エジプト中央銀行、再び金利を引き下げ
2009年03月28日付 Al-Ahram 紙

■エジプト中央銀行が世界経済危機の影響への対策として金利を引き下げ
■ジャラール・アル=ゾルバ:「借り入れコストの低下により、投資の活性化と雇用機会の保護を」
■ムハンマド・アル=マスリー:「物価上昇率と金利のバランスを図ることは預金者の利益保護に必要不可欠」

2009年03月28日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP1面

【カイロ:シャリーフ・ガーバッラー、アブドゥンナーセル・アーリフ、ムハンマド・アル=スィッディーク】

一昨日、ファールーク・アル=ウクダ総裁が議長を務めたエジプト中央銀行金融政策委員会の会議で、このふた月以内で二度目となる預入と借入の金利翌日物 の引き下げが決定された。0.5パーセント引き下げて、それぞれ預入金利が10%、借入金利は12%になる見通しだ。これにより、銀行での預金にかかる金利と融資の際の借り入れコストが下がることになる。世界経済危機による悪影響を食い止め 、景気を浮揚させる策として複数の先進国でゼロ金利政策が実施される中、今回の決定はそのような世界的傾向に歩調を合わせるものだ。

中央銀行による今回の決定は、株価の上昇を期待する各銀行の頭取・実業家・企業のトップ・証券取引所の投機家等に快く迎え入れられた。銀行関係者は、金利引き下げがマクロ経済レベルで与える好影響は、家計の貯蓄への悪影響をしのぐと指摘すると同時に、預金者や少額貯蓄者が、物価上昇率以上の利子を受け取る必要性があると強調した。というのも、預金者の多くは日々の生計のために、預金金利に依存しているからだ。

金融政策委員会の発表によると、1月には14,3%であった消費者物価指数が4月には13,5%に低下、それに伴い物価上昇率も低下した。輸出開発銀行のヒシャーム・ハサン氏を筆頭とする各銀行の頭取は、金利の引き下げは融資の活発化、新たな雇用機会の増大、稼働率 の上昇、生産や公的サービスのコスト削減のほか、投資家の事業継続などに好影響を与え、経済成長率の伸長を促すだろうと明言した。さらに、エジプトとアメリカの金利差が未だプラスであることから、ドル化、つまりドルへの両替が進む危険性はないと述べた。

国立開発銀行の経営陣の一人 であるヤーセル・イスマーイール・ハサン氏は、現在の貸付金は預金高の50パーセント以下に留まっているが、金利の引き下げにより、クレジット部門の拡大が促されるだろうと述べた。

また、産業連合会のジャラール・アル=ゾルバ会長は、この決定は適切かつ積極的であり、政府の財政・金融政策を下支えして、融資を活性化すると明言した。

 しかし商工会議所連合会のムハンマド・アル=マスリー会長は、預金者が物価上昇率以上の利子を受け取れるよう、中央銀行が金利と物価上昇率の適切なバランスを見守る必要性があると訴えた。また、物価上昇率が預金金利を上回らないことを保証するような対策を採る必要性にも言及した。

金融専門家のハーニー・タウフィーク氏は、金利引き下げの決定は今日の証券取引所での取引にも好ましい形で反映されるだろうと述べた。また同氏は、この決定を正しい方向性に沿うものであり、企業の利潤レベルの引き上げにもつながるものと見ている。

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( 翻訳者:川上誠一 )
( 記事ID:16162 )