宗務庁、「礼拝中に殺された人は殉教者」
2009年05月05日付 Zaman 紙

宗務庁宗務高等機構のメンバーであるメフメト・ケスキン氏は、マルディンで44名の死をもって終わった事件に関して、「これらは非人道的、反宗教的な行為だ」と述べた。

ケスキン氏は、事件の際に数人が礼拝中に殺害されたことに触れ、この人たちは殉教者と見なされると伝えた。
宗務庁宗務高等機構のメンバーであるメフメト・ケスキン教授は、CİHAN通信社に行った会見で、イスラム教が人々の命を大いに重視していること、人が不可侵であることを述べた。
ケスキン氏は、預言者ムハンマドが、大罪を「多神教崇拝(シルク)、殺人、両親への無礼行為」と列挙していると述べ、「預言者は、不当な殺人を、多神教崇拝に相当する大罪に属するとしている」と話した。
ケスキン氏は、預言者ムハンマドが戦争に向かう兵士たちに、「戦争に向かったら、女性、子供、宗教家、寺院で礼拝に勤しむ者たちの邪魔をしてはならない。お前たちに武器で報復する者や、お前たちに攻撃してくる者たちと戦いなさい」と説明したことを述べた。

ケスキン氏はイスラム教が、愛と平和の宗教であると強調し、以下のように述べた:
「イスラムは慈愛の宗教である。人を苦しめることを許さない宗教である。法の想定する状況や戦争以外のいかなる理由を以ってしても、慣習の名の下で、復讐の名の下で殺人を犯すことは、イスラムでは大罪と見なしている。名誉殺人や、これに関連した伝統に基づく理由での殺人、虐殺(ご存知のように、45名以上の人々が殺害されました)は、イスラムの、また人類が断じて認めることのない残虐行為である。いかなる名の下であれ、このような殺人は、コーランや、預言者のスンナにおいて断じて認められることはない。これらは非人道的、反宗教的な行為だ。」

ケスキン氏は、事件で、ハジュ・オザンという、村のイマームも死亡したことに言及し、「礼拝中に、アッラーと一対一で、アッラーと交信状態にある人々を挑発すること、彼らを殺害することは大罪である」と述べた。

ケスキン氏は、無防備な状態で礼拝中に殺害された人々が殉教者と見なされるという。
イスラム教では、殉教は真の殉教と法的殉教に分類されるといい、「真の殉教者はイスラムの敵や祖国の敵に対して行われた戦争で戦死したムスリム兵に対して呼ばれる。例えば大疫病の死亡者、瓦礫で生き埋めになった人々、礼拝中に殺害された人々に対しては法的殉教者と呼ばれている」と話した。

■ マルディンの惨劇を目にした村人が語る

マルディンのマズダー郡に属するビルゲ村で44人の民間人の殺害を目撃した村人たちは「戦慄の瞬間を」語った。
昨日(5月4日)夕方の21時頃発生した事件は、ビルゲ村のジェミル・チェレビ前村長の娘であるセヴギ・チェレビさん(20)と母方の叔母の息子のハビブ・アルさん(20)の結婚式の最中に起こった。依然身元不明で、顔に覆面をした者らによる長拳銃での襲撃で結婚式にきていた老若男女合わせて44人が亡くなった。死亡者の中には花嫁セヴギ・ゲリンさんと花婿ハビップ・アルさん、新赴任したアンカラ出身の若いイマームもいる。

襲撃の理由は依然未明である。セヴギ・チェレビさんに、以前、同じ村の父方の叔父の息子が求婚を迫ったが、彼女の家族は彼らに娘を渡さず母方の叔母の息子と婚約させたことが明らかになっている。襲撃理由で8名が逮捕されたことが分かった。村人たちは、治安部隊が事件後2時間でやって来たと述べている。
村人たちは「あたり一面が死体だった、娘の問題ではない、確執はなかった」と語っている。

■ 村には約100人が生活

15戸のビルゲ村には約100人が生活している。高い丘に築かれた村の下には平野がある。村の背面部は山岳地帯に.延びている。村を夕方2,3名の自警兵が守っている。1990年代にPKKの強襲を受けたこの村で6名の自警兵が殺害されている。2年前には村にやって来た2名のテロリストが自警兵らによって殺害されたと伝えられている。

■ 大虐殺の原因は結婚問題

マルディンのマズダーに属するビルゲ村の結婚式にいた人々を武器で襲撃した者らは、婚約したセヴギ・チェレビさんを村の彼らの親戚と結婚させることを望んだが、その要求が実現されず、彼女が別の人と結婚することになったのを受け、事件が起きたと伝えられた。
襲撃に関して8名が武器を所持した状態で逮捕された。殺害された人々の身元が明らかにされている。死亡者のなかに花嫁と花婿もいた。事件の後で内務相と数名の大臣が現地へ向かった。

■ どうして結婚問題なのか?

