初等教育8年次必修科目「独立の歴史とアタテュルク」教科書に修正
2009年04月21日付 Milliyet 紙

国民教育省(MEB)は、革命史の教科書にある、反動主義的活動を行った者らは「世俗主義の受容者らを宗教の敵と紹介する」という定義を削除した。

国民教育省(MEB)は初等教育8年次の教科書「革命史とアタテュルク主義」を改訂した。現在、学生が使用している教科書で、反動主義的活動を行った者らについて記載された「彼らは世俗主義の受容者らを宗教の敵と紹介する」、「彼らはアタテュルクと国家に対抗したプロパガンダを行う」という定義を掲載しなかった。第7学習単元に施された改訂により、反動主義的活動を行った者らに「理性と科学に反する活動を行い、旧秩序の復古に努める」という表現が使用された。国民教育省関係者らは、教師が新学習単元をインターネットからダウンロードし、旧学習単元に代わり今年2009年、学生に教授する予定だと伝えた。

教科書の第7学習単元でアブドゥッラー・オジャランの逮捕に関する表現の記載があることがトルコ教育組合の反発を喚起し、イルケル・バシュブー参謀総長も「我々の注目を喚起しました。調査中です」と説明した。国民教育省も批判を受けて教科書の「アタテュルク以降のトルコ:第2次世界大戦とその後」というタイトルの第7学習単元を改訂した。初等教育事務局により記述された学習単元は教育指導委員会(TTK)で検定された。同委員会が決定した学習単元は、委員会ホームページで公布された。

■ 反動主義者の定義

学習単元の各「宣教活動、分離主義的分子らの活動、反動主義的活動」というタイトルの章が更新された。現学習単元で、反動主義的活動の定義は「ある社会が有する近代的諸価値を否定し、理性と科学に反する活動を行い、旧体制の復古に努めること」と記載されている。この章では、反動主義的活動参加者らに関し以下の記載がある:

「彼らは社会における宗教や宗派の多様性を利用し、混乱の空気を醸成しようとする。この混乱をも現国家体制が引き起こしたと民衆に信じ込ませようとする。世俗主義を無神論と主張し、世俗主義の受容者らを宗教の敵として紹介する。ラジオ、テレビ、新聞、雑誌や本を介してアタテュルクと国家に対抗するプロパガンダを行う。彼らは、世俗国家の仕組みが、宗教的諸価値を過小評価していると主張する。」

この章では学生が「トルコで発生する反動主義的活動に対しいかなる対策が講じられうるか」という問いに答えることも求められている。

■ 「世俗主義」の表現はない

改訂された学習単元では、反動主義的活動という章から世俗主義の表現が削除された。この章では、「反動主義的活動を行った者らは、社会が有する近代的諸価値を否定し、理性と科学に反する行動を行い、旧体制を復古させようと努める。あらゆる発展、変化、革新に対し否定的であることが反動者の最も重要な特徴である。このような活動が、トルコ共和国建国以来、国家と国民を脅かしている」という文章が記載された。

改訂された章では、「アタテュルクは、反動主義的脅威に関して国民を以下の言葉で喚起した」と述べられ、アタテュルクの以下の発言が記載された:

「国民はとても大きな革命を成し遂げた。実に、数世紀以来、我々が順応することに慣れてきた統治形態から脱し、世界で類例のない国家を建設した。しかし、この革新が、必ずや逆行する運動を呼び起こすであろうことを忘れてはならない。これを「反動主義」と呼ぶ。我々の為したこと、得た諸成果に応じて、このような反動主義的運動が常に予期されうるのである。」
さらに、学生に向けた質問も改訂され「我々の国に向けられた分離主義的かつ破壊的な活動に対し何が行われねばならないか」とされた。

■ 2月28日が削除された

「1961-2002期」というタイトルの章で2頁を割いて説明されていた軍事クーデターは1行に削減された。現学習単元にある、「1996年の新政権は福祉党と正道党(DYP)の連立で成立した。反世俗主義的な言説や運動の増加を受け、国家安全保障評議会(MGK)は、1997年2月28日に政権に警告した」という記述が削除された。

■ 旧単元での反動主義的活動

「彼らは社会における宗教や宗派の多様性を利用し、混乱の空気を醸成しようとする。この混乱をも現国家体制が引き起こしたと民衆に信じ込ませようとする。世俗主義を無神論と主張し、世俗主義の受容者らを宗教の敵として紹介する。ラジオ、テレビ、新聞、雑誌や本を介してアタテュルクと国家に対抗するプロパガンダを行う。彼らは、世俗国家の構造が、宗教的諸価値を過小評価していると主張する。」

(略)

軍事クーデター。新学習単元では、多党制時代への移行を説明する際に、「この民主的な移行過程は、1960年3月27日、1971年5月12日、1980年9月12日に行われた軍事介入により、時折中断を被った」と説明された。

■ アルメニア解放秘密軍(ASALA)は説明されず

現学習単元における「1990年代の最も重要な事件の一つはシリアに潜伏していた破壊活動組織の首班が1999年にケニアで逮捕されトルコに連行されたことである」という記述も削除された。ビュレント・エジェヴィト元首相、スレイマン・デミレル、トゥルグト・オザル元大統領らが説明されている各章も新学習単元では扱われなかった。

新学習単元では「どうしてアルメニア人が問題なのか」という章名が「トルコ‐アルメニアの関係」に変更された。現在の章で10文で説明されているアルメニア人テロ組織ASALAは、新学習単元で取り扱われなかった。新学習単元では、ASALAについての言及がない一方、アルメニア人テロ組織がトルコ人外交官らに対して行った暗殺計画について説明された。この章では、1915年の事件についてのアルメニアの主張に関連し、トルコが公文書を公開したと伝えられた。

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( 翻訳者:藤井庸平 )
( 記事ID:16260 )