歌手ビュレント・エルソイを激怒させたギュナイ文化相の問題発言
2009年05月09日付 Radikal 紙

大きな議論を呼びそうなコメントをエルトゥールル・ギュナイ文化相が残した。ギュナイ文化相は「ゼキ・ミュレンはトルコで最高の男性歌手だ。ビュレント・エルソイは最高の女性歌手に選ばれたようだが、そんなばかげた時代は過ぎた」と発言した。この発言を受けてビュレント・エルソイから早速厳しい反応があり、歌手のエルソイがヴァタン紙のインタビューに答えた。

エルトゥールル・ギュナイ文化観光相は、80年代というテーマが扱われた第十二回空飛ぶほうき国際女性映画祭に一昨日晩に参加した。ギュナイ文化観光相はここでのスピーチで、名指しにこそしなかったものの第7代大統領ケナン・エヴレン氏を激しく非難した。

ギュナイ氏は、同夜の司会をつとめたロジン氏が「(1980年)9月12日のクーデーター時代に私の父と兄弟が連行されたのが記憶に刻み込まれている。今やクーデーターの主役の将軍は画家と思われている」と発言した後に壇上に上がった。

■ いまだに拍手を受けかねない

同相は「80年代は、トルコは大きな罠にはまり巨大な空洞に落ちた。そして今でもそこから出るためにもがいているもっとも暗い時代だった」と述べたあと、次のように続けた。

「さきほど親愛なるロジン氏はこのように言った。我々はクーデーターの指導者が世界のほかの国では殺人犯として扱われているのに、我が国では画家や芸術家と扱われている状況です。他の国では裁判から逃れるためにもうろくした振りをするのに、我が国ではいまだに拍手を受けかねない。こうしたことにつき、我が国は、自分たち自身で、良心に照らし清算しなくてはならない。」

このとき会場から「おまえの大統領も認めただろう」と声が上がった。それに対しギュナイ文化観光相は「承認しなかった者がどこにいるのだ。私はただ真実を述べたまでだ」と答えた。

トルコ放送6チャンネルを去るにあたって大きな議論を巻き起こしたロジンは、トルコ放送2チャンネルの夜の放送で再びトルコ放送の画面に登場した。

■ ゼキ・ミュレン対ビュレント・エルソイ

ギュナイ文化観光相は、「おおくの嘘をみてきた。私はある年のことを思い出したよ。ゼキ・ミュレンはトルコで最高男性歌手だ。そしてビュレント・エルソイは最高の女性歌手に選ばれたようだが、そんなばかげた、わざとらしいものによって世間の人々の頭を混乱させる時代はもう終わったのだ」と述べた。

■ ビュレント・エルソイからの答え

ギュナイ文化・観光相の発言を受けてビュレント・エルソイは厳しい反応を見せ、次のように説明した。

「トルコ共和国のような、多くの人がアタテュルクの考え方を支持するこの国で、その文化観光省で職についておられる親愛なる大臣殿が今回のような過激な表現をなさるお考えをお持ちなのに非常に違和感を覚えます。というのも、ご自身に思い浮かべていただきたいのは、何にも増して人は人であることに加え、音楽やその演者には言語、宗教、民族、性もなく、肝心なのは音楽そのものだということです。

また、アッラーに近しい熱心な篤信家だとご自身を考えている親愛なるギュナイ文化相には、メヴラーナ・ジェラレッディンの『あなたが誰であったとしても再び訪れよ』という考えも思い出してほしいと思います。故ゼキ・ミュレンさんとわたくしは、トルコのまぎれもない、認知された第一人者なのです。これについては決して黙ってはいられません。さらにトルコ共和国が故ゼキ・ミュレンさんには青色の身分証を、わたくしにはピンク色の身分証を与えました。このため、その色に相応な名誉を得ることとなりました。それより自然なことがどこにあるでしょうか。これを与えたのはほかでもないトルコ共和国自身です。したがってトルコ共和国の文化を保護する立場にあられる親愛なるギュナイ相が、もしこの状況に関わっておいでならば、早急に辞任し早期に和解することをわたくしの方から敬意をこめておすすめいたします。」

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( 翻訳者:原田星来 )
( 記事ID:16402 )