米国が初めてイスラエルにNPT加盟を呼びかけるも、イスラエルは拒否
2009年05月07日付 Al-Ahram 紙

■アメリカがイスラエルに核不拡散条約加盟を呼びかけるも、イスラエルは拒否
■エジプト:「アメリカの立場は重要な進展を遂げた」「イスラエルに条約加盟を呼びかけたことは前向きな動きだ」

2009年05月07日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP1面

【世界各国の首都:諸通信社、カイロ:サラ・ワファイー】

アメリカは昨日イスラエルに対し、初めて核不拡散条約(NPT)への加盟を呼びかけた。米国務省のローズ・ゴットミューラー次官補 が「核不拡散条約の国際的遵守は、米国にとって基本目標である」と発言したのである。しかしイスラエルはこの米によるNPT加盟への呼びかけを即刻拒否し、この条約は無益だとの見方を示した。

アメリカ・イスラエル間でこうしたやりとりが行われていた頃、バラク・オバマ米大統領はイスラエルのシモン・ペレス大統領 と、イランの脅威について協議する会合をワシントンで行っていた。この呼びかけに対するイスラエルの返答は即時かつ断定的なものであった。イスラエルのイディオット・アハロノート紙はこの呼びかけについて、「アメリカからの爆弾のようなもの 」だと評し、公的な立場にある米の高官がイスラエルの核戦力に明確に言及するのはこれが初めてであると指摘した。

イスラエル外務省のある高官は匿名で、「この条約は有益性を欠いていることが証明されている。というのは、この条約はイランとその核危機は言うに及ばす、インド、パキスタン、北朝鮮のような国が核を保有するのを禁止できていないからだ。現時点ではこの条約に、世界の核の状況にわずかでも変化をもたらすことができる ような利点はみとめられない」と語った。そして、ゴットミューラー次官補の声明は、現時点では米国の政策転換を意味するわけではないと指摘した。

一方、本紙との単独会見で、エジプト外務省のフサーム・ザキー公式報道官は以下のように述べた。「米政府高官の声明内容 は、この条約が国際的に受け入れられること の必要性を確認するもので 、米国の立場の重要な進展とみなしうる。しかし同時に、この件については詳細な検討 が必要だ。というのも、条約の加盟国は5つの核保有国と、残る非保有国とに分けられており、条約に参加していない国々が加盟するに際しては、法の枠外でそれらの国々が獲得してきた利益が追認されないようにするべきだからだ」。

そして同報道官は、「NPTの国際化とイスラエルの加盟に関する〔米高官の〕発言は、長年にわたって条約に加盟し、その規定を遵守してきた国々の権利を利するような、あるべき土台の上に成り立っているのであれば、前向きなものだ」と述べた。

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( 翻訳者:在間咲野 )
( 記事ID:16424 )