このミニスカートにだまされてはダメ・・―外国メディアのトルコ評
2009年04月08日付 Hurriyet 紙
世界のメディアでは今日もオバマ大統領のトルコ訪問に関係して、興味深い解説をしている。しかし最も興味深い記事はインディペンデント紙にあった。その記事によれば、オバマ氏に質問したミニスカートの学生を見て騙されてはいけない。この写真の裏には別の真実がある。それはトルコの田舎では世俗主義が死んでいるということだ・・・
■インディペンデント紙 「トルコの田舎では世俗主義が死んでいる」
イギリスのインディペンデント紙の記者パトリック・コックボーンはオバマ氏に関し、「大統領の歩み寄りの政策は有効だが、前任者による害を消すためには、言葉以上のものが必要だろう」という見解を述べた。コックボーン氏はイスラムに対しより理解ある態度を示すためイスタンブルは適当な場所だったと述べ、オバマ大統領の大学生とのミーティングを指して次のように続けた。
「オバマ大統領へ流暢な英語で質問したミニスカートでスカーフを被っていない女子学生たちは、現代トルコにおける世俗主義と宗教要素の間の均衡に関し、誤った印象を与えている。真実はこうだ、トルコの大都市から遠く離れた田舎では世俗主義は死につつあり、イスタンブルですら後退している。豚肉を売る肉屋は20年前に比べれば少ない。外国人旅行者以外の人が酒を確保することは、ワインに対する高い税金と食堂に適応されている高額の酒類販売許可により困難となっている。」
■ワシントン・ポスト 「オバマ大統領の穏健な外交」
ワシントン・ポストの記者キャサリン・パーカーは、「オバマの穏健な外交」という題の解説で「今、オバマの世界がある」と述べる一方、かつての大統領の一人セオドル・ルーズベルトが、外交を「愉快に話し合いましょう、でも、大きな警棒は持って」と定義した事実に触れた。パーカー氏は「オバマ大統領はトルコからイスラム世界の人々に手を伸ばす一方で、ブッシュが数え切れないほど送ったメッセージとほぼ同じことを伝えた。すなわち、アメリカはイスラムと戦争状態ではない、と。ただし、『我々の側にいないなら、敵だ』とは付け加えずに」と述べた。
オバマ氏が、自分の幼名がヒュセインであることを持ち出し、一時期、イスラム教国に暮らしていたことを語ったことは、害にならなかった」と述べる一方で、「保育所の子どもですら、最も強い者は、(強さゆえに)自分の強さをとりたてて証明する必要がないことを知っている。あなたがもし大きな犬だったなら笑うというゆとりもある。牙があることはどっちにしろ知られていることだからだ」とも述べた。
■フィナンシャル・タイムズ 「オバマはジェノサイドに関する約束を撤回しようとしている」
経済紙フィナンシャル・タイムズのコラムニストであるギデオン・ラックマンは、オバマ大統領のトルコ大国民議会(TBMM)での演説の間に述べたメッセージのうち、ごくわずかなものにしか拍手がされなかったこと、アルメニア問題に関する言葉も沈黙で迎えられたと述べ、次のように解説した。
「しかし、オバマが、過去に「アメリカは1915年の殺人をジェノサイドと呼ぼう」という呼びかけを行っていたことを考えれば、この態度は望まれる最良のものだった。数人の議員が委員会を放棄するような発言をしたとしても驚かなかっただろう。しかしオバマは大統領選挙の間は有効だったが、今となってはかなり不適当な「ジェノサイド」に関する約束を撤回しようとしている。このため必要な外装は準備されている。なぜならトルコとアルメニアは和平へ向けて進んでいるからだ。
■ニューヨーク・タイムズ 「トルコは宗教アイデンティティをめぐり、葛藤している」
アメリカのニューヨーク・タイムズ紙に掲載されたある分析では、「アメリカの利益という観点からトルコは多くの面で大きな重要性を持っている」と述べ、イラク、イランと国境を接しているトルコは、アフガニスタンにも強い影響を与えており、イスラエルとシリアの間の和平助交渉の支援もしていると指摘した。新聞は次のような見解を表明した。
「オバマ大統領はアメリカとムスリムの人々との間に築くことができる関係の例としてトルコを選ぶ一方、(トルコで)宗教と国家の間の分離がより受け入れられたものとするために圧力を加えたかのようだった。トルコは、イスラム教徒による世俗主義的な民主主義をめぐり、また、近年は特に宗教的アイデンティティをめぐり、葛藤している。レジェプ・タイイプ・エルドアン首相のルーツは、「政治的イスラム」にあり、この点が世俗的なトルコ人を不安にさせている。」
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( 翻訳者:釘田遼香 )
( 記事ID:16158 )