アフマディーネジャード「もし公益にかなっていると判断すれば、腐敗分子の実名を公表する」
2009年06月01日付 E'temad-e Melli 紙

マフムード・アフマディーネジャード大統領は、経済的腐敗分子の実名を公表すると約束した。大統領はこれまで何度も、この種の約束を行ってきた。

 大統領は今回、腐敗分子の実名暴露にあたり、「公益」という基準を持ち出し、これまでの主張を繰り返す形で、次のように述べた。「もし公益にかなっていると判断すれば、テレビ・インタビューの中で、一部の経済的腐敗分子の実名を公表し、イラン国民に真相を明らかにするつもりだ。彼らが過去どのようなことをしてきたのか、話したいと思う」。

 アフマディーネジャード大統領は第2期地方訪問の一環として〔テヘラン州〕サーヴォジボラーグを訪問し、その中で〔一部の腐敗分子が〕巨額の資金を銀行から借りながら返済を怠っている実態を強調、これまでの自らの主張を繰り返す形で、次のように述べた。「3年前、われわれは統計を取ってみた。すると、銀行から融資された資金の9割以上が1割未満の人々、数字にして約3千人の人の手に渡っていたことが判明した。社会の残りの9割以上の人は、銀行が融資した額の約1割を借りていたに過ぎず、〔銀行が融資した額の9割を借りていた〕1割の人の多くは、自分が借りた資金を返済していなかったことも分かった。実際、彼らは借りた資金の返済を怠り、難癖を付けては返済を拒んでいた。その一方で、1割以下の資金しか借りていない9割の人たちは、500万〔トマーン〕とか300万、400万といった〔比較的少額の〕お金を借り、きちんと返済していた〔※500万トマーンは約50万円〕」。

 大統領はさらに次のように続けた。「すでに述べたように、この1割に入らない一部の人々〔=銀行からの融資額の9割を独占している人々〕は、巨額の資金を借りては、返済を怠り、銀行の頭取や職員たちが返済を求める督促状を書いても、借りた金など返さないなどと難癖を付けてきた。銀行が司法に訴えようとすると、やくざな連中や有力者から50回も電話がかかってきて、『彼らには関わるな』、『君たちは国の経済に損害を与えようとしている』、『君たちの経済政策は間違っている』、『彼らにお金を渡しておけばいいんだ、彼らがしたいようにさせておけばいいんだ』などと言ってきた」。

 「私たちは巨額な資金を借りて返済しようとしない、こうした連中について調査した。すると、革命前や革命初期には何もしなかったくせに、20年間要職を歴任し、今では億万長者、いや超億万長者になって影響力を行使している人々が、こうした返済を怠っている連中を擁護し、銀行の経営者に圧力をかけ、『君たちは彼らに何の用があるというのかね。お金は彼らに預けておけばいいんだ』などと言っていたことが分かった」。

 アフマディーネジャード大統領は第9政権の経済政策を擁護して、「銀行が融資している全資金のたった7%を、零細事業所への融資にまわしてきたにすぎない。このような施策のお陰で、若者には活気が生まれ、若者の雇用の場が作られた」と指摘、さらに次のように述べた。「しばらくすると、こんな政策は間違っている、この政策のせいで経済がダメになった、インフレの原因になったなどという非難の大合唱が生まれた。われわれは次のように問うた。『銀行の融資の93%は、一部の人のポケットに入っている。彼らは返済を怠っている。彼らは工場を造ると言っては巨額の資金を借りている。しかし彼らはこれらの資金をテヘランの住宅市場に投資し、住宅価格の高騰を招いている。経済に問題を引き起こしているのは、彼らの方ではないのか』、と」。

 「資金を持っていっては返済しようとしない連中は、ウソの処方箋を書き、問題が本当はどこにあるのか、国の責任者を惑わせている。もちろん、零細企業振興策をめぐる問題では、借りた資金を雇用の創出のためではなく、別のところに使った人も中にはいたであろう。しかし果たしてこの問題は、工場を造ると言って巨額の資金を借りては、テヘランや〔別荘地のある〕マーザンダラーンの住宅市場に投資して、住宅価格の高騰を招いた連中の問題よりも、害が大きいだろうか」。

 アフマディーネジャード大統領はこのように述べ、さらに「〔イラクとの〕戦時に特別なコネを使って、1ドルを7トマーンで買い、高層マンションを建てた人もいる。自由市場では、1ドル150トマーンから200トマーンした時代のことだ」と指摘した。

〔後略〕

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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:16609 )