イラクを33年振りに公式訪問したギュル大統領は、もう一つの「原則」に踏み出した。ギュル大統領は飛行機で記者たちに向けて話をした時に、初めて「クルディスタン地域政府」という表現を使った。クルド問題に起因するテロがもはや終わる必要があると述べつつ、各方面から支援を望んでいるギュル大統領は、「流血を止める必要がある。この問題が終わるように」と話した。
アブドゥッラー・ギュル大統領は、イラクに向かう際に飛行機で「北イラク政府」の代わりに初めて「クルディスタン地域政府」との表現を使った。ギュル大統領は記者たちに向けて行った発言で、「流血を止める必要がある。この問題が終わるように」と述べた。ギュル大統領の飛行機での発言を、ラディカル紙アンカラ局代表のムラト・イェトキン氏は、今日(24日)付の記事で簡潔に以下のように引用した。
「アブドゥッラー・ギュル大統領は、クルド問題に起因するテロがもはや終わる必要があると述べつつ、各方面からこれに対する支援を望んだ。ギュル大統領はこの発言をイラク訪問のためのアンカラ発バグダッド行きの飛行機の中でおこなった。ギュル大統領は、この訪問が単に33年振りにイラクへ大統領として行ったためではなく、『新しく異なるイラク』に支援する目的ゆえに重要であると強調した。そしてイラクとのさらなる協力関係における障害がイラク領内のクルド労働者党(PKK)の存在であると述べた。
■ ギュル大統領の一連の発言は以下の通りである。
トルコに対するテロ行為がイラクにあるクルディスタン地域政府の責任下で発生していると述べたギュル大統領は、このようにして初めて当該地域を「クルディスタン」という名称で言及し、この表現をイラク憲法にそのように記されているものだと説明した。
またクルディスタン地域政府によってアルビルで準備中と発表されたクルド会議が、暴力の終了に向けた初の行動であるとも注意を引き、進展を見守ると強調した。バグダッドへの機中でのギュル大統領の発言は次の通りである。
■アルビルになぜ行かなかったか
バグダッドのみか、またはいくつかの都市に同時に行く必要があった。ナジャフ、キルクークや、領事館があるモースルや新しく領事館を開設したバスラに行かない訳にはいかなかった。直前まで包括的プログラムが検討されたが、セキュリティの観点から可能にはならなかった。
■バルザーニはなぜ不在
目下ヨーロッパにいるそうだ。バルザーニ(クルディスタン地域政府議長)自身が知っていることだ。マリキ首相と彼の間に問題があるかもしれないという解釈はしたくない。
■正常化したイラクとテロ
イラクは正常化している。その際に領土を管理下に治める必要がある。イラクにテロへの機会を与えない必要がある。トルコに関わるテロ組織はイラクのクルディスタン地域政府の域内で活動している。これらを一掃し、イラクが治安のいい状態になって近隣諸国と良い関係を築く必要があるのです。
あなた方はイラクの一部でありクルディスタン地域政府であるのだから、自地域におけるテロ行為を許してはいけない。これは我々の間で概して協力を妨げる要素である。制圧する力が十分でなければ「中間地帯」を宣言せよ。それならばなんら要求もしない、我々がやろう。世界にはこのような場所が複数ある。
■クルディスタンと呼んだのか。
何と言おうか。ギリシャはマケドニアをマケドニアと呼んでいないからといって我々はその真似はしない。イラク憲法に書いてある通りである。イラク憲法に書いてある。北イラクの人々はトルコを失うことがいかなる意味かよく斟酌しなければならない、とういう事実が厳としてあるのだ。
■とても友好的な話し合い
ギュル大統領は、代表団間でとても友好的な話し合いを行ったと述べ、関係をあらゆる分野で発展させるだろうとした。エネルギー、イラクの石油やガスの採掘や販売という問題を話し合った。
■ジャラール・タラバーニー大統領は、PKKは戦闘を放棄するかイラクから出て行けと述べた。
アブドゥッラー・ギュル大統領は、テロが「トルコ‐イラク関係において排除されるべき災悪である」と共同記者会見で述べ、イラク大統領ジャラール・タラバーニ氏も、イラク憲法がテロ組織やPKKがイラク領内で活動することを禁止していると強調した。
■テロは我々にも害を与える
タラバーニ大統領は、三者委員会がPKKとの闘いで何をする必要があるかということで調整をおこなったとし、テロによってトルコのみが被害を受けたのではなく、北イラクでも500の村が避難したと述べた。タラバーニ大統領は、PKKが住民のこれらの村への帰還を妨げていると述べた。タラバーニ大統領は次のように語った。「我々の提案はこれだ。PKKは武力闘争を放棄するか我々の国から出て行きなさい。我々は前者を望んでいる。つまり戦闘を放棄しなさい。そのことを勧めます。テロはあらゆる人に危害を与えるのだ。」
■「テロに対してあらゆる手段を講じるべき」
ギュル大統領は以下のように発言を続けた。
テロ組織の指導者や拠点は北イラクに存在するのです。これを無視しえません。私の地域であるというならば(そこの治安に)責任があるでしょう。やっていることと言ってることが違う。テロ組織に対してあらゆる手段を講じるべきです。その方法はひとつしかないのではありません。世界には今日テロの場所はありません。EU諸国も時折口ごもったままでいるが今日これを理解したようです。
■武装放棄の計画
意識的であれそうでないのであれ、騙されてこの活動に加わった可能性はある。皆さん考えてみてください。この活動が終わり、流血が止まり、友好関係が強化されるべき時期に入らねばならないのです。これにはたった一つの方法ではだめで、あらゆる方法を講じましょう。この件で楽観的です。皆さんがこれを理解すると思っています。
■皆さんとは誰
さて皆さん。これほど語られている、この件が。テロは、皆が協力して取り組むことで終わる。何が必要であれ。こうした過程にあるのだ。すべての人が協力する必要がある。イラクのクルド人も同様である。トルコで語られない何が残っていよう。暴力、テロ、武器は絶対になくなる。流血を止める必要がある。この問題が終わるように。
■アルビル会議
彼らも理解した。トルコを失うことがいかなる意味を持つかを。関係を悪くする要素がテロであるのを理解した。アルビル会議はそうした考えにおいて着手したものである。彼らも理解したのだ。自らに必要なことをやろうとしている。初めて行動に移っている。見守ろう。
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( 翻訳者:三上真人 )
( 記事ID:16059 )