ムクタダー・サドル、トルコを訪問:トルコがイラク安定の仲介役を果たすかもしれない
2009年05月03日付 Yeni Safak 紙
イラクのシーア派リーダーであるムクタダー・サドル氏が、イスタンブルでイラク人国会議員たちと一堂に会した。サドル氏とその一行は、イラク人国会議員たちと数人の代表者たちとともにマスコミ非公開の会合を行った。会合の後にサドル氏の名で会見を行ったスポークスマンは、以下の様に述べた。「われわれは、トルコを平和への調停を行ってくれる国家として見なしています。この点において要求はありませんでしたが、必要とあらば行うこともあるでしょう」
イラク占領に対する抵抗運動のシンボル的存在であるムクタダー・サドル氏は、トルコ政府との会見において「トルコがこの地域(イラク)で担っている役割を、好感を持って受け止めています。このことに関してもっと手を差し伸べてくれることを期待しています」というメッセージを伝えた。今日までイラクにおけるスンナ派やクルド、トルコマンといったグループの代表者たちを重視し、受け入れてきた政府は、昨日(2日)シーア派リーダーのサドル氏をもてなした。
厳重な隠密行動でイランからトルコへ入国したシーア派リーダーのサドル氏は、まずアブドゥッラー・ギュル共和国大統領によって歓待され、その後にレジェプ・タイイプ・エルドアン首相と会見をおこなった。アンカラでのサドル氏に示されたこの『VIP待遇』により、世界に向けて「(われわれトルコは)イラクにおけるすべての層の代表者たちとコンタクトをとっている」というメッセージを発信した。
■トルコはわれわれをひとつにまとめる
アンカラでの会見でサドル氏は、トルコが(イラク)地域で担っている役割を、皆好感をもって受け止めていることを明らかにしながら、「このことに関してもっとトルコが手を差し伸べてくれることを期待しています」という希望を抱いていることを言葉にした。この希望を前向きに捉えたギュル大統領は、以下の様に答えたと伝えられた。「イラクの統一や領土保全を重要視しています。イラクのすべてのグループとは等距離で接しています。もし要求があれば、イラクでの安定と平和、そして繁栄の保証のために、喜んで手を差し伸べます」
■記者の前には出てこなかった
サドル氏とその一行は、イラク人国会議員と数人の代表者たちと非公開の会合を行った。会合終了後もムクタダー・サドル氏は、記者たちの前には現れなかった。サドル氏の名で記者会見を行ったスポークスマンのサッラー・ウベイディ氏は、サドル氏があと2日間イスタンブルで滞在し、イラク人国会議員たちと共にイラクの人々のためにどのような更なる貢献ができるのか話し合う予定であると伝えた。さらにウベイディ氏は以下の様に述べた。「この地域にはあらゆる種類の経済的、政治的、そして文化的な抵抗運動があります。サドル氏の決定により、我々は武装抵抗を止めました。イラク兵に決して銃口を向けるつもりはありません。しかし、われわれは抵抗運動を続けます。われわれはトルコを、平和への調停を行ってくれる国家として見なしています。この点で要求はしていませんが、必要とあらば要求をおこなうこともあり得るでしょう」
■サドル氏の国会議員たちはラマダに集まった
アンカラでの会見の後、その前夜からイスタンブルに来ていたシーア派リーダーであるサドル氏は、夜をコンラドホテルにて過ごした。同氏は昨日2日の早朝に、イラクの国会議員30名とともにカヤ・ラマダホテルで会合を行った。会合での話題についての公表は行われなかった一方で、サドル氏のスポークスマンであるウベイディ氏は、この会合のためイスタンブルを最も適した場所と考えたことを明らかにしつつ、「われわれの目的は、イラク国民に奉仕することです。トルコはよき友人です。トルコを信頼し、遠慮することなくトルコで行動している」と話した。さらに同氏は、なぜアメリカ人の客が多いホテルであるコンラドホテルを選んだのかという質問に対して、「あそこはトルコ人のホテルであり、トルコのホテルです。第一、これがわれわれの初めてのトルコ訪問なのです」と述べた。
■「トルコは古くからの友人」
記者の質問に答えながら言葉を続けるサッラー・ウベイディ氏は、さらに以下の様に述べた。「ムクタダー・サドル氏は、現在イラクで死刑判決を受けて指名手配されています。しかし今現在、彼はトルコで望むままに生きています。トルコはわれわれのとても古い友人です。この点からも全く不安はありません」
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( 翻訳者:指宿美穂 )
( 記事ID:16348 )