AA通信が取材したビルギ村の数名の住人は、昨日5月4日の夕方起こった武装攻撃を行った者らが、結婚式を執り行なったセヴギ・チェレビさんと彼らの親戚との結婚を要求し、この要求が彼女の家族に認められなかったと述べている。村の住民は、以下のように語った:

「襲撃者らの一家と花婿のアル一家との間には20年前に確執がありました。襲撃者らは、これを理由にセヴギ・チェレビさんとハビップ・アルさんとの結婚に反対していました。この問題で以前、襲撃者らの家族と花婿の家族の間で口論があったことを知りました。これが襲撃事件の理由だと考えています」

■ 襲撃に関して8名が武器を所持した状態で逮捕された

ベシル・アタライ内務相は、マルディンのマズダー郡のビルゲ村での武装襲撃事件に関して8名が逮捕されたと公表した。

アタライ内務相は、サドゥッラー・エルギン法務相と共にマルディンへ向かう前にエセンボア空港で行った記者会見で、昨日5月4日にマルディンのマズダー郡のビルギ村で夕方20時30分頃にチェレビ家の結婚式が行われている最中にあるグループによる武力襲撃が起こったと伝えた。
アタライ内務相は、この武器を用いた襲撃の結果、子供6名、女性16名を含む計44名の住民が死亡したと伝え、以下のように続けた:

「住民3名が負傷しています。負傷者のうち2名はディヤルバクルで、1名はマルディンで治療を受けています。事件からしばらくして治安部隊が迅速に事件現場に移動しました。多数の救急車が派遣されました。医療部門が動員されました。全医師らがマルディンとディヤルバクルから召集されました。事件現場に共和国検事、行政担当官ら、ジャンダルマ地方司令官とその他の関係者らは移動し赴き、必要な作業が開始されました。

我々は事件のすぐ後で当件に関する情報を得ました。首相は中央執行委員会(MYK)会議におりました。私は首相に情報をお伝えしました。関係同僚ら、警察本部長、ジャンダルマ司令官を召喚し、一晩中、必要指示を伝えました。共和国検事は事件の調査に取り掛かりました」
アタライ内務相は、一晩中、行われた取り組みの結果、証人らの証言に基づき事件の犯人と判断された8名が現在、武器を所持した状態でジャンダルマに逮捕されたと述べた。

■ 村の家族間での不和と確執

アタライ内務相は、行われた捜査の必要に準じて司法当局により事件現場への出入りに規制が設けられたと述べ、「厳戒態勢はなお続いております。調査ははじまったばかりですが、村内部での家族間の不和と確執の結果、発展した事件と判断されております。当件の調査は現在も継続しております。明確な表現は使用したくありません」と話した。

アタライ内務相は、サドゥッラー・エルギン法務相、マルディン選出議員らと共に現地へ向かったと述べ、以下のように続けた:
「農業村務大臣もディヤルバクルから我々に加わります。我々は事件現場で調査を行い、情報を入手します。同時に、国民の痛みを共有します。お悔やみの勤めを行います。痛ましい事件です、我々は子供や女性も含む罪もない人々、多くの人々を失いました。冥福を祈ります。全ての近親者の方々、国民に追悼の意を述べます」
アタライ内務相は、逮捕者に関するある質問を受け、「全員、この村出身で、その中には別の苗字もありますが、大半、お気の毒ですが死亡者と現在、実行犯として逮捕されている者らのほとんどが同じ苗字です」と述べた。

■死亡者25名の名前が判明した

マルディンのマズダー郡に属するビルギ村の襲撃で残虐にも殺害された44名のうちの身元判明者...マルディンのマズダー郡の武力襲撃の死亡者の名前が公表された。事件の死亡者は以下の通り:
アブドゥッラー・チェレビ、シュキリイェ・チェレビ、エミネ・チェレビ、ヒュセイン・チェレビ、ゼキイェ・チェレビ、アブドゥルヴァハプ・チェレビ、ジェミル・チェレビ、ハジュ・アブデュルカーディル・チェレビ、ハジュ・メフメト・チェレビ、ケナン・チェレビ、セヴギ・チェレビ、ミトハト・アル、アリー・チェレビ、ジェミル・チェレビ、アビデ・アクギュル、オルハン・アクギュル、チェルセフ・アクギュル、ハリメ・チェレビ、ハジュ・キャーズム・ボザン、シュクリュ・チェレビ、ラフサン・アル、チェリン・チェレビ、シュクラン・チェレビ、メフメト・チェレビ、ムラト・チェレビ、サヴァシュ・チェレビ、ハリル・チェレビ、サーリフ・チェレビ、アリフェ・チェレビ、ユルドゥズ・チェレビ、カフィイェ・アル、ムヒッティン・チェレビ、マルフ・アクギュル、セミハ・チェレビ、シェイフムス・チェレビ、ファスィフ・チェレビ、シェイリ・チェレビ、ネリマン・チェレビ、セヴィム・チェレビ、ヤセミン・チェレビと身元不明者2名。

