原理派、アフマディーネジャード支持へ向け活動を本格化
2009年05月03日付 E'temad-e Melli 紙

サマレ=ハーシェミー前大統領顧問がアフマディーネジャード選挙本部長に就任し、また《イマームと最高指導者の路線を支持する戦線》が現大統領への支持を表明してから約10日、アフマディーネジャード支持に向けた各選挙事務所の活動が本格化している。

 《イマームと最高指導者の路線を支持する戦線》のスポークスマンを務めるキャマール・サッジャーディー氏は昨日、あるインタビューのなかでアフマディーネジャード氏を支持するための選挙事務所が同戦線内に立ち上げられたことを明らかにした。

 サッジャーディー氏は同戦線の中央評議会で、アフマディーネジャード選挙事務所立ち上げの決定が下されたことに言及した上で、「この事務所はテヘラン及び各地方での活動を今後開始する予定であり、この件に関する方策もすでに練られている」と述べた。

 サッジャーディー氏は同戦線の選挙本部長を誰が務めるのかについては発言を控えつつ、第10期大統領選挙では現大統領を支持することで原理派が一つにまとまることが必要だと強調する。「国の政治状況を鑑みるならば、原理派が最大限の団結を確保し、次期大統領選で勝利を収めるためには、原理派統一戦線〔という仕組み〕の可能性を活用することが必要だと、われわれは信じている。原理派統一戦線が第8期国会選挙で良好な結果を勝ち取ったことから、この戦線が新たな仕組みのもとで〔再度〕組織化されることが適当だ」。

 「闘う宗教指導者協会」と「ゴム神学校講師協会」の二団体も、選挙へ向けた自らの立場を徐々に明らかにする方向に進んでいる。〔闘う宗教指導者協会の〕メスバーヒー=モガッダム師は、《イマームと最高指導者の路線を支持する戦線》が支持する候補者を、「闘う宗教指導者協会」も支持することになるのかどうかについては、肯定も否定もせずに、次のように述べている。「闘う宗教指導者協会の会員たちは、アフマディーネジャードの後ろを空にし〔=アフマディーネジャードを支持せずに〕、同氏のライバルの後ろにつく、ということを考えているわけではない。今後、アフマディーネジャード氏〔を公式に支持するかどうか〕に関し、闘う宗教指導者協会中央評議会の会合で再度投票を行うこともありうる」。

 とはいえ、メスバーヒー=モガッダム師は同協会内にアフマディーネジャード大統領の政権運営に対する深刻な批判の声があることを隠そうとはしていない。「われわれの友人たちの中には、アフマディーネジャード氏の政権運営に強い不満を持っている人もいるかもしれないが、しかし同氏をパスする〔=無視する、排除する〕ことを考えているわけでは決してない。同氏のマクロな政策は受け容れられている。ただ、一部の政権運営に対して批判の声があるということであって、同氏のマクロな政策が受け容れられていないということではない」。

 闘う宗教指導者協会はミール・ホセイン・ムーサヴィー氏を支持するのではないかとする噂も取り沙汰されているが、これに関しメスバーヒー=モガッダム師は、同協会がムーサヴィー氏について投票を行ったことはないとして、次のように述べた。「アフマディーネジャード氏に関して行われた最初の投票では、《沈黙》か《支持》かの二つの選択肢が与えられ、10人が《沈黙》を、13人が《支持》を選んだ」。

 他方、ゴム神学校講師協会もいまだ、アフマディーネジャード支持を正式に発表していない。同協会の第四回地方大会での声明では、選挙に盛大に参加し、善良なる人物に投票するよう国民に呼びかけるにとどまっている。しかしメスバーフ=ヤズディーに近いある人物は、エッテマーデ・メッリー紙に「聞いたところでは、講師協会は過半数がアフマディーネジャード氏〔の擁立〕に票を投じたとのことである」と明かしている。それによると、講師協会の委員26名中、19名がアフマディーネジャードに票を投じたとのことだが、しかし公式な声明はいまだ発表されていない。

 「アフマディーネジャード支持者人民本部」(通称メフルヴァルズィー〔=「愛情をかけること」の意〕)も、自らの選挙活動を開始している。この事務所を指導しているのはホセイン・サイディーという人物だが、1384年〔2005年〕の選挙でアフマディーネジャード選挙事務所で活動していた人々にとって、彼は未知の存在である。

 サイディー氏は、青年結婚促進事業で先頭に立って活動した経歴を有し、「メフルヴァルズィー・セレモニー協会」理事長や「スポーツ慈善会議」議長などを務め、『若者の権利』なる著書をものしたこともある人物。彼が主宰するこの選挙事務所は、アフマディーネジャード氏を支持するための式典をこれまで複数回開催している。

 他方、アフマディーネジャード選挙本部をめぐっては、相矛盾する情報が流れている。アフマディーネジャードに近い一部の人物らは、、バズルパーシュ氏〔元大統領顧問〕が「アフマディーネジャードを支持する青年本部」の本部長に就任したと伝える一方で、キャルホル氏〔メディア担当大統領顧問〕の病気のためバズルパーシュ氏がアフマディーネジャード選挙本部の広報責任者になったと伝える情報もある。これらの噂はいずれも確認されていないが、少なくとも確実なのは、アフマディーネジャード支持者らのグループの活動が本格化し始めた、ということである。ただし、これらのグループに参加しているメンバーらの氏名については、いまだ公表されていない。

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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:16353 )