出した文書が、この訴訟の帰趨を変える可能性があると報じた。同紙は、「トルコ人は、所有権をめぐり係争中の東エルサレムの建物が、アラブ人のものであることに関する証拠を確認した」という見出しの記事で、「イスラエル裁判所が文書を有効であると見なせば、パレスチナ人の家族は家から追い出されないだろう」と報じた。

ヒュッリイェト紙に語ったパレスチナ人弁護士の一人、ハーテム・エブー・アフメド氏は、「ユダヤ人が何年にも渡って提出してきた文書は偽物だ。イスラエル人の裁判官は、ある審理で『では、あなた方は歴史に根ざす文書を持っているのか』と質問した。我々は何年も懸命に試みたが、トルコ当局から回答は得られなかった」と述べた。

■ ガザ

ガザ戦闘後、トルコ人の態度が変わったと強調するエブー・アフメド弁護士は、「トルコでは、以前は我々に冷たい態度がとられていた。六ヶ月前までは、恐らくイスラエルとの関係を壊さないためにそうだった。しかし、オスマン朝の文書を調べるための最近の訪土では、こうならなかった。何ヶ月かの交渉の結果、トルコ人は文書を我々に渡した」と語った。

パレスチナの弁護士らは、ユダヤ人グループの提出したオスマン語の文書が偽物であることが、トルコ外務省から入手された文書で証明されたと強調し、彼ら自身が見つけた文書の写しは、裁判所の承諾後、報道機関に配られるだろうと述べた。

■ パレスチナ人弁護士のエブー・フセイン氏:「トルコ人はとても機能的だった」

サラーフ・エブー・フセイン弁護士は、昨日行ったヒュッリイェト紙へのコメントで次のように話した。
「数ヶ月前、エルサレムにあるトルコ大使館に出向いた。彼らは初めて我々にすぐに対応してくれた。彼らは非常に機能的だった。ガザ戦闘が時事問題であったころ、私はアンカラにいた。あちらの担当者は地券地籍簿総局の文書館で関係する文書を見つけて私に手渡した。その19世紀の文書は、建物が当時、ユダヤ人のものではなく、パレスチナ人のものであったことを示している。」

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( 翻訳者:林奈緒子 )
( 記事ID:16033 )