リジェでのPKKテロの詳細、次第に明らかに
2009年05月01日付 Hurriyet 紙

ディヤルバクルのリジェ郡アバル村近郊で、先日PKK(クルド労働者党)のテロリストは、武装した軍用車に100キロの爆発物を使って攻撃を仕掛け、9名の兵士を殉職させた。これらテロリストに対し、掃討作戦が継続的に行われており、クルプ、ハニ、ディジレからはジャンダルマ特別機動隊が、この戦闘地域の補強のために送られた。現場に残された軍事品の残骸から指紋が採取され、先日の攻撃は、PKKのアクダー部隊にいた12人のテロリスト・グループが行ったことが明らかとなった。

リジェのアバル村近郊で先週水曜の朝、武装した軍事要員搬送車に対して為された攻撃により、9名の兵士が殉職した。これに対する掃討作戦は、空軍の支援を得て20平方キロメートルにまで及んだ。治安部隊が最初に得た確証では、冬用基地から出てきたPKKのアクダー(リジェ郊外)部隊の12人のグループが、攻撃を仕掛けた。そしてこのグループの居場所を確定するために、夜間可視レーザー機能を持つ熱探知カメラが使用された。さらに6台のヘリコプターからなるコブラ飛行艦隊も掃討作戦に参加した。以前に降伏したPKKの党員たちが、情報としてしばしば名前を挙げていた地域に対し作戦は行われ、クルプ、ハニ、ディジレ、ゲンチ郡からはジャンダルマの特別機動隊の指令チームが、援軍として派遣されたことが明らかにされた。

軍事作戦はこの2日間で、次の地域で激しさを増している:ヘディキ山中やハサン・デエル森林地帯、マフケメ地区、ジムサク・テペ、ケルテペ、コズテペ、タパンテペの駐屯地、メルスィン・テペ、ケルミシ山峡、ホロズィヴァン山、コチマリン、バハルラル、ウチダムラル、サーギョゼ、カサン谷地域、アフティカン、ギュルディケン、ゲイキデレ、イェニヤズ、デュゼンレメ地区、コルディネ・テペ、ヤズコナウ、ゼンゲソル、ギュネシスィズなど。松や樫の木が生い茂る森林地帯が含まれることから、捜査活動は時折空軍との連携のもと実行されていることが発表された。

事件に関する捜査は、ディヤルバクルの共和国特別検察局が行っており、治安部隊が得た最初の確証では、攻撃はディヤルバクルのリジェと、ビンギョルのゲンチ郡の間に位置するアクダー地域を拠点とする12人の「殉死者ボタン・チーム」が行ったことが明らかにされた。

■指示はチャタクが出した
実行指示を出したのはエンギン・チャタク。彼は「アンドク」という無線コードを使い、この組織のアメド地区の責任者である。現在もリジェ郊外にいると考えられており、ディヤルバクルのスィルヴァン郡に住民票がある。コードネームは「ズィヤ」。
 攻撃計画を立てたのは、ハッキャーリ県ユクセコヴァ郡のアリ・イフサン・イルケ。コードネームは「アリ・ゲヴェル」でリジェ地域の責任者である。さらに彼の補佐役であるハジュ・ユジェ。コードネームは「ハムザ」でマルディンに住民登録されている。
 爆弾と装置を用意し、攻撃を実行したのは、「ルズガル・デルフスト」のコードネームをもつメフメト・ソウト、組織の特別部隊責任者で爆弾製造者の「ソロ」ことサーリヒ・カプラン、スィイルト県エルフ郡に住民登録されている「セマ」ことザヒデ・チェティンカヤ、イラン国籍の「アスラン」ことクベイト・レワンディ、チュナルに住民登録されている「アギル」ことウミット・アクギュル、スィヴェレキに住民登録されているコードネーム「デジタル・ハルン」、本名アブドゥッラヒム・デリバシュ、シリア国籍「セルクスウェブン・ラブン」ことエクレム・シェークス・アフメト、「ボタン・フラト」ことセルカン・ダルクラン、クルプに住民登録されている「デヴリム・メディヤ」ことアスィイェ・バイタル、ゲンチに住民登録されている「ジュディ・ジェスル」ことメフメト・ヤクシュル。

■爆弾はドラムの中にセットされた
PKKのテロリストが金属製のドラムの中に詰めたのは、100キロにもなるTNT、RDX軍用炸薬を使ったA-4型、C-4型のプラスチック爆弾で、硝酸アンモニウム、塩素酸カリウム、過マンガン酸カリウム、砂糖、水銀、酸化硫黄物、エチルアルコール、直径0.5mmのコルタイトという爆発しやすい火薬、テトリル、釘、鋼鉄片などで、破壊力が増強されていたことが明らかとなった。事件現場に派遣された専門家チームの実験では、使用された爆発物は、秒速7kmもの早さで吹き飛び、摩擦によって発火する特性を持ち、PKKがこれまで通常、橋脚などを吹き飛ばすなどの破壊活動で使用していた種類の爆弾であると結論づけられた。2年前、ハッキャーリ県のダールジャ交番所への奇襲に対し送られる予定だった支援軍の到着を妨害するために、(PKKによって)橋が爆破されたが、今回の爆弾はその時使用された爆弾と同じ特徴を有している。

■2つの装置
事件現場からまずわかったことは、爆発物は2つの無線と1つの携帯電話が爆破装置につながれており、仮に1つの装置が爆発すると、2つ目の装置に電流が流れるようになっていたことだ。PKKの党員たちは、アセルサン-コブラ、ヤエス、モトロラ社製の無線を、遠隔操作攻撃で用いていたが、彼らの爆破装置は周波数8のコブラ無線につながれており、装置が起動している場合、非常に敏感に反応する装置であるため、別の無線の周波数から受ける信号で、「混信」ともいえるラッチ回路により爆弾が爆発する可能性があるという。専門家たちは、爆弾が無線の爆破装置につながっているとき、電池切れ、あるいは電池が逆につながれることで、電流が切断されて、そのサイクルが完結した場合も爆発が起こりうること、あるいは装置につけられた無線の上のキーに触れることで、音が出て、その音が無線のレシーバーを通じてサイクルに信号として送られて爆発する可能性があるとしている。

■タイヤとともに埋められている
捜査責任者から得た情報によれば、遠隔操作攻撃に対する防護措置について、PKKは2つまたは3つの爆破装置を用意しており、爆弾を設置した後、彼らは安全な距離を保ちながら、攻撃の的を定め、2つの無線のラッチ回路を同時に押して、爆発を起こしているという。また捜査チームは午前中に道の端々で探知機による地雷探査・除去作業を行っているが、これに対してPKKは最近、遠隔操作爆弾をタイヤの中に入れて埋めており、そうすると探知機が反応しないという。PKK側は、PKKのリジェ攻撃に対する軍事作戦が行われるという情報を、以前から得ており、夜にこの道へ爆弾をしかけ、爆破係が朝までこの地域で待機し、かつ軍の治安部隊の無線情報を傍受している。一方で攻撃に関与して逮捕された3人の捜査が進められていることも明らかとなっている。

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( 翻訳者:杉田直子 )
( 記事ID:16339 )