ドーハ首脳会議をエジプト大統領が欠席の方向、スーダンの動向にも注目
2009年03月29日付 Al-Nahar 紙

■ カタールのハマド・ビン・ジャースィム外相、「私たちの関係樹立に誰からも許可を得る必要はない」
■ スーダン問題の「ハンマー」と、エジプト欠席決定の「台」の間に挟まったドーハ首脳会議

2009年03月29日付アル=ナハール紙(レバノン)HP1面

【ドーハ:本紙アミーン・カンムーリーヤ】

 ドーハで明日から始まる第21回アラブ諸国首脳会議をホスニー・ムバーラク大統領が欠席するとのエジプトの決定は、この会合がアラブ諸国の和解を確立する会議となることを妨げることになった。アラブ諸国の和解の動きは、クウェート経済首脳会議から開始され、今月にリヤドで開催された4か国首脳会議で加速していた。

 エジプトのフサーム・ザキー外務省報道官は「ムバーラク大統領の欠席は、アラブ諸国の和解や、現在エジプト政府が尽力しているパレスチナ内部対話に影響するものではない」と強調してはいるものの、空席となったムバーラク大統領の席は、アフマド・ナズィーフ首相やアフマド・アブルゲイト外相ですらなく、ムフィード・シャッハーブ法律・議会担当相に譲られることになった。これは、国際的および地域的な大きな変化の中におけるアラブ地域の現状に関するイメージを損なうことになるだろう。

 これ以外のごたごたとしては、国際刑事裁判所によるスーダンのオマル・ハサン・アフマド・アル=バシール大統領に対する逮捕状発行の決定の反響も首脳会議に影響を及ぼし、この10年間常に出席してきたバシール氏が今回出席するか否かという問いに注目が集まった。スーダン政府がバシール大統領の問題に対するアラブ諸国グループの対応に明らかに不快感を示し、首脳会議へのスーダン代表団の団長の人選について協議するためアリー・アル=カルティー外務担当国務相がドーハを去ってハルツームに戻ることによってこの不快感を表現した。

 カルティー国務相が帰国した理由として首脳会議の舞台裏で取り沙汰されているのは、スーダンが首都ハルツームでバシール大統領との連帯のため緊急アラブ首脳会議を開催するよう要請したのに対して参加者たちがこれを無視したことや、国際刑事裁判所の決定を激しい口調で非難するスーダンに関する決議案が取り上げられず、サウジアラビアやカタールなどアラブ数ヶ国の提案した文言では、スーダンとその国民や大義に連帯を表明するにとどまり、スーダン大統領には言及がなされなかったことなどである。

 昨日(25日)の夕方、アラブ諸国閣僚会議の直後の記者会見で、カタールのハマド・ビン・ジャースィム・ビン・ジャブル・アール・サーニー首相兼外相は、「スーダンを支持するアラブ諸国の立場に相違などない」と強調し、「スーダン国務相が帰国したのは別の理由だ」と述べ、「帰国の後、国家元首に同行して首脳会議に戻ってくる閣僚はよくいる」と付け加えた。また、「アラブ諸国は、スーダンにアラブ諸国の国家元首たちや代表団を頻繁に派遣する意向だ」と指摘した。

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( 翻訳者:鈴木啓之 )
( 記事ID:16116 )