極右グループのプロ・ケルンが主催した「反イスラム会議」と、このグループに反対して行われたデモが、都市ケルンを混乱させた。通りでは衝突も起きた。
ドイツの都市ケルンで、モスクの建設に反対する極右グループ「プロ・ケルン」が行った「反イスラム会議」には関心が寄せられなかった一方で、このグループに反対して行われたデモには、何千人もの市民が参加した。
ケルンのドイツ街区では朝から、オーストリアやアメリカ、フランス、イタリアといった国々から集まってきた約350人以上の極右集団がその会議に参加した。極右集団は、イスラム世界で大きな反発を招いた、預言者ムハンマドの風刺画を描いた横断幕を掲げた。警察によって周囲を囲まれた状態で、極右集団はデモを行っていたが、そこにいくつかの左翼集団が流れ込んだ結果、いたる所で衝突が起きた。
ケルンのライン川をはさんだ対岸にあるホイマルクト広場では、何千人ものケルン市民が集まり、「プロ・ケルン」と極右集団に対して抗議した。
ドイツ労働総同盟(DGB)とトルコ・イスラム宗務連合(DİTİB)の代表者たちや、フォードの労働者たち、そして教会関係者たちも参加したこの抗議デモで、演説を行ったケルン市長のフリッツ・シュラマ氏は、「われわれの民主主義は強力である。「プロ・ケルン」が何を行おうとしても、常に彼らに抵抗する」と述べた。
また同氏は、極右集団がケルンの寛容な伝統を壊すことはできないとし、彼らが歴史から全く何も学ぶことができていないと述べた。
「プロ・ケルン」集団に、子どもたちや若者たち(を勧誘すること)から手を引くよう求める同氏は、「さあ駅へ、さあ門へ、早く出ていってくれ」と話した。
更に同氏は、いくつかの左派集団の強い同調的な態度をも認めないと述べた。
また、緑の党の前共同党首であり、欧州議会の選挙において議員候補者であるラインハルト・ビュティコファー氏も、ベルリンでの党大会を欠席してケルンに来たことを明らかにしつつ、以下の様に述べた。「緑の党として、ケルン市民と結束します。われわれは、この美しい都市に極右が存在するのを望みません。われわれ民主主義者は、マイノリティーを常に守らなければなりません。ユダヤ教徒たちが嫌われていたら、われわれはユダヤ教徒たちの側に立ちます。ムスリムたちが標的にされていたら、われわれはムスリムたちの側に立ちます。彼らを守らなければ、名誉を失ってしまいます」
ホイマルクト広場での集会の後に、この一団は、厳重な警備の下でデモ行進へと移り、ライン川に架かるドイツ橋からケルンの反対側へ移動し、もう一つの大きな集会へ参加した。
ここで演説を行った社会民主党(SDP)のドイツ連邦議会議員であるラーレ・アクギュン氏は、極右集団「プロ・ケルン」が市民に威嚇や脅しをおこなったり、都市ケルンに自分たちの存在を示そうとしていることを述べつつ、以下の様に話した。「しかし、彼らはその望みを達成できないでしょう。彼らが望むなら何度でもすればいい、それらすべてに抵抗します。我々は怖気づいたりしません」
デモと集会では、「ムスリムはここにいる、彼らの故郷に」や「ムスリムに対する反感をなくそう」といった横断幕が掲げられた。
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( 翻訳者:指宿美穂 )
( 記事ID:16407 )