「すべてのイラン人に月7万トマーン」:国営石油公社の株式化に向けたキャッルービー構想の詳細が発表
2009年05月27日付 E'temad-e Melli 紙

イラン国営石油公社の株式をイラン市民に譲渡する、メフディー・キャッルービー構想の詳細が発表された。

 モハンマド・アリー・ナジャフィー博士が座長を務め、経済の専門家や経済界で活躍する経営者らが委員を務めるメフディー・キャッルービー選挙本部企画委員会は、次のような発表を行った。「輸出用の石油・ガスから得られた収入は、もっぱらインフラ整備や国の一般歳出に充て、国内消費用の石油・ガスは、18歳以上のすべての人が株主を務める公共企業の監督下で管理される。この〔株式の〕譲渡から得られた収入は、毎月、ないしは3ヶ月に1度の割合で株主に還元される」。

 本紙の報告によると、メフディー・キャッルービー選挙本部の専門家や責任者ら(彼らはこの案を、メフディー・キャッルービー構想へと練り上げる役割を担っている)は、現在のイラン産原油の価格にもとづけば、毎月おおよそ7万トマーン〔約7000円〕相当を株主である18歳以上のすべてのイラン人に支払うことが可能だとしている。このおおよその金額は、現在のイラン産原油の価格にもとづいて計算したものである。

 キャッルービー選挙本部が決定した構想のなかで、石油公社の株式化構想を扱った章の全文は以下の通り。
○ 石油関連公社の株式を市民に譲渡することで、石油国有化運動を完成させる

 黒い黄金であり、黒い災厄でもある石油をどのように活用するかは、優秀な政治関係者たちによる国政運営と国の発展に向けた彼らの意志にかかっている。「発展を求める政府」は、国民に権限を漸次委譲しようとする意志に、自らの存在意義の源泉がある。

 「発展を求める政府」は適切な計画立案と、国の発展を中心に据えた安定した制度の確立によって、
・予算を天然資源の輸出から得られる収入への依存から脱却させ、
・公営企業の民営化を強力に推し進め、
・社会を秩序付け、法の支配を徹底させると同時に、民主主義的な権利を確保し、
・社会の亀裂を修復し、
・構造的な腐敗を一掃し、
・優秀な人材の登用を合理化し、国の発展全般の基礎を作る、
ことができる。

 「発展を求める政府」は、市場原理と近代的で効率的な制度の確立によって、天然資源から得られた資金を経済の新旧各分野への投資に活用し、また経済の各分野にバランスの取れた関係を確立することで、国の発展を最小限のダメージで促進させることができる。

 「発展を求める政府」は、天然資源を自然の富から経済的な資本へ、また国の発展の中心軸である(国民的・イスラーム的伝統から生まれた)社会の倫理的資源を、社会的資本へと転換することができる。

 第9政権の経験は、イスラーム共和国体制の知識人たちにとって重要な教訓である。彼らには国を、停滞と補助金漬けと物乞いのスパイラル――それは社会的資本の減耗を結果する――から脱却させる力がある。彼らが能力を存分に発揮するならば、持続的発展も可能だ。

 石油流通精製公社、及び国営ガス公社の株式譲渡は、国の行政・経済システムに寄生する排他的な特権の打破を目指した故モハンマド・モサッデグ博士の道を完成させるものである。

 この構想では、石油・ガスの生産は輸出用の生産と国内消費用の生産の二つの部門に分割され、輸出用の石油・ガスから得られた収入は、もっぱらインフラ整備や国の一般歳出に充て、国内消費用の石油・ガスは、18歳以上のすべての人が株主を務める公共企業の監督下で管理される。この〔株式の〕譲渡から得られた収入は、毎月、ないしは3ヶ月に1度の割合で株主に還元される。

 この額は、石油の基礎価格に応じて毎年改訂される。当然、石油・ガス価格が上昇した場合は、支払われる金額も増額される。

〔中略〕

最初の100日間に実施される10項目

 キャッルービー選挙本部企画委員会はまた、大統領選に勝利した場合にキャッルービーが最初に行う10項目について明らかにした。同本部の関係筋が語ったところによると、最初の100日間に実施される10項目は以下の通りとなっている。

1.石油公社の株式を国民に譲渡することで、石油国有化運動を完成させる
2.市民の権利の保護と各民族・宗教の権利実践のための常設機関を内閣に設ける
3.各大学が抱える教育上の問題や教職員らの問題、〔要注意人物として〕チェックマークが付けられている学生の問題、そして大学入学の際の性別割当制度の問題を解決させる
4.行政企画庁などの企画立案システムを復活させ、意志決定への知識人らの役割を復活させる
5.教師や政府職員たちの生活・職業上の問題を調査する
6.民間部門で活躍する人々が政府との間に抱えている問題を解決させる
7.政府予算を監督し、インフレ率を抑制し、物価の高騰を阻止する
8.核問題でイランに科された国際的な制裁に対処する
9.各大学の教育保険に関する包括的プログラムを、民間部門と協力して実行する
10.スポーツから政治を排除し、スポーツの専門家たちの協力を得て体育行政や各スポーツ協会の運営にあたる

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( 翻訳者:斉藤正道 )
( 記事ID:16559 )