娘の親権獲得勝訴の日本人母、依然、娘に会えず
2009年06月01日付 Radikal 紙

日本人女性ミチコ・デニズさん(45)は、ガズィアンテプ出身の夫であるフェヴズィ・デニズさん(32)との娘カデルちゃん(5)の親権を獲得するために起こした法廷闘争で勝訴したものの、いまだ娘と面会できない。警察は、娘とともに姿を消した父親フェヴズィ・デニズさんの行方を追っている。

東京で生活しているミチコ・デニズさんは、5年前ガズィアンテプからこの町に観光客として来たフェヴズィ・デニズさんと結婚した。そろって工場で働いていた夫婦は、5年前生まれた娘カデルちゃんとともに2008年11月にガズィアンテプへ来た。夫は、娘とともに数日遅れて来日すると言い、妻を見送った。しかし、夫はこの後その言葉を守らず、娘をガズィアンテプに残し、来日した。

依然として娘に会えずにいるミチコ・デニズさんは、先月トルコを訪れ、日本の駐トルコ大使館から法的支援を受けた。ガズィアンテプ共和国検察局に訴えた母親ミチコさんは、法的手段によって娘との面会を果たすことを望んだ。ガズィアンテプ第1未成年法廷は、教育専門家らの報告書を考慮し、彼女がまだ幼いこと、母親の愛情が必要であることを理由に、カデリちゃんの親権が母親に与えられるべきとの決定を下した。これに対し異議を唱えた父親フェヴズィ・デニズさんの訴えは退けられた一方で、娘の引き渡しに10日の猶予を受けた。

そしてようやく今日(1日)、ガズィアンテプ第1未成年裁判所で娘カデルちゃんの親権を得る最終判決を受けた母親ミチコ・デニズさんは、法廷の出口で次のように語った。「本当にとてもうれしい。公正な判決を下した裁判官に心から感謝する。」ミチコさんは、この後娘の引き取りのため、弁護士とともに青少年課へと向かった。しかし、青少年課において、夫フェヴズィ・デニズさんが娘カデルちゃんを連れてきていないことを知り、大きく落胆した。

警察が自宅を訪れるとフェヴズィ・デニズさんと娘カデルちゃんが、1週間家にいなかったことが分かった。これを受け警察は、父親と娘の捜索に乗り出した。法廷の判決にも関わらず、大きな希望を胸にやってきたガズィアンテプにおいて、娘に依然として会えずにいる母親ミチコ・デニズさんは、日本大使館の法律顧問である鳥越恵子さんの助けを受け辛うじて立っていた。法廷の出口で喜びを見せた後、娘を受け取れないことでの大きな悲しみを受けることとなったミチコ・デニズさんは、そのショックから事態について記者らの質問に対し答えなかった。

弁護士であるセルメト・アルタイ氏は、次のように語った。「第1未成年裁判所で結審となった。教育専門家らによる報告書に基づき、カデルちゃんの親権は母親に渡された。しかしカデルちゃんの居場所は捜索中だ。カデルちゃんが1週間家にいなかったことが分かった。彼らがどこにいるのかは明らかでない。現時点で警察が捜索を続けている。法廷の判決は適用されるだろう。私たちはトルコ警察を信用している。確実に法廷の判決が適用され、娘カデルちゃんは母親と面会できるだろう。カデルちゃんが見つかれば母親に受け渡される。日本に帰国する手はずが整えられるだろう。父親は希望すればカデルちゃんに面会できるようになる。」

ミチコ・デニズさんは、鳥越恵子弁護士とともに滞在しているホテルへの帰途についた。

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( 翻訳者:萩原絵理香 )
( 記事ID:16584 )