トルコ共和国大統領、33年ぶりのイラク公式訪問―ギュル、バグダッドに到着
2009年03月23日付 Hurriyet 紙

イラク共和国大統領タラバーニーとトルコ共和国大統領アブドュッラー・ギュル会談の最初の詳報が公表された。タラバーニー氏はクルディスタン労働者党(PKK)のことを、「彼らは戦闘を放棄するか、もしくはイラクを捨てるかのどちらかだ」とはっきりと警告した。

トルコ共和国大統領は33年ぶりにイラクを訪問した。ギュル大統領が搭乗した飛行機が、バグダッドに着陸した。

ギュル大統領は公式訪問でイラクの首都バグダッドを訪れた。

バグダッド国際空港では、イラクのサービル・アル・イーサーウィー副首相、フーシュヤール・ズィーバーリー外務大臣、そしてヴィジダーン・ミカエル人権大臣がギュル大統領を出迎えた。

出迎えには、トルコのバグダッド大使デルヤ・カンバイとイラク特別代表ムラト・オズチェリキも参加した。

ギュル大統領は、空港で一息ついたあとバグダッド中心部にあるイラク共和国大統領官邸へと向かう予定である。ギュル氏を歓迎して、ジャラール・タラバーニー大統領によるアルサラーム宮殿での公式の式典が行われた。

トルコのファフリ・コルテュルク元大統領が1976年4月26日におこなったイラク訪問から33年ぶりの訪問となったギュル大統領は、イラクを訪問した二人目の大統領となった。

■ トルコ共和国大統領の発表

大統領府メディア・センターから行われた、この件に関する書面による発表では、以下のように述べられた。

「大統領閣下は、イラク共和国大統領ジャラール・タラバーニーの招待を受けて2009年3月23-24日にイラクの首都バグダッドを公式訪問する予定である。訪問中、キュルシャド・トゥズメン国務大臣やベシル・アタライ内務大臣ほか、関係者からなる代表団が大統領に同行する。

ギュル大統領のイラク訪問は、再建中のイラクをトルコは最高レベルで支持することを示し、かつ我が国で大統領レベルでは33年ぶりに実施されるイラク訪問であるという観点から、重要性を持つものである。訪問中、二国間関係と地域的・国際的議題が取り上げられることが予想されている。さらに、二国間で包括的な経済協力協定が調印される予定である。」

一方、ギュル大統領が昨日(22日)メディアに発表した今日(23日)の予定はキャンセルされた。

■ タラバーニー:「PKKは戦闘を放棄するか、イラクを捨てるかのどちらかだ」

イラクのジャラール・タラバーニー大統領は、ギュル大統領と実現させた二国と代表団間の会見ののちに開かれた記者会見で、「PKKは戦闘を放棄するか、イラクを捨てるかのどちらかだ」と話した。一方のギュル大統領は、二国間の協調が大切と強調し、この訪問が二国の関係において新しい一ページを開くだろうと話した。

ギュル大統領のイラク訪問は今日(23日)行われた。公式訪問でイラクに到着したギュル大統領は、タラバーニー大統領主宰の式典で歓迎された。ギュル大統領のために、チグリス川のほとりのエルサレム宮殿で公式式典の準備がなされた。タラバーニー大統領夫妻は、ギュル大統領夫妻を公式式典により迎え入れた。式典後、ギュル、タラバーニー両大統領は直接対談をおこなった。このあとで代表団間の会合が行われ、その後、二国間の包括的な経済協力協定が調印された。

イラクのタラバーニー大統領は、会談後の記者会見で、結んだ協定の重要性を強調した。またイラクとしては、経済、貿易、治安といった全領域で協力する準備ができていると述べた。ギュル大統領は、親交関係が示されたことに対する喜びを口にし、今回の訪問が、両国の関係において新しい一ページを開くだろうと話した。また、イラク国内における諸々の相違点が(文化的な)豊かさとして認識され、社会的安寧を向上させることが重要であると強調し、「トルコとイラクは歴史的に友好と協調関係にありました。共通の歴史や信仰があります」と話した。

ギュル大統領は、「隣国がつらい日々を過ごしているという際に、自国が平和、安楽でいることはできません」と話し、「私達は、イラクが経たつらい日々の諸々の困難を身近に感じていました。この過程を一刻も早く乗り越えるために必要な支援を提供しました。これからも提供し続けます」と述べた。続けてこのように述べた:

「私達は有益で友好的な代表団間の会合を行いました。その場で両国関係をあらゆる分野において吟味し、政治的意思を提示しました。私達は経済分野における協調の骨子・枠組みや法的環境整備を示しました。」

「トルコは、クルド地域政府に何を望んでいますか?」という問いに対しギュル大統領はこう答えた。「我々はイラク全体に関わっています。こうした枠組みの上で三者による安全保障委員会があります。この委員会はトルコ、イラク、アメリカの間で活動を行っています。これを評価しています。しかしテロ組織のキャンプとリーダーらがイラク北部のクルド人地域にいるため、この問題でクルド地域政府の支援も大変重要であるということも事実です。イラクとトルコの間の協調を前進させねばならないこのような危機的な時期に、この種の支障のある要素を除くために、いかなる活動も共同で行う必要があると確信しています。包括的な活動が必要です。ここに皆にとってなすべきことが明確となります。疑いなく、テロ組織の指導者たちやキャンプがある場所で責任を担う人々に、一層なすべきことがあるのです。この問題でも、皆さんが協力的であることは存じています。また、バグダッドの中央政府をはじめ、地方行政の関係者の方々が、協力的な活動に参加して頂けるだろうと信じています。」

タラバーニー大統領は、PKKテロ組織を国外追放するためにトルコにどのような支援を提供するのを計画中であるかとの質問を受けて、以下のように回答した。

「イラク憲法では、外国人武装勢力が領土に存在することを禁止しています。こうした考えで、PKKがイラクの領土に存在することも禁止されました。この目的を実現するために、まず、地域でアメリカ、イラク、トルコ三者合同の活動を実行しています。本部がバグダッドにある常設委員会があります。アルビルには、この下部組織があります。かの人民を代表して行っているとされる活動が、現地の人々には悪影響を及ぼしていると我々は考えています。PKKが北イラクに存在することで、五百もの村の人々がその地域に戻れなくなっています。これらの人々は、他の諸地域で不遇を託っています。私達は、彼らが村に帰ることを望んでいます。PKKは武装闘争をやめるか、もしくは我が国を捨てるかのどちらかです。最初の方法を彼らが受け入れてくれることを願っています。」

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( 翻訳者:木村納菜 )
( 記事ID:16050 )