エジプトのイスラーム集団がアル=カーイダに米新政権との対話を呼びかけ
2009年05月13日付 al-Quds al-Arabi 紙

■ エジプトのイスラーム集団、イランと同様にオバマ氏と交渉するよう「アル=カーイダ」に要求

2009年05月13日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面

【カイロ:フサーム・アブー・ターリブ(本紙)】

 イスラーム集団(ガマーア・イスラーミーヤ)がアル=カーイダに対してアメリカ政府との古い対立を乗り越えるよう呼びかける声明を発表し、政界を驚かせている。同声明はまた、アメリカのオバマ新大統領の登場という機会を活かして緊張緩和の端緒とし、正義と寛容と、権利を有する人々が権利を獲得しうるような価値観の支配する新たな現実の構築に努めるよう呼びかけている。

 また声明はアル=カーイダに、アメリカ新政権との対話のチャンネルを開き、「今日の友となり得る」オバマ大統領のエジプト訪問という機会を活かし、オバマ大統領の訪問とイスラーム世界に向けた演説を歓迎するよう呼びかけている。

 声明では、イスラーム集団がこの訪問に関心を示しているのは、それが今後の展開を見守ってゆくに値する出来事だと考えているからだと述べられている。また、オバマ大統領については「今日までの発言を見る限り、イスラーム世界に対してバランスのとれた立場をとっており評価できる。近いうちに具体的な結果が出ることを期待している」と述べている。

 そして、「ジョージ・ブッシュがいかなる正当な根拠もなくでっち上げた文明の衝突の愚行を食い止めるために彼が行った過去100日間にわたる努力を評価する。この愚行は、アメリカ合衆国自体に根本的なダメージをもたらした」と付け加えた。

 イスラーム集団の声明は、「イスラーム運動として我々こそ、アメリカ大統領のイスラーム世界との和解に向けたイニシアティヴを受け入れなければならない。我々こそ、彼と歩み寄るために動かなければならない」と指摘した。

 そして、「変化を望み、イスラーム世界とのバランスのとれた関係を望み、対話の門を開く事を望むオバマ大統領の呼びかけや動きは、一方的に繰り返されるだけでは意味がない。イスラーム運動が諸国家に先んじて早急に応えなければならないのだ」と付け加えるとともに、アメリカで収監されているウマル・アブドゥッラフマーン師の釈放をオバマ大統領に呼びかけた。

 また声明は、エジプトのイスラーム集団の経験を踏まえ、同組織の思想的、法学的な理論見直し作業の詳細について知り、イスラーム集団の指導者であるアブドゥッラフマーン師がこの見直しを奨励、支援し、その達成に果たした役割を認識するようオバマ大統領に呼びかけている。

 声明文には、オバマ大統領のエジプト訪問が良い結果に終わるための条件が記されている。イスラーム集団の見解によればそれは、「アメリカ大統領がパレスチナ、イラク、アフガニスタンのイスラーム教徒人民への抑圧をなくすよう働きかけ、イスラエルがガザ地区封鎖を解除するよう圧力をかけ、エルサレムのユダヤ化を停止させ、アル=アクサー・モスク構内への侵害行為を止めさせ、アブドゥッラフマーン師を解放すること」だという。

 イスラーム集団評議会のナージフ・イブラヒーム副議長は「アル=アラビーヤ・ネット」のインタビューに応え、声明の内容と意図について、「アル=カーイダは、アメリカ新大統領のイスラーム世界に対する姿勢と動きに最も関心を持って」おり、「アル=カーイダの指導部は、国家の立場や政策は変わるものだということを知るべきだ。昨日の敵は今日の友、今日の友は明日の敵になるかも知れないのだ」と述べた。

 また同副議長は、その実例としてイランの場合に言及し、同国が早急にオバマ大統領のイニシアティヴに早急に応えて和解を提示したことを指摘し、「オバマ大統領の存在によってもたらされる新しい状況の下で、将来イランが様々な分野で得る利益は想像に難くない」と述べた。そして、「イスラーム運動は誰よりも、国際的現実や世界レベルで起きている変化を理解した上で行動し、決定を下さなければならない」と述べた。

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( 翻訳者:梶田知子 )
( 記事ID:16497 )