「割当ガソリン=100トマーン、輸入ガソリン=自由価格」:国会、2009年度のガソリン価格を可決
2009年03月14日付 E'temad-e Melli 紙
【経済部】国会は、国内で精製されたガソリンの供給・販売については、1リットル100トマーン〔約10円〕で配給し、輸入ガソリンについては自由価格で販売することを可決した。また国会は、1388年〔2009年〕度予算法案の最終審議の中で、88年度の軽油の供給・販売についても「燃料スマート・カード」を利用し、16.5トマーン〔約1.7円〕で提供することを可決した。
この決定により、保守政権はガソリンや軽油といったエネルギー価格を一挙に自由化するというショック療法によって、自らの政策の実現を図ることが不可能となった。政府は補助金を現金化させることで、ガソリンや水、電気、ガスなどの販売価格を数百パーセント(一部の品目は2000%)引き上げ、イラン国民から巨額な資金を取り上げた上で、その一部を予算の赤字の穴埋めに利用、また別の一部を4900万人〔の低所得者層〕に再配分することを狙っていた。
このような政策に対し、イランの経済専門家たちは第8期国会にエネルギー、水、電気、及びガスの価格を一挙に自由化させるべきではないと訴え、政府が狙う経済へのショック療法を阻止するよう明確に求める内容の公開書簡を発表していた。
国会議員らによれば、第9政権はリッター当たりの軽油価格を16トマーンから2000%引き上げて、350トマーン〔約35円〕に、ガソリン価格についても補助金を廃止して、リッター当たり100トマーンから400トマーンに引き上げることを模索していた。これに対し国会は、価格を一挙に値上げする政府のショック療法に反対する姿勢を示していた。
1388年度のガソリン・軽油販売価格を自由化させる案が国会により一時棚上げになったことで、社会は急激な物価上昇に陥る危険を免れることになった。国会は来年度、「補助金目的化法案」(特に価格の自由化)について、より慎重な姿勢で検討を続ける予定だ。
これにより、1388年度初め〔2009年3月21日〕からの物価の急激な上昇は避けられたが、しかし第4期5カ年開発計画(1384-1388年)〔2005-2010〕の目標に反して政府機構が肥大化していることに鑑み、国会は政府予算の不足を抑えるため、輸入ガソリン・軽油を輸入価格で市場に提供することも決定している。
ファールス通信の報道によると、イラン国会は先週木曜日の会議で88年度予算法案の詳細を継続審議し、ガソリン・軽油に対する補助金問題について議論を行った。その際、予算合同委員会は86年に発効した「燃料消費管理法」第一条に基づき、国内で精製されたガソリンについては100トマーンで配給し、自家用車へのガソリン割当量は80リットル、公用車への割当は400リットルとする案を最終的に提案した。
ガソリン・軽油輸入に対する補助金、廃止に
最終的に国会で可決されたこの提案では、輸入ガソリンは消費者の全額負担となり、約400トマーン〔約40円〕で提供される見込みとなった。この案が可決されたことで、政府は1388年にガソリン輸入に対して、いかなる財源からも補助金を充てることはできなくなった。
予算合同委員会はまた、軽油についてもすべて燃料スマート・カードによって提供することも提案、今年度の軽油価格リッター16.5トマーンはそのまま維持される見込み。節約と密輸取り締まりによって、国内の一日の生産量8000万リットルに消費を抑え、輸入軽油に対して補助金を充てる必要が出ないようにすることが盛り込まれた。
〔後略〕
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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:16065 )