ラスムセンNATO事務総長、イスタンブルで演説、謝罪はなし
2009年04月06日付 Yeni Safak 紙
NATO事務総長であり前デンマーク首相のアンダース・フォー・ラスムセンは、期待されていた詫びを述べなかった。
同氏は、宗教のシンボルに敬意を表する必要があるというメッセージのみを送った。氏は、風刺画の危機が勃発した際に行った説明に似たかたちで表現の自由の重要性を指摘した。新NATO事務総長は以下のメッセージを述べた:「優先事項の一つは、イスラム世界との対話や関係の機会を増し、そして発展させることです。」
第2回文明間の同盟フォーラムで開会の辞の後、総会が開始した。「危機の時期に地球上の課題を設定し、文化的多様性がうまく進められるのが何故重要なのか?」というテーマの会議で、NATO事務総長アンダース・フォー・ラスムセン氏、元イラン共和国大統領ハータミー氏、イスラム会議機構(İKÖ)事務総長エクメレッディン・イフサンオール氏といった重要な人物が講演をおこなった。
フォーラムの前に、その名が最も取り上げられた人物であるアナス・フォー・ラスムセン氏は、会議で自身に割り当てられた時間で演説を行った。今朝まで滞在したホテルの部屋で倒れた結果、肩を脱臼したラスムセン氏は、包帯をして演壇にのぼった。ラスムセン氏はこの出来事について言及しながら講演を始めた。
トルコ人の医師たちともてなし好きを褒め称えたラスムセン氏は、「まずお詫びを申し上げます。NATO事務総長として選出された後の最初の会議で皆さんの前にこの格好で出ることをお詫び申し上げます。小さな事故に遭いました。残念ながら肩は脱臼しました。トルコ人の医師たちが来て助けてくれました。非常にプロフェッショナルで、高度な治療を行いました。トルコ人の大変なもてなし好きや、心遣いを感じました。親愛なる首相は医師団を誇れるものでしょう」と語った。
ラスムセン氏はこの導入の後に話題として風刺画の危機に触れた。宗教間での対話が容易かどうかという問題に対し、同氏は以下のように回答した:「重要なのは正しい均衡を探すこと。表現の自由や宗教的感情に敬意を払うことです。この件では我々には経験がありますし、経験をしてきました。私はこのように考えます。前向きで積極的な対話のため、率直かつ親密なコミュニケーションを構築することが必要です。対話の必要があります。宗教間、文化間の対話や相互の尊敬に依拠した対話の必要があります。検閲といったものは対話の敵です。偏見をふるい落とさなければなりません。隠したり、秘密にするのではありません。表現の自由は、率直かつ実のある対話のための前提条件です。私見では、長期の平和愛好的な発展を望むなら、自由に発言しなければいけません。我々全員が表現の自由を実施しなければなりません。もちろんこれを細分化、嫌悪、社会の細分化を認めない形で行う必要があります。」
ラスムセン氏は、風刺画の件を中心に持ってくるよう望んだとし、「私の態度はきわめて明瞭です。危機の前後でもそうでした。私は宗教的、民族的歴史に関わる人々を非難するものではありません。私は宗教や宗教のシンボルに敬意を感じます。風刺画が預言者ムハンマドを侮辱し、礼儀をわきまえなかったと認識しました。」と述べた。
NATO事務総長として、宗教や文化的感受性に特に注意を払うつもりであるとし、様々な社会に対する敬意を常に維持するつもりと語った。ラスムセン氏は「優先事項の一つは、イスラム世界との対話や関係の機会を増し、そして発展させることです。」と話した。
会議で演説をしたİKÖ事務総長のエクメレッディン・イフサンオール氏も、宗教間での対話の重要性を指摘した。イフサンオール氏は「東と西、イスラムと西洋世界の間にある基本的な問題は、イスラムとキリスト教との間における関係にまで及んでいます。しかし、2つの宗教の間にこれほどの類似性があるのですから…イスラムとキリスト教の間には歴史的な和解がなければなりません。文明間の同盟は、İKÖと協力すれば、多くを実現することができます。このことは皆が感じていることです。歴史的な和解をどのように我々が保障できるかを議論しなければなりません。キリスト教とユダヤ教の間にこの和解は保障されました。もしイスラムとキリスト教の間で保障されたならば、非常に重要な発展がみられるでしょう。」
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( 翻訳者:白石百合子 )
( 記事ID:16145 )