レザーイーとムーサヴィー:「連合政府」構想をめぐって
2009年03月14日付 E'temad-e Melli 紙
イスラーム共和国最後の首相ミール・ホセイン・ムーサヴィーが、再び政界に足を踏み入れることを決断した。一部の政治関係者は同氏を、〔保革を〕一つにまとめ上げるのに適した人物だとしている。そのような中、同氏の次期大統領選への出馬表明がレザーイーの行ったある提案と時期的に重なったことも手伝い、一部のグループに一種の政治的ノスタルジーが引き起こされている。
モフセン・レザーイーが最新の発言の中で提案した「首相ポスト復活」案は、もちろん一つの案に過ぎない。しかし60年代〔西暦1981年~〕に首相を務めたミール・ホセイン・ムーサヴィーが大統領選への立候補を表明した中でなされたこの提案は、少なくともイスラーム共和国憲法の改正によって首相ポストが廃止され、国政運営が大統領一人に委ねられた過去の思い出を思い起こさせることに寄与するだろう。
他方、この提案は「連合政府」樹立構想の枠組み内でなされたものであることから、モフセン・レザーイーと志を一つにする政治関係者らはミール・ホセイン・ムーサヴィーをこの連合政府に適した人物だと見ているのではないか、との憶測を呼んでいる。
「有能で責任感ある連合政府」構想の提唱者であるモフセン・レザーイーは、金曜日に行われたイラン・イスラーム発展公正党全国大会に姿を現し、「連合政府内における首相ポストの復活」に関する同氏の構想について質問した出席者に答える形で、次のように述べた。「連合政府が実現した場合、このこと〔=首相ポストの復活〕が現実化する可能性はある。首相の選出は国会によるものであり、それゆえ首相は〔国会と協力することで〕国政をよりよく運営する役割を演じることができるからだ」。
〔中略〕
レザーイーはまた、「連合政府を率いるべき候補者の選定をめぐって合意を得るべく、ティール月〔2008年6月下旬~〕から活動を開始した。バフマン月初旬〔2009年1月下旬〕からはこの問題をめぐって、各候補者と真剣な話し合いを行っている」とも指摘している。
大会を主催したイラン・イスラーム発展公正党は、モフセン・レザーイーの構想に真っ先に呼応する形で、金曜日の大会終了後に声明を発表、同党選挙対策事務所の開設を明らかにした。声明では、次のように述べられている。
「イラン・イスラーム発展公正党は、第10期政権では《有能で責任感ある連合政府》を樹立する必要性があることを強調しつつ、選挙戦への出馬の意欲のある、責任感と情熱をもったすべての候補者に対して、同連合樹立に積極的に参加することで自らの使命を果たすよう呼びかけている。連合政府は、今後の四年間でイスラーム革命の理想、特に進歩と正義を実現させるべく、速やかに歩を進めることを約束するものである。イラン・イスラーム発展公正党は《有能で責任感ある連合政府》選挙対策事務所開設を歓迎し、同連合が目指す目標の良質かつ迅速な推進に向けて全力を注ぎ、同連合の策定した仕組みを通じて擁立された候補者に支援を行う予定である」。
さて、モフセン・レザーイーとその同志たちの試みがイランに〔原理派でもなければ、改革派でもない〕第三の潮流を生み出すことになるのか、今後の行方を見守る必要があろう。
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( 翻訳者:斉藤正道 )
( 記事ID:16072 )