■花嫁、花婿、そして村のイマームも亡くなった

マルディンのマズダー郡に属するビルギ村の結婚式場で起こった武力襲撃での死亡者の中には、花嫁のセヴギ・チェレビさん、花婿のハビプ・アルさん、村のイマームであるキャーズム・オザン氏もいたと伝えられた。

ビルゲ村の前村長であるジェミル・チェレビ氏の娘セヴギ・チェレビさんとディヤルバクル在住の従兄弟である花婿のハビプ・アルさんは、昨日5月4日の夕方ごろ、親戚の参加をえて、めでたい日を一緒に祝っていた。依然身元不明の「汚れた手」は、セヴギ・チェレビさんとハビプ・アルさんの結婚記念日を血の湖に変えた。その襲撃で花嫁のセヴギ・チェレビさんと、花婿のハビプ・アルさん、花婿の母カフィ・アルさん、花婿の妹である4歳のルケン・アルちゃん(4)、家にいた村のイマームであるキャーズム・オザン氏も命を失った。襲撃で花婿と花嫁の親戚40名が死亡した。

■寝過ごして結婚式場に行けなかった

一方、約4年間、ビルギ村で教師をしているサードゥク・アクブルト氏は、招待されていた結婚式に寝坊した赴けず、このおかげで死を免れた。AA通信と電話で会見した教師の妻ベディア・アクブルトさんは、村の社宅に住んでおり、事件の時に在宅中であったことを伝え、以下のように語った:

「私たちは長い間、この職にあるので村人たちともとても親密です。チェレビ一家は、私たちも結婚式に招待していました。しかし夫は休息にと横になり、眠り込んでしまいました。私も彼を起こしたくなかったので私たちは結婚式には行けませんでした。

21時ごろ、銃声を聞き、目を覚ました夫はすぐに電気を消しました。とても激しい銃声を聞きました。
その後、銃声が消えました。外に出たとき、チェレビ一家の家が襲撃され、とても多くの人が亡くなったことが分かりました。村の全員はとても大きな恐怖を経験しています。私たちが経験したことが信じられません。私たちは襲撃者を見ませんでした。村人の数人が、襲撃者を見たことを、4人で顔に覆面をしていたといっています。」

アクブルト氏は、村の男性全員が襲撃後、マルディンの病院に向い、このため村には女性と子供しかいなかったと述べ、「一軒の家に集まった女性たちは故人を嘆き悲しんでいます」と語った。

一方、マルディン県庁所在地まで約25キロ離れているビルギ村の入り口では事件後、ジャンダルマ部隊により取られた厳戒態勢が継続している。事態を追跡するため、ディヤルバクルとマルディンから来た新聞記者らは村まで500mの距離まで接近することが治安部隊により許可された。

■アクギュル郡長:襲撃はテロ事件ではない

マルディンのマズダー郡の郡知事であるアイタチュ・アクギュル氏は、村で行われた武装襲撃がテロ事件でないと述べた。マズダー郡のアイタチュ・アクギュル郡知事は、AA通信に対して行った記者会見で、同郡に属するビルゲ村の結婚式に対し依然身元不明の数名によって行われた武装攻撃に関する捜査が多角的に進められていると伝えた。

アクギュル氏は専門家チームが調査を継続していると述べ、以下のように語った:
「襲撃がテロ事件ではないことはほぼ確定的です。事件では爆弾は使用されず、長拳銃が使用されたそうです。襲撃者らの逮捕のため開始された作戦行動は継続しています。襲撃者らは依然逮捕されていません。事件で負傷した1名はマルディン国立病院で、2名はディヤルバクルで治療を受けています。」

アクギュル郡知事は、事件の死亡者らの遺体が検死のため、マルディン国立病院に移送されたと付け加えた。

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( 翻訳者:藤井庸平 )
( 記事ID:16374 )