第7回トルコ語オリンピック:文明間の相互理解のためにトルコ語が架け橋を築いた
2009年06月07日付 Zaman 紙


第7回国際トルコ語オリンピックが6日に盛大な式典で幕を閉じた。115カ国からやってきた700人の生徒たちは、観衆に忘れられない日を味あわせた。“世界の花々”を集めたオリンピックの閉会式はSTV、SHABER、CİNE5、Kanal A、TRT2、TRT AVAZなどのテレビ局によって生中継された。

アンカラのアスキ体育館でのプログラムへは、タイイプ・エルドアン首相、ビュレント・アルンチ副首相、国務大臣のハヤーティ・ヤズジュ、セルマ・アリエ・カヴァフ、ファルク・チェリキ、ニメト・チュブクチュ国民教育大臣、エルトゥールル・ギュナイ文化観光大臣、メフディ・エケル農業村務大臣、レジェプ・アクダー保健大臣、閣僚経験者のヒュセイン・チェリキとヒルミ・ギュレル、ユスフ・ズィヤ・オズジャン高等教育機構(YÖK)会長、アンカラ広域市長メリフ・ギョクチェキ氏らも含めた約5千人の人々が参加した。会場に入れなかった何千人ものアンカラ市民たちは、巨大なスクリーンのある特設テントで表彰式をみた。入賞した学生たちの歌や詩を朗読するプログラムではトルコ国歌のイスティクラル・マルシュを暗唱してうたったコンゴ人の子供たちの姿が強い印象を残した。しばしば感動的なシーンがみられ、観衆は涙を抑えられなかった。

盛大な式典はコンゴ人のルイ・ズンブ・ンブクちゃん(4)とユニス・ズンブ・タディサちゃん(5)の2人がトルコ国歌の10節を暗唱して幕を開けた。この小さな女の子たちに会場全体が立ち上がって拍手喝采を送った。キャスターのケマル・ギュレン氏とゼイネプ・カスムルオール氏によるプログラムでは、オリンピックに参加した学生たちが旗を持って会場を歩きまわりながらステージに上がった。まるで国連にいるかのような雰囲気を作り出した若者たちは来賓からの大きな喝采を浴びた。

世界合唱団の歌ったトルコ民謡に合わせて外国の子供たちがトルコの民族舞踊を踊った。キルギスの学生たちの“コルバストゥ”というダンスにも満場総立ちとなった。

エルドアン首相とエミネ夫人が会場に入ると大きな拍手がわき起こった。この時ステージでパフォーマンスを行っていたナイジェリアの学生も立ち上がった。首相に向けて、「あなたのために初めからやりましょう」と言って会場を笑わせた若者たちは、俳優のハサン・カチャンが演じたことで有名な「ヘレドット・ジェヴデット」の演技で多くの関心を集めた。式典は学生たちがオリンピックのテーマソングである「イェニ・ビル・ドゥンヤ(新しい世界)」を全員で歌って幕を閉じた。

「アリー・シール・ネヴァーイ」賞は、神学博士のトーマス・ミシェル氏、トルコ学博士のミハイル・メイヤー氏、ロシア科学アカデミー東洋学研究所所長のボリソビッチ・リバコフ氏、トルコ学の学界で有名な研究者の中からケマル・エラスラン博士に贈られた。エルトゥールル・ギュナイ文化観光大臣が受賞者達へこの賞を贈った。大臣は「トルコ語という音の旗を掲げるみなさんは私たちの大使であり、同時に私たちの文化を身につけてくださいました。この全ての努力、目的を考えた人々とそれを実現させた人々へ心をこめてトルコ人を代表して言います。どうもありがとう!」と述べた。

■ エルドアン首相「外国で活動するトルコ語教師たちは、オスマン時代のアクンジュ(突撃騎馬兵)のよう」

エルドアン首相は、トルコ語が世界中で話され学ばれることに貢献している先生たちに感謝した。外国にいくとどこにいっても、トルコ語を心を植えつけてくれた先生たちの生徒と出合ったと語り、こうした努力をする教師たちを、オスマン時代の組織であるアクンジュに擬えた。「この人たちを、私はオスマン時代のアクンジュのようだと思っています。この人たちのおかげで、詩人のネジプ・ファズル、メフメト・アーキフ、ナーズム・ヒクメト、アリー・シール・ナヴァーイーの詩の朗読を聴くことができました。それゆえ、この人たちを祝福し、これからも成功が続くことを祈ります。」
言葉が、一つの民族にとって非常に重要であると語る首相は、「dil(言語)は、トルコ語では、同時に「心」を意味します。トルコ文学では、「dilの人」という表現もあります。これは、「心ある人」ということです。【注記】世界の片隅でトルコ語を話す人とであったとき、そこに生れる共同性は、まさにこの心と言葉の一体性により生み出されます。今日まで、この作業にあたってこられた先生方に感謝します」と述べた。

メフメト・アーキフ・エルソイに始まり、ネジプ・ファズル・クサキュレキ、アリー・シール・ナヴァーイー、ナーズム・ヒクメトにいたる詩人たちのトルコ語が、この先生たちの手で生徒たちの心に刻まれたことを強調した。トルコ学校の卒業者を代表し、ソング・コンテスト決勝の司会を務めたアルバニア生まれのアブラン・タルタリに賞を手渡したエルドアン首相は、プログラムの最後に、コンゴからやってきたかわいい子供たちを抱きかかえ、キスをした。

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注記:「心」を意味するdilはペルシア語からの借用語で、トルコ語dil「言語」とは別の語。エルドアン首相は両者を混同していると見られる。

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「トルコ語オリンピック」の背景については、こちらの記事を参照
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( 翻訳者:猪股玲香 )
( 記事ID:16626 )