イスラエル新外相、就任早々にアナポリス合意とゴラン高原からの撤退を否定
2009年04月02日付 Al-Ahram 紙
■ ネタニヤフ新政権、発足早々に パレスチナ国家を否定
■ リーバーマン外相:「エジプトは重要なパートナー…イスラエルはゴラン高原から撤退しない」
2009年04月02日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP1面
【占領地エルサレム:通信各社】
イスラエル新政権の強行路線を反映した初声明でアヴィグドル・リーバーマン外相は、2007年11月のアナポリス和平会議での、パレスチナ国家樹立に関する合意を守る義務はイスラエルにはない、と発言した。
前外相ツィピ・リブニからの業務引継ぎの際にリーバーマン外相は、「我々が従うべき文書は一つしかない。それはアナポリス和平会議での文書ではなく、ロードマップのみである」と断言し、イスラエル政府も議会(クネセット)も、アナポリス合意を承認していないと述べた。同時にリーバーマンは、地域の安定に貢献するアラブ世界の傑出した国家であるがゆえに 、エジプトはイスラエルにとって「重要なパートナー 」だと表現し、エジプトを訪問する用意があると述べると共に、アフマド・アブルゲイト外相を含むエジプトの高官らにイスラエル訪問を呼びかけた。
また、「イスラエルは1977年以降、ゴラン高原の数倍以上の面積の領土を放棄してきたのに和平は実現されなかった」として、リーバーマン外相はゴラン高原からの撤退について否定した。
昨日、和平プロセスを多方面 で推進するため全力を尽くすよう、イスラエル大統領が新政府に要請したが、ベンヤミン・ネタニヤフ新首相はパレスチナ独立国家には言及せず、「前政権は世界の大勢が合意している2民族2国家案を採用した」とのみ指摘した。そして、新政権の前には数々の課題があるが、最も重要なのは悪とテロの枢軸の脅威からイスラエルの治安を守り、イランが核兵器を手にするのを防ぐ国際戦線を形成するといった治安問題であると述べた。
よく知られるように、2007年11月にジョージ・ブッシュ元アメリカ大統領の後援によって採択されたアナポリス宣言では、ロードマップの再開と、パレスチナとイスラエルの2国家樹立という原則を米国が採用することがうたわれていた。
一方、イスラエルのハアレツ紙が報じた世論調査によれば、イスラエル国民の大多数はネタニヤフ新政府に満足しておらず、必要以上に大きな政府でありすぎると考えていることが明らかになった。同じくイスラエル人の大多数は、リーバーマンを外相のポストにふさわしくないと考えている。
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( 翻訳者:松屋直子 )
( 記事ID:16194 )