アブドラッボ氏「モスクワ和平会議開催には2国家解決案と入植活動停止への合意が必要」
2009年04月12日付 al-Hayat 紙

■ アブドラッボ氏、モスクワ和平会議開催の条件としてネタニヤフ政権が2国家解決案と入植活動停止に合意することを提示

2009年04月12日付アル=ハヤート紙(イギリス)HPアラブ世界面(東アラブ)

【ラーマッラー:本紙ムハンマド・ユーニス】

 パレスチナ解放機構(PLO)執行委員会のヤーセル・アブドラッボ事務局長は昨日(11日)、「ベンヤミン・ネタニヤフ政権がこれまでに調印された合意、入植活動の停止、2国家解決案を遵守すると表明すれば、モスクワ和平会議は今後数ヶ月のうちに開催される」と述べた。

 PLO執行委員会の週例会合直後の記者会見でアブドラッボ氏は、「PLOは昨日の会合で、『モスクワ会議が記念碑的なただの示威行為ではなく、和平プロセスの歩みの継続に向けた真に政治的な内容を持つものである』必要性について確認した」と明らかにした。マフムード・アッバース大統領は先のモスクワ訪問の際、モスクワ和平会議の開催についてロシア首脳部と話し合っている。

 同時に執行委員会はハマース(イスラーム抵抗運動)との対話を「それを阻むすべての障碍」にも拘わらず継続することを決定した。アブドラッボ事務局長は、「対話は今この瞬間に到るまで具体的な成果をあげていないが、執行委員会もアッバース大統領も、望まれる成果の達成のため、賢明かつ辛抱強い姿勢をもってあくまで対話を継続してゆく立場を堅持する」と述べた。

 そして、「パレスチナ国民対話に求められる諸課題の筆頭は国民和解内閣の樹立である。選挙準備とガザ地区復興の監督のためには、これに替わる方策はない」と述べ、「選挙の準備、ガザ地区復興作業の監督、治安機関の再建、ガザ地区でハマースが行ったクーデターのもたらした全ての影響の終結のためには、国民和解内閣が不可欠である」と付け加えた。さらに、「執行委員会は、この対話をファタハとハマースの代表の2者会合に限定せずに、対話を成功に導くためにも対話委員会の全メンバーを含む会合とするよう求めている」と続けた。

 またアブドラッボ氏は、「アメリカのジョージ・ミッチェル中東和平担当特使が近々中東地域を訪問する」と述べた。しかし、「真に懸念されているのは、イスラエル政府には、和平プロセスの権威を認め、入植活動を停止し、或いはエルサレムのイスラーム性、キリスト教性、或いは一般的にアラブ性を侵害する犯罪的な行為をやめる真剣さや意思がないということだ」「イスラエル政府がこれらの要求に従わないことに固執するならば、和平プロセスの新たな始まりなどあり得ない」と述べた。

 アブドラッボ氏はさらに、「執行委員会はヨルダン国王アブドゥッラー2世がアラブの立場を全面的に代表するため予定しているワシントン訪問について議論した」と述べ、「ヨルダン国王は私たち、そしてすべてのアラブのメッセージを携えていくだろうと私たちは確信している。そのメッセージは、現在のイスラエル政府の政策はこのまま続けば危険なものであり、問題はアラブの立場ではないということだ。アラブの立場はアラブ諸国和平案を遵守し、その履行のために必要になる全ての事柄を遵守するというものだ」と述べた。

 また、「2国家解決案を否定し、政治プロセスの開始を拒否し、中東地域での新たな戦争について云々し、入植活動やエルサレムのユダヤ化によって緊張をもたらすイスラエル側に問題があるのだ」と付け加えた。

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( 翻訳者:鈴木啓之 )
( 記事ID:16289 )