ハーメネイー最高指導者、マシュハドで演説:「アメリカの《チェンジ》は行動で示されねばならない」(その2)
2009年03月22日付 Jam-e Jam 紙
「ハーメネイー最高指導者、マシュハドで演説」(その1)のつづき
同師は、アメリカ政府との関わり合い方は革命当初よりイラン国民とイスラーム共和国にとって大いなる実験であったとし、共和党であろうと民主党であろうとアメリカの政権関係者たちは、イスラーム革命とイラン国民に対してつねに敵意に満ちた態度を取ってきたことを指摘した上で、次のように述べた。「アメリカはイスラーム共和国に対する敵意の現れとして、まず最初に反体制分子を煽り、分離主義運動やテロを支援した。信頼できる情報によれば、アメリカの(スパイ)分子がイラン・パキスタン国境地帯の悪党どもとつながりを持つなど、アメリカのこのような政策はいまだに続けられているのである」。
アーヤトッラー・ハーメネイー・イスラーム革命最高指導者は、アメリカ政府のイラン国民に対する敵対的行動の一例として、さらに数十億ドルにものぼるイラン国民の資産を凍結したこと、サッダーム(・フセイン)にイラン攻撃のゴーサインを出したこと、約30万人もの我が国の若者を殉教させた8年間にわたる強要された戦争(=イラン・イラク戦争)でバアス党体制側を支持したこと、そして強要された戦争の最後の年にイランの旅客機をミサイル攻撃し、約300人もの老若男女を死に至らしめるという大惨事を引き起こしたことなどを指摘し、「果たしてイラン国民にこれら悲劇を忘れることなどできるであろうか」と続けた。
同師はさらに、イラン国民に対するアメリカの已むことなき敵意の現れとして、30年間にわたってイラン国民への制裁を続けていること、イランで多くの犠牲者を出してきた犯罪的テロリストどもを支援してきたこと、地域に緊張を引き起こしてきたこと、無条件にシオニストの犯罪者どもを支持してきたこと、そして何度もイランを武力でもって威嚇してきたことなどを挙げた上で、「過去30年間、アメリカの当局者たちはイラン国民・体制関係者たちを何度も侮辱してきた。中には、この気高く偉大なる国民を根絶やしにすることを望む者すらいた」と述べた。
イスラーム革命最高指導者は、アメリカで新たな政権が発足したことに触れ、「彼らはイランに手を差し伸べると言っているが、我々はこう言おう。もしその〔柔らかい〕ビロードの手袋の下に〔固い〕鉄の手が隠されているのであれば、そのような行動にはなんの意味も何の価値もない、と」とも語った。
アーヤトッラー・ハーメネイーはアメリカの指導者たちがイラン国民に向けて新年の祝辞を伝えてきたことについて触れ、「このような祝辞の中でさえ、イラン国民はテロリストを支持し、核兵器を追求しているなどと指摘されている。果たしてこれは祝辞なのであろうか、それとも例の非難の続きなのであろうか」と述べ、さらに次のように続けた。「アメリカで政策の決定を下しているのが実際誰なのか、我々には不明だ。大統領なのか、それとも議会なのか、はたまた裏で糸を引く黒幕が存在しているのか。いずれにしても強調しておくべきことは、イラン国民は自身に関連する問題については、合理的かつ論理的に考える国民であり、決して感情に流されることはないということである」。
同師は〔イランとアメリカの〕話し合いやアメリカ新大統領が言及している “チェンジ”というスローガンに触れ、次のように続けた。「もし本当にこれまでのレトリックがほんの少し《チェンジ》した以上のことが起きたというのであれば、イラン国民に対する敵意はなくなったのか、あなた方は〔態度で〕示さなければならない。果たしてあなた方はイランの資産に対する凍結措置を解除したのか?制裁は解除したのか?〔イランに対して〕汚名を着せ、悪意あるプロパガンダを垂れ流すような行為から手を引いたのか?シオニスト体制に対する無条件の支持を止めたというのか?」。
アーヤトッラー・ハーメネイーはその上で、「“チェンジ”は上辺だけのでまかせであったり、そこに不健全な意図があったりしてはならない。かつての目的を保持しつつ、ただ政策や戦術を変えようというのであれば、それは欺瞞でしかなく、チェンジでも何でもない。もし本当の“チェンジ”を考えているのであれば、行動で示さなければならない。いずれにしても、アメリカの当局者その他はイラン国民を欺き、あるいは脅すことなどできないということを知るべきである」と強調した。
〔後略〕
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( 翻訳者:小野彩 )
( 記事ID:16143 )