ローマ教皇、キャンプを訪問しパレスチナ難民との連帯を表明
2009年05月14日付 al-Quds al-Arabi 紙

■ 教皇、故郷への帰還を切望するパレスチナ人との連帯を表明
■ 分離壁の撤去を希望し、帰還権への支持をほのめかす

2009年05月14日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面

【ベツレヘム:本紙ワリード・アワド】

昨日水曜日、ローマ教皇ベネディクト16世は、パレスチナ・イスラエル紛争を解決するための外交努力は、両国民が憎しみの連鎖から抜け出すことを望まない限り成就しないだろうと語った。

教皇はヨルダン川西岸地区のアーイダ難民キャンプを訪れた際のスピーチ で、関係各方面に対し、「全当事者 の法的主張を尊重した恒久かつ公平な解決策のために行動し、彼らが国際法に合致する平和と尊厳のもとで生活できるように」とあらためて呼びかけ、「パレスチナとイスラエルの民衆が憎しみの連鎖から抜け出すことを望まない限り、政治的な努力は成功しないだろう」と言葉を続けた。

難民キャンプの若者たちに向かっては、「将来、パレスチナ人の問題に責任ある立場に立った時のために、努力を新たにして欲しい」と語りかけ、難民キャンプの人々には「将来のパレスチナ社会において指導的な位置に立つにふさわしい人々が足りなくなることのないよう、あなた方の子どもたちの学業を助け、才能を育てなさい」と述べた。

 さらに教皇は「私は礼拝するときに、世界中のパレスチナ難民、とりわけガザでの最近の争いによって家や愛する者たちを失ったパレスチナ難民のことを思っているのだと確信して欲しい」「このキャンプの、この地の、この地域の人々がどれだけ平和を望んでいることか。この時期には特に〔イスラエルの建国によって故郷を追われた〕1948年5月の出来事と、それに続いた争いの月日がひとしお思い出されることだろう」…(中略)…「永続的な住処と独立したパレスチナ国家へのあなたがたの合法的な希求はいまだ実現していない」などと語った。

 この演説は教皇が5日間にわたるイスラエルとパレスチナへの訪問を開始して以来、もっとも政治的傾向が明らかな演説とみなされる。

(後略)

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( 翻訳者:竹内咲貴 )
( 記事ID:16535